慢性完全閉塞 (CTO)の最近のブログ記事

Long-Term Follow-Up of Elective Chronic Total Coronary Occlusion Angioplasty: Analysis From the U.K. Central Cardiac Audit Database. George S, et al. J Am Coll Cardiol 2014; 64: 235-43.

同じ論文をたてつづけに抄読会で読んでしまいました!!! もう読んだことあるような という気がしたのですが、あからさまに気づかない こんな馬鹿な です しかも、ほんの2週間ぐらい前に読んだのにもかかわらずなので まあ、疲れているからでしょうか?
最近は本当に精神的にも肉体的にも疲れきっているのです 朝が来れば、「あーあ また一日が始まる」と毎朝思う日々なのです
新しい一日を迎えるのが怖いのです

などとグタグタ言っていても仕方ないですね

この論文は先のブログにあるように既に抄読会で読んだものです

しかし、二度読めば新しい観点も出てくるのですね

それは何か、と言えば、Table 1に代表されるデータです そこで、狭心症症状のクラス分け(CCS class ですが)がされ、それと共に慢性完全閉塞に対する経皮的冠動脈インターベンションの成功率が書かれています それによれば、有意な差を持って、Class I; 60.7%, II; 69.2%, III; 73.0%, IV; 75.0%; 0; 68.1%と症状があるほど成功率が高いのです これまでの慢性完全閉塞についての論文が、そもそも(表向き)有症候性の患者さんが慢性完全閉塞の対象となっていないことになっているので、このような真のデータは出てこないのですよ
そもそも、僕自身の豊富な慢性完全閉塞に対する経皮的冠動脈インターベンションの経験から言わせて頂けば、この症状の強い患者さんほど成功率が高い、というのは真の感覚なのです まあ、長年慢性完全閉塞があり、硬くなっている方は症状が無くなっている可能性も高いでしょうし、自覚症状が強ければ、術者としてもしゃかりきになる というバイアスもあるでしょうし

という訳で 二回読みは決して無駄ではありませんでした
Long-Term Follow-Up of Elective Chronic Total Coronary Occlusion Angioplasty: Analysis From the U.K. Central Cardiac Audit Database. George S, et al. on behalf of the British Cardiovascular Intervention Society and the National Institute for Cardiovascular Outcomes Research. J Am Coll Cardiol 2014; 64: 235-43.

BCIS (the British Cardiovascular Intervention Society)では、Englandと Walesで実施されている全ての心臓血管インターベンションをデータベースに登録しています。このデータベースの中から、 2005/01月から 2009/12月に行われた慢性完全閉塞に対する経皮的冠動脈インターベンション症例について、調べたものです 死亡については、他の国家データベースとリンクして判定したそうです
結果としては、この期間に慢性完全閉塞に対する経皮的冠動脈インターベンションは、13,443人の症例に対して、14,439PCI行われ、成功は 10,199PCIで得られました
術後 4年間の経過観察において、CTO-PCIに成功した場合、死亡率が不成功の場合に比して、有意に低下 (HR 0.72; 0.62-0.83; p<0.001)しました
しかしながら、CTO部位がLAD/LCX/RCAのどの枝の成功であっても、生存率に差は認められませんでした

このことより結論として「CTOに対するPCIに成功すれば、長期生存率が改善する 特に完全血行再建に成功すれば、その効果は大きい しかし、CTOがどの冠動脈枝にあっても、死亡率に差は認められなかった 要するに、CTOがどの枝にあったとしても、CTOのPCIに成功することが重要である」というものでした

しかし、これって従来より言われている左冠動脈前下行枝の病変が一番生命予後に影響する、という重大な事実に大きく矛盾しますよね どう考えてもおかしい結果です
Predictors of Reocclusion After Successful Drug-Eluting Stent-Supported Percutaneous Coronary Intervention of Chronic Total Occlusion. Valenti R, et al. J Am Coll Cardiolo 2013; 61: 545-50.

これはイタリアの single centerレジストリの結果です 2003年に開始したもので2011年までの 1,035例の慢性完全閉塞患者がそもそもの母集団ですが、この中で 802例でPCIが成功しました かの中で慢性完全閉塞に対するPCIの成績を、EES出現前と、後に分けて比べたものです

一年間の MACE = 16%とものすごく良い成績でした 血管造影は、82%で行われていましたが、再閉塞は 7.5%のみで、EES後では3.0%という低率でした

また、STARS techniqueについても検討されましたが、 明らかに STARS techniqueを行った方が MACE発症率が高かったのです まあ当たり前ですよね 日本人の術者で STARTなんか使う人いないですもんね

総じて成績良かったのですが、そもそもほとんど男性患者であり、糖尿病が少く、年齢も若いのでそのような良い成績となったものと思います
Radial Approach for Percutaneous Coronary Inverventions on Chronic Total Occlusions: Technical Issues and Data Review. Burzotta F, et al. Cathet Cardiovasc Interv 2014; 83: 47-57.

この論文はパリ郊外の Massyにある パリ南心臓病センターからの報告であり、これまでに発表された論文や、講演のデータをまとめたいわゆる Reviewというものです

内容に関しては、我々から見れば目新しいものはなく、ただ、我々の施設からの論文が 6編引用されているのがまあ、良いかな ということだけでした

しかし、このようなものでも一旦論文となれば、世界の世論を引っ張るのであり、僕自身も構えて待っているだけではなく、もっと発言せねばならない、そのように思いました

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