DEB (薬剤溶出性バルーン)の最近のブログ記事

A Randomized Comaparison of Drug-Eluting Balloon Versus Everolimus-Eluting Stent in Patients With Bare-Metal Stent-In-Stent Restenosis: The RIBS V Clinical Trial (Restentosis Intr-stent of Bare Metal Stents: Paclitaxel-eluting Balloon vs. Everolimus-eluting Stent). Alfonso F, et al. J Am Coll Cardiol 2014; 63: 1378-86.


この RIBS Vと呼ばれる臨床試験は、スペインの大学病院25施設が共同で 189名のBare-Metal Stent (BMS)後のステント内再狭窄を対象として、日本でも最近認可された DEB (Drug-Eluting Balloon)による治療と、Xience EESを植えこむことによる治療を前向きに比較したものです

正直最近はBare-Metal Stent植え込みは多くの国々で特集な場合にしか行われていませんので、これだけの数のBare-Metal Stent後のステント内再狭窄を集めるのは大変ですし、この結果にどれだけの臨床的意義があるかは不明です

Primary Endpointとして設定されたのは、これまで新規ステントの有効性に良く用いられてきた9ヶ月選択的冠動脈造影での QCAによる最小ステント内内径 (minimum in-stent lumen diameter)でした 必要症例数の算定に用いられた仮説としては、EES植え込み後の9-Mo  MLD = 2.3 +/- 0.7 mm そして、DEB後の9-Mo MLD = 2.0 +/- 0.7 mmという値が用いられていますが、それは、EESもDEBも同等の Late Loss = 0.3 mmと仮定し、EESの方が DEBよりも、Acute Gainが大きいと考えています (どうやら、この考えはこれ以前に行われた RIBS I/II試験の結果から導き出されたようです)  この仮説の下で、Power 80%として脱落率 10%を見込んで EESが 9-Mo MLDで有意に優れている結果が出るには 190例が必要と計算されました

結果としては、予想通り EESの方がDEB よりも大きな 9-Mo in-stent MLDであり、EESが勝ちました 再狭窄率は EES/DEB = 4.7%/9.5% (p=0.22)でした そして、12ヶ月までの臨床結果(MACE)に関しては、両群で有意差はありませんでしたが、EESの方が若干優れた結果でした

このことから結論として、Bare-Metal Stent植え込み後のステント内再狭窄に対しては、EES植え込みをしても、DEBにより治療しても結構良好な成績が得られるけど、若干EESの方が優れている、と結論しています

問題点として言えば、薬剤溶出性ステントの使用は、EESでも示されているように持続的にMACEが発生する点です このため、今回の 9/12 Moでの評価が十分であるとは思えません まあ何れにしてもBare-Metal Stent植え込み後のステント内再狭窄というのはあまり問題とはならないので、今後は薬剤溶出性ステント植え込み後のステント内再狭窄に対する効果を知りたいものです これまで、ステント内再狭窄に対して DEB vs POBAではそれが薬剤溶出性ステントであろうが、Bare-Metal Stentであろうが、DEB (Paclitaxel-Eluting)の方が優れた成績が示されてきました そして、Limus系の薬剤溶出性ステント後のステント内再狭窄に対して、DEB vs TAXUSでは若干 DEBの方が優れた成績でした (ISAR=DESIRE 3 trial) しかし、Limus系の薬剤溶出性ステント後のステント内再狭窄に対して、Limus系薬剤溶出性ステント最植え込み vs DEBというのは未だありませんので、その結果を知りたいものです えっ、それならば自分でやれば? と言われてしまうかも知れませんが、事実上症例数の制約から日本では不可能ですよ

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