今 台北を発つところ

金曜日に New Yorkより羽田に戻り、その夜は鎌倉の自宅で爆睡 そして昨日土曜日には Eva Airで台北松山空港に飛びました 土曜日の夜は Advisory Board Meetingがあり、その後 寿司屋さんに行きました

本日日曜日は朝から Taiwan Society of Cardiovascular Intervention (TSCI: 台湾心血管インターベンション学会)が台湾総統府の目の前の建物で開催され、そこでの講演を依頼され参加したのです 激しい流暢な英語での厳しい質問がたくさん有りましたが、何とか乗り切りました

ようやく一週間ぶりに鎌倉で休めるかな?

少し複雑な SQL文

一泊二日で台湾・高雄でお仕事して月曜日は外来診療、そして色々なお仕事しました

火曜日の9:27は朝から Houstonに向けて飛び立ち、そのまま Colombiaに入るのです 今は、Houston空港で 6時間余りの transitをしています

そんな中懸案の SQLがようやく書けました これは、三つのテーブルを結びつけるものですが、要するに「多」対「多」という二つのテーブルを結びつけるために、間に「関連」テーブルを使うものです

この関係は実社会で良く見られるものです 例えば 人物テーブルを考えて下さい、このテーブルで重要なデータは

  1. 固有のID 今日の日本であれば、「個人番号」でしょうね
  2. 名前の姓
  3. 名前の名
  4. 性別
  5. 生年月日

などでしょう もちろん他にも色々付け足せますが、ここで重要なのは個々のフィールド (ここでは番号の1~5ですが)については、一度値が入れば、変化しない、ということです そして、1については、「個人番号」がそうであるように、重複することが決して無い ということなのですよっ

例えば、6.として「職業」を持ってきたとします ある時点では、その値は、学生であり、次には会社員となり、その次にはアルバイトになるかも知れません 要するに、「職業」というものは変化していきますので、この人物テーブルの構成要素としては相応しくありません

もちろん、「職業1」「職業2」「職業3」・・・・「職業10」ぐらい予備に造っておけばそれでも良いでしょうが

名前については、実は微妙な問題があります 日本では結婚することにより女性の姓が変化するのが普通ですので、最初から「姓1」「姓2」・・「姓5」ぐらい造っておいた方が良いかも知れませんね

さて、次に 病気テーブル について考えましょう これは簡単に次のようにしましょう

  1. 病気のID ここは例えば色々な国際的コードがあります
  2. 病名 例えば、胃炎、心筋梗塞などなどですね

さて、この二つのテーブルを用いて、ある人がある病気にかかっている という状態をどのように表せば良いでしょうか?

実はここで必要なのが、二つのテーブルを結びつける「関係テーブル」なのです

まずは「人物テーブル」です

ID 性別 生年月日
1 ABE SHI M 19500215
2 TABE SHISHI F 19511115
3 TABEKI MOMO M 19520415

さて次に「病気テーブル」です

ID 病名
1 急性胃炎
2 慢性胃炎
3 狭心症

さて、ある人の状態を表すにはどのようにすれば良いでしょうか? 例えば TABEさんが狭心症にかかっている、というのは「人物テーブル」のID=1と 「病気テーブル」のID3を結びつければ良いですよね 従って以下の 関連テーブルが必要となります

ID 人物テーブルID 病気テーブルID
1 1 3

このテーブルをどんどん増やしていけば良いのですよね これが Relational Database (関係データベース)の基礎の基礎なのですが、結構難しいのですよ これをSQL文で書くのは

2nd Greater China TRI Workshop

11月15日土曜日は、台湾高雄にある長庚記念病院(Chang-Guang Memorial Hospital)において、Greater China TRI Workshopを開催しました この会は、同院で過去7-8年行われてきた TRIのライブデモンストレーションを昨年より模様変えしたものです

従来のTRIライブデモンストレーションでは、足の便もあり、それほどたくさんの人々が集まらなかったのです 僕は最初から主催者として企画してきたのですが、それに限界を感じていました テコ入れのためもあり、何人かの日本人 Facultyも招待したりしたのですが、それでも状況は変わりませんでした

このため、昨年からは、Greater Chinaと銘打って、台湾のみならず、香港、中国大陸、そしてシンガポールまでも巻き込み行うことにしたのです 昨年の第一回は香港で開催しました そして、今年は長庚記念病院の呉(Wu)先生の強いご希望もあり、長庚記念病院で開催したのです

2nd Greater China TRI Workshop
2nd Greater China TRI Workshop

8:00AMにホテルを出発し、まずはカンファランス室に行き、本日のスケジュールの確認と、症例の確認をしました 僕には、朝一番の講演、さしてそれに引き続いて午前中はずっと座長、そして昼からは2例の慢性完全閉塞症例の治療でした

