心臓について…心臓のまめ知識
  心臓はポンプです
心臓は全身に血液を送り出すポンプです。まず全身の静脈から静脈血を吸い上げます。”吸い上げる”という表現が不思議に思う人もいるでしょう。しかし考えてください。人間は立って行動しますが、身長160cmの人が立っている時、心臓は地上から100cmぐらいの位置にあります。心臓より上にある臓器(脳など)の静脈血は重力の作用で自然に心臓まで降りてきます。しかし、心臓より下にある臓器(肝臓、胃腸、下肢など)の静脈血は重力の作用で足の底に溜まろうとします。これに対して心臓は下肢の筋肉や、下肢静脈にある静脈弁の働きを借りながら静脈血を吸い上げます。

こうして吸い上げられた炭酸ガスで汚れた静脈血は新鮮な酸素を補給するために、肺動脈を通じて肺に送り出されます。肺の毛細血管は肺胞の部分で、気管から肺に吸い込まれた新鮮な空気と接触し、ここで炭酸ガスと酸素が交換されます。こうして肺から再び心臓に戻った血液は汚れた炭酸ガスが無く、しかも新鮮な酸素に満たされたものになります。この新鮮な血液(動脈血)はいよいよ大動脈を通して全身の臓器に送り出されます。

全身の動脈は全身の臓器細胞に新鮮な酸素とエネルギーを効率的に供給できるように、細かい毛細血管にまで枝分かれしていきます。これらの全ての毛細血管にまで新鮮な動脈血を送り出すために、心臓はそれらの動脈の大元である大動脈に勢い良く動脈血を送り出します。

このように心臓の主な働きは静脈血を吸い上げて、それを動脈血に変えて全身に送り出すポンプの役目です。



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