これは高齢化社会日本にとっての福音か? それとも爆弾か?

Efficacy and Safety of Rivaroxaban Compared With Warfarin Among Elderly Patients With Nonvalvular Atrial Fibrillation in the Rivaroxaban Once Daily, Oral, Direct Factor Xa Inhibition Compared With Vitamin K  Antagonism for Prevention of Stroke and Embolism Trial in Atrial Fibrillation (ROCKET AF). Halperin JL, et al. on behalf of the ROCKET AF Steering Committee and Investigators. Circulation 2014; 130: 138-146.

NOACの一つである Rivaroxaban (日本での商品名 イグザレルト)は、腎機能低下例でも投与でき、また一日一回投与でも良いなど、NOACとして使いやすい特徴があります さらに、この Rivaroxabanの有効性をワーファリンに比して検証した大規模試験 ROCKET AFにより、Warfalinに比して、Rivaroxabanは心房細動患者さんでの脳梗塞予防効果において、劣っておらず、しかも、脳出血の合併症が有意に少なかった点から、その有効性が期待されています
また、日本人においても、国内第三相試験において、ワーファリンに対する非劣性が示された (どうも統計学的には有意な非劣性ではない?) ことから、日本人患者さんでも有効性が期待されています

特に、日本は世界の中でもダントツに急速な高齢化が進み、高齢化と共に心房細動患者さんが増加していますので、脳梗塞の予防と、かつ脳出血の増加抑制というのは重要な要求事項であります

さて、この論文では、 ROCKET AF患者群を 75歳以上の 6,229例と、75歳未満の 8,035例で、ワーファリンに対する Rivaroxabanの有効性を再解析したものです 正直論文に記載されていることは複雑怪奇であり、読んでいると誰しも眠くなり、あっ、この論文は新しい睡眠導入剤開発物語なのかな? と思ってしまいます

そういう訳で、筆者の言うとおりのことしか記載する元気はありません それによれば、75歳以上の高齢者における非弁膜症性心房細動に対しても、Rivaroxabanは、INRをきちんとコントロールしたワーファリンと同等の脳梗塞予防効果を示し、しかも脳出血の危険性は少なかった というものでした

これは素晴らしい結果であり、積極的に Rivaroxabanを使用したいと誰しも思います 僕もそうです というか、このような論文が出ている状況では、患者さんに Rivaroxabanでなく、ワーファリンを投与し続けることは罪でしょう

とは言っても、日本の急速な高齢化は色々な社会的別の問題をもたらします 何しろ、NOACはワーファリンに比して p<0.00000000000000000000000000001などという天文学的数字でもって有意に高額なのです さすれば、そのような高額の薬剤を収入の途絶えた高齢者が支払うことができるのか? これはある意味選別化とか、色々な問題につながるのかも知れません 時限爆弾のように社会に影響をもたらすのかも知れません

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このページは、Dr_Radialist (KAMAKURA & SAPPORO)が2014年7月30日 17:41に書いたブログ記事です。

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