みんなの疑問 (FAQ - Frequently Asked Questions)
みなさんからの疑問を集めました。
  コレステロールは本当に下げねばいけないの?
以前は総コレステロール値の正常値上限は220mg/dlまでとされていました。これは、金沢県で行われた、大規模な住民検診の結果から導き出された結論でした。しかし、住民検診の中には多数の健常者が含まれ、そこでの正常値上限は厳しすぎる値だという指摘もその後なされ、現在ではこの正常値上限は240mg/dlとか、場合によっては260mg/dlまではいいのではないか? という議論もなされています。

しかしながら、これはあくまでもいわゆる"健康人"での話です。既に動脈硬化性の疾患(虚血性心疾患や脳血管障害、動脈硬化性腎不全、その他)を患っている場合には状況が大きく異なります。最新号の米国循環器学会雑誌(Circulation)のEditorial(編集委員よりの警告)によれば、これらの動脈硬化性疾患にかかっている患者さんの場合、LDLコレステロール値を100mg/dl未満にせねばならない、と警告しています。最近行われた多くの臨床試験の結果、LDLコレステロール値を100mg/dl未満に保つことにより、その後の死亡率、心筋梗塞再発率、その他の虚血性心事故発生率を有意に低下させることが、証明されたからです。LDLコレステロール値100mg/dlというと、総コレステロール値にして恐らくは180mg/dl以下ということになります。

ですから、既に狭心症や心筋梗塞になっている方については、コレステロール値の目標値がいわゆる"正常人"とは、大きく異なるのです。

医師に対して、自分のLDLコレステロール値がいくつであるかを確認しましょう。

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