何しろ全部で8例の慢性完全閉塞症例が準備されていたのです それを3つのカテ室からライブデモンストレーションをしたのです

午後最初の症例は左回旋枝近位部の慢性完全閉塞であり、35歳の若い男性です もともと三枝病変であり、9月に BVS (完全生体吸収性薬剤溶出性ステント)を5個用いて、右冠動脈と左冠動脈前下行枝の狭窄病変の治療が為され、今回は左回旋枝の慢性完全閉塞です 両側TRIで入りました 非常に体格の大きい方で EBU4.0でもなかなかであり、backupが得にくい方でした また左主幹部は非常に太く、そこから鋭角に回旋枝が分岐しているため、その意味でも wiringが困難でした

左回旋枝慢性完全閉塞
左回旋枝慢性完全閉塞

これに対して、対角枝からのretrograde accessを狙ったのですが、左冠動脈前下行枝のその部位にはBVSがしっかりと入っており、ワイヤーを対角枝に通すことも大変で、それだけで10分かかってしまいました 造影すると、その対角枝からの副血行は、非常に蛇行し、コルク栓抜き様 (Cork-screw)でしたので、ワイヤーは通過させられるか否か分かりませんでした 案の定、暫くワイヤー通過を試みている間に、副血行は完全に閉塞し、血流が無くなってしまいました 仕方なく、順行性を狙ったのですが、ワイヤー操作困難であり、また遠位が何処かも分からなくなっており、暗い気持ちになりましたが、ふと気が付くと、対角枝からの副血行が回復していたのです それで、Sionを用いて再度トライしたところ、見事にこの蛇行した副血行を通過し、マイクロカテーテルが左回旋枝慢性完全閉塞の遠位真腔に入ったのです

そこてらまたかなりの苦労をして両側アプローチを行い、ようやくワイヤーを externalizationすることに成功し、最後は薬剤溶出性ステントを3つ植え込んで別人のようになりました

左回旋枝慢性完全閉塞薬剤溶出性ステント植え込み後
左回旋枝慢性完全閉塞薬剤溶出性ステント植え込み後

少し休んで引き続き、二例目に入りました この症例は、冠動脈バイパス手術を 2002年に行い、右冠動脈へのグラフは閉塞、右冠動脈の長い慢性完全閉塞が targetでした 両側TRIで入り、左回旋枝の小さな枝より逆行性にマイクロカテーテルを右冠動脈慢性完全閉塞末梢真腔に持ち込みました

右冠動脈近位部からの長い慢性完全閉塞
右冠動脈近位部からの長い慢性完全閉塞

しかし、病変が固い!! 非常に固い!! ワイヤーをどんどん escalateしていき、最終的に逆行性には Conquest-Pro9をそして、順行性には Conquest-Pro12を用いて何とかワイヤーの externalizationに成功したのてす

ワイヤー操作は非常に大変であり、またガイディング・カテーテルの固定もものすごく悪く、アンカーを巧みに利用しながらの手技でした 呉先生も興奮され、助手に入られました

呉先生との手技
呉先生との手技

そして、最終的には 48mm x 2.5mm DES, 3.5 x 28mm DES, 3.5 x 24mm DESを植え込んで奇麗な出来上がりとなったのです ものすごく困難な症例でしたがやりきりました

右冠動脈慢性完全閉塞薬剤溶出性ステント植え込み後
右冠動脈慢性完全閉塞薬剤溶出性ステント植え込み後

大変な手技でしたが、成功裏に終了し、皆喜びました そして記念写真です

看護師さん達と
看護師さん達と
助手をして下さった先生方と
助手をして下さった先生方と

いやあ今回の Workshopはすごかったですし、参加者皆喜んでいました 僕自身も全力に近い力を発揮でき、とても嬉しい思いでした

この日は 19:30よりホテルでパーティーがあり、その後は 22:00過ぎに疲れて眠りました

そして、翌朝日曜日は、 7:00AM Kaohsiung発成田空港行きの ANA便で帰国したのです とても有意義な旅でした

本日高雄でのTRIライブデモンストレーションの結果

今朝は 7:30AMにホテルを出て長庚記念病院に向かいました。まだ症例の詳細を知りませんでしたので、まずは呉先生から見せて頂きました。僕に用意されていたのは二例であり、一例目はまあ普通の症例、二例目はとても難しそうな左冠動脈前下行枝入口部からの慢性完全閉塞でした

二例目のシネを一緒に見たのです その男性患者さんは丁度一年前に不安定狭心症となり、右冠動脈入口部にステント植え込み、右冠動脈midのステント再狭窄に対して DEB (Drug-Eluting Balloon)を行い、回旋枝末梢に対してPOBAが行われました。その時から当然左冠動脈前下行枝は慢性完全閉塞でした。造影はこの時の一回のみであり、またPCIをしていますので右冠動脈から左冠動脈前下行枝への副血行路の評価は不十分でした

僕が一緒に見ると、あまり良くない所見を発見しました それは、確かに細いかすかな数本の中隔枝が #4PDと左冠動脈前下行枝の間にあるのですが、僕が見ると、何とその#4PDは起始部から慢性完全閉塞であり、右冠動脈本幹のどこから分離するかは全くわかりませんでした 従ってこの中隔枝は使えませんでした 病院側の事前評価では この中隔枝を使ってレトロをする、というシナリオだったのですが、それがもろくも崩れ去りました

