本当かな????

Comparison of Balloon-Expandable vs Self-expandable Valves in Patients Undergoing Transcatheter Aortic Valve Replacement: The CHOICE Randomized Clinical Trial. Abdel-Wahab M, et al. JAMA 2014; 311: 1503-1514.


これは歴史上最初に公表された、SAPIENと CoreValveの前向き無作為ガチンコ勝負の論文です 実施したのは、ドイツ・ハンブルグにある有名な Segeberger心臓センターからの一施設報告です

従来、後ろ向きには、この2つのTAVIディバイス、まあ典型的なバルーン拡張型と、自己拡張型の比較がこれまでに行われてきましたが、前向きに無作為化しての試験はこれ以外にはありません

ずばり結果は、Balloon-Expandableの方が機器の成功率が有意に高かった (95.9% vs 77.5%)であり、機器の成功率が主要評価項目だったのですから、Balloon-Expandableに方が優れている、という結論となりました

ただし、この直前の New England Journal of Medicineに掲載された CoreValveの US pivotal trialの凄まじい結果 "In patients with severe aortic stenosis who are at increased surgical risk,TAVR with a self-expanding transcatheter aortic-valve bioprosthesis was associated with a significantly higher rate of survival at 1 year than surgical aortic-valve replacement. "  

Transcatheter Aortic-Valve Replacement with a Self-Expanding Prosthesis.

 2014 Mar 29.

の結果を見れば「本当かよ?」と思わざるを得ません そして、僕自身、この両者のTAVIを行っている経験を有する数少ない術者として、信じがたい結果なのです


では何故そのような結果がこの JAMAの論文では導きだされたのでしょうか?
  1. まず、主要評価項目はを、device successとしているから
  2. 次に、臨床評価を植込み後三ヶ月時点でしか行っていない
  3. あまりにもペースメーカー植え込み率が高く、技術的に信用できない
というのが、僕の感想です
1.については、この Device Success率が低い原因として、直後の大動脈弁逆流が含まれ、実はそれが原因で Self-ExpandableではDevice Successが得られなかった症例がほとんどであっのです
2については、そもそも三ヶ月の時点での死亡率などは、両群で同等であったのですが (心血管死亡率 4.1% vs 4.3%)、それより長い期間での結果については触れられていません そもそも術後大動脈弁逆流については、Self-Expandableでは時間経過と共に減少してくる、というのがこれまでの定説です
3.については、Balloon/Selfで 17.3% vs 37.6%という高率でペースメーカー植え込みが行われており、これは異常に高い値です それが意味するところは、弁の植え込み位置が、不適切な可能性がある、ということです

だから僕はこの論文の結果を信用しません

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このページは、Dr_Radialist (KAMAKURA & SAPPORO)が2014年4月30日 17:47に書いたブログ記事です。

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