みんなの疑問 (FAQ - Frequently Asked Questions)
みなさんからの疑問を集めました。
  心臓病の人は納豆を食べてはいけないの?
どうやらテレビの健康番組などで司会者が知ったかぶりをして「心臓病の人は納豆を食べてはいけない」と、言うようです。答えはノーです。納豆は典型的な大豆タンパク食品であり、数々のビタミンを含み、とても健康的な食品です。特に、納豆のネバネバの部分にはたくさんの栄養素が含まれ、動脈硬化に対しても非常に良い食品です。

では、何故そのような間違った噂が流れるのでしょうか? これには訳があります。心臓病の中の、一部の方は治療上ワーファリンという薬を服用しています。この薬は非常に重要な薬であり、血液が固まるのを防ぎます。ワーファリンはビタミンKに対して作用して、血液の凝固因子を抑制します。これにより血液の凝固能を低下させることができます。一方、納豆のネバネバをもたらす納豆菌はこのビタミンKをどんどん産生します。ですから、ワーファリン治療中の患者さんが納豆を食べると、せっかく服用しているワーファリンが効かなくなってしまうのです(詳しくは、あるいは)。

ワーファリンは心臓病の方々の中で、自分の弁を人工弁に入れ替えた方、あるいは慢性心房細動の方などに投与されます(心臓の中で血液が固まり、それが全身に飛んでいく塞栓症を予防するためです)。薬が効きすぎると、出血が止まらなくなってしまいますので、少なくとも一ヶ月に一回は血液検査(INRという値)をチェックして、最適な投与量を決めていく必要があります。
また、納豆だけでなく黄緑色野菜にもワーファリンに対して同様の作用がありますので注意して下さい。

  バッファリンを飲んでいると納豆を食べてはいけないの?
違います。バッファリンとワーファリンと名前が似通っているために、このような誤解が生じているのです。全く関係ありません。

  納豆のネバネバで血がドロドロになるのでは?
そんなことは全くありません。むしろ納豆の栄養には動脈硬化の進展を防ぐ効果があるとも考えられます(念のために申し添えますが、僕 齋藤 滋自身も納豆を大好きですが、納豆業界より一銭のリベートももらったことはありません。東京生まれ東京育ちで、納豆や豆腐といった大豆タンパクで育った僕が、東大安田講堂事件のあおりで、大阪大学に入学し、大阪において下宿生活を始めた昭和44年当時には関西のスーパーマーケットではほとんど納豆を見ることはできませんでした。どんなにがっかりしたか想像できますか?)。
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