これ以外に二本の大きな右室枝があり、その先端から左冠動脈前下行枝に明らかに副血行路がつながっていました しかし、この右室枝そのものも鋭角的に右冠動脈本幹が分岐するばかりか、激しい屈曲蛇行を示し、その先の副血行路部分も激しく蛇行していました これは使えないだろう、そのような判断をしました

順行性にはまったくとっかかりは無く、しかも左冠動脈前下行枝近位部は石灰化していました これはまず無理だろう、そのように判断しましたが、割り当てられた症例ですので、やらざるを得ませんでした

まず8:45AM頃から一例目が開始となりました この症例は6月にPCIを受けておられたパス運転手の男性でした 左冠動脈回旋枝入口部から近位部にきつい狭窄があり、それがターゲットだったのです 台湾側は 7Fr guiding catheterを sheathlessで用いることを提案されましたので、それを受けました そして台湾の先生がガイディング・カテーテルを左冠動脈に挿入するのに苦労していました シースレスなので穿刺部の抵抗が大きく、患者さんはとても強く痛がっていました 僕はその途中から清潔になって入り様子を見ていましたが、10分ぐらいかかってようやく左冠動脈に入りましたが、その頃から血圧が低下してきて、僕に代わって少し造影剤を入れて透視で見たところ左冠動脈前下行枝も左冠動脈回旋枝も完全閉塞していました そしてそのまま血圧は無くなり、心停止となりました 僕はすぐにその 7Frガイディング・カテーテルを左冠動脈より抜去し、すぐに 6Fr introducerを入れて、素早く 6Fr guiding catheterをエンゲージし、すばやく左冠動脈前下行枝にワイヤーを通し、血栓吸引をしました これらの操作は全て心臓マッサージの下で行いました あくまでも冷静にそしてものすごいスピードで処置しました この後、血圧は戻り心拍動も戻り 何事も無かったかのように本来のPCIを開始しました

IVUSの所見と併せ、左冠動脈回旋枝近位部のみに薬剤溶出性ステントを植え込んで終了しました 患者さんは完全に何も無かったかのように回復され、何も後遺症を残しませんでした 原因は無理してシースレスで行ったことによる強い痛みによる迷走神経反射、血栓形成、そして空気打ち込み、そんなところだと思います 僕はどうもシースレスは好きでありません

引き続いて二例目の慢性完全閉塞に入ったのですこれも提案に添って両側橈骨動脈よりシースレスで 7Fr guiding cathetersを用いて入りました 同時造影の所見が一年経って改善していることを期待したのですが、今回は中隔枝のつながりすら見えなくなっていました

逆行性に右室枝から Corsai -> Finecross + Fielder-FC, Sionを用いて入りました 強い蛇行のためガイディング・カテーテルが押し戻されるため、Conus branchに 2mm balloonでアンカーかけながらしましたが、やはり最後の蛇行をどうしてもワイヤーは超えることはできませんでした

次に左主幹部から左冠動脈回旋枝に対してIVUSを行い左冠動脈前下行枝開口部が何処かを探りました そして、Gaia-first -> Conquest-Proで入ったのですが、左主幹部から左冠動脈前下行枝は90度で分岐するため、どうしても入っていきません そこで Gaia-secondにしたところ、ゆっくりと入っていきました左冠動脈前下行枝と思われる部分に Gaia-secondが30mmぐらい入ったところで、左冠動脈回旋枝向きのIVUSによりこのワイヤーが左冠動脈前下行枝真腔を確実に捉えていることを確認し、Corsairを少し左冠動脈前下行枝内に入れてから XTRによりその先の真腔を捉えようとしたのですが、これが偽腔に入っていきました 当然その後 double wireをしたり、色々したのですがどうしても真腔を捉えられませんでした 左冠動脈前下行枝が近位部で非常に屈曲し、その部位で石灰化していてライヤーが弾かれるようでした そして閉塞長も60mmぐらいはあり、また受けは非常に細く造影上では 1mmも無い受けでした まあこれらは言い訳かも知れませんね 随分と粘りましたがこれ以上やっても成功は見込めない、と判断し、三時間ぐらいで終了としました

しかし、色々な試みをその中でしたし、正直楽しみながら行いました もちろん患者さんには何の不利益も与えていません 使用した造影剤総量も多くなく、また被曝線量も大したことはありません

終了後、カンファレンス室で台湾弁当を食べ、高雄駅より新幹線に乗り台北に移動し、今は台北松山空港ラウンジで18:10 (日本時刻 19:10)1発の飛行機を待っているところです

今回の台湾も滞在時間24時間というものでしたが、それなりに勉強し、楽しみました

これから台湾高雄

またまた羽田空港ラウンジです。これから台北経由で台湾の高雄まで行きます。毎年この時期恒例の Taiwan TRI Seminar in Kaoshung のために行きます。

夜現地に到着し、明朝から二例のライブデモンストレーションをします。一例は左冠動脈前下行枝入口部からの慢性完全閉塞のようです。そして、その後台北に戻り、そのまま羽田に舞い戻ってきます。明日の 22:00には再び羽田にいる予定です。我ながらなんと余裕の無いスケジュール、と思いますよ。