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Carotid Artery Stenting According to the "Tailored CAS" Algorithm Performed in the Very Elderly Patients: The Thirty Day Outcome. Dzierwa K, et al. Cathet Cardiovasc. Interv 2013; 82: 681-688.

CAS (頸動脈ステント植え込み術)は内頚動脈狭窄症による虚血性脳卒中に対する治療法として、あるいは予防法として確立しています この分野においても、心臓領域でそうであるように、外科的治療法(内膜剥離術)と、インターベンション治療法(ステント植え込み術)が互いに パイを奪い合っている側面もあります

この論文は、ポーランドの CAS high volume centerにおいての報告です

CASは高齢者 (75歳以上)では術中・術後の虚血性脳卒中合併症が多く起こることが分かっていますが、手技中のこれらの合併症を予防するために、さまざまな術中末梢保護ディバイスが使用されたり、あるいは Closed Cell Stentが用いられたりしています この論文においては、high-volume centerにおいて、75歳以上の症例に関して、積極的にこれらのディバイスを用いることにより、虚血性脳卒中合併が減らせるか否か、について検討しました

結論から言えば、それらの仕立て屋さんのような、病状に併せて微妙にディバイスを変更しながらCASを行っても、75歳以上の患者さんでは多くの虚血性脳卒中合併症が起こったのです

この結果、筆者達は、心臓における Heart Teamのように、Vascular Teamによってこのような high-risk群には対処すべきだ、ということを提唱しています
Systematic Review of Current Guidelines, and Their Evidence Base, on Risk of Lactic Acidosis after Administration of Contrast Medium for Patients Receiving Metformin. Radiology 2010; 254: 261-9.

糖尿病患者さんにおける血糖コントロールのために、メトフォルミン(メトグルコ)は非常に有益な薬剤です しかし、この薬剤服薬患者さんに対して造影検査を行った時に、乳酸アシドーシスとなった、という症例報告が散見されます これにより、日本国内では薬の添付文書において、造影剤使用に際しては、メトフォルミンを 48時間前より休薬するように、と書かれています
しかるに、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドにおけるガイドラインでは、腎機能低下が無い限り、その必要は無い、と書かれるいるようです
本論文は、この点に関して焦点を当てたものです
結論としては、正しいガイドラインを作るに十分な科学的データが今だ無い、というものでした
その結果、メトフォルミン服薬患者さんで造影を行うに際しては、検査が必要であるならば、事前にメトフォルミンを休薬する必要は無い、休薬による障害(血糖コントロールの悪化や、糖尿病による心血管障害の増加)を十分に考慮するべきだ、というものでした

ちなみに現在の日本のガイドラインにおいては、腎機能正常であれば、造影の時にメトフォルミンをやめればよいようになっています もともと腎機能悪い方にはメトフォルミンは投与すべきではありません

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