そろそろ平常に戻らねば

さて、1月19日に日本を出発し、本日31日の便でコペンハーゲンを発ち、成田に向かいます

この間どうも体調優れず安眠を取ることができませんでした 基本的には時差ボケが続いている、そんな感じです そんな中でこの旅をLeif Thuessen先生が僕の希望に応じて企画して下さいましたことに感謝です 年齢を経るにつれて自由な時間が無くなり、こんなに長期間鎌倉を離れることはなかなか困難です それでも皆の協力の下で思い切ってできたことは僕の人生の中でも非常に重いものがあります そんな中で何を学んできたでしょうか?

まずは北欧の人々の暖かさでした このことには本当に感謝しています、次は北欧の国々の豊かさです 何につけても日本のようにセカセカしておらず余裕があります 仕事に割く時間は圧倒的に少ないと思いますし、仕事と仕事の間の休みもゆったりです、そして病院の設備や備品など高額で最新の設備が備え付けられていることも驚きでした

今回の旅のルート
今回の旅のルート

また特に Tromsoでのことですが、北極圏というものがどういうものか知りました 昼なお真っ暗な太陽の無い世界を垣間見ることができました Ouluは寒かったですが、それでも北海道を知っていればどうってこと無いでしょう

インターベンションについては、僕が予想していたよりも進んでいる面と、そうでない面がありました 慢性完全閉塞については日本の一般的レベルと比しても高い、と思いました こちらも相当に頑張らねば満足してもらえない、そのように思いました 昨年Belgiumの Charlroiで三例の慢性完全閉塞を成功裏にさせて頂きましたが、その時もレベルが高い、と思ったのですが、それと同様であり、またより挑戦的でありました 日本であれば手を出さないだろう、と思われる症例も当日のリストに載りました もっとも僕がいたからかも知れません

TAVIについては我々が鎌倉で培った知識と技術が十分に通用する、それどころか日本では新しいディバイスが使えないので、日本でのみ必要な Tipsを我々は編み出してきた、そのように思いました

何はともあれあと数時間で出発ですね そうそう昨夜は「べんとう」という和食屋さんで夕食を摂りました

「べんとう」
「べんとう」

刺し身のレベルは Selfishの方が良かったですね ところで、「枝豆」が出たのですが、隣のテーブルのDenmarkの女性が食べているやり方を見て驚きました 日本では枝豆を食べる時には唇に平行に持ち、指で押さえて口の中にはじき出すのが普通ですよね

日本の一般的な枝豆の食べ方
日本の一般的な枝豆の食べ方

ところが、Denmarkの女性たち(少なくとも観察した複数の女性)は皆、枝豆を縦に持ち、口の中にいれて口の中で絞り出すように食べるのです 自分でもしてみましたが、あまりお勧めではありませんよ

Denmarkの女性の食べ方
Denmarkの女性の食べ方

デンマークに移動

フィンランドの Ouluでとても有意義に過ごした後、1月27日水曜日にHelsinki経由でデンマークの首都 Copenhagenに入りました Denmarkは人口 500万人の国家であり(この人口規模は Norwayや Finlandと同程度であり、Swedenは人口900万人の国家だそうです)、バルカン半島とはSwedenとの間にある距離10数キロの海峡で離れています

Denmarkには王室があり、女王様がいらっしゃるのです 木曜日にはこの国の最大規模の大学病院である RigsHospitaletという壮大な大きさの建物の病院に行きました

Rigshospitalet
Rigshospitalet
Main Building
Main Building

とにかく 17階建のしかも巨大な建物が3つと、現在建設中の建物もある見たこともないような巨大な病院です もちろんこの病院はデンマークに4つしか無い国立大学病院であり、かつ、TAVIを行っている4つの病院の中の一つです TAVI年間症例数は 200ということです PCIは、年間 2,000例ですが、その内の 1,000例は何と急性心筋梗塞です

木曜日にはTAVIを見せて下さると、わざわざTAVI日ではありませんでしたが、TAVIを二例設定して下さりました

最初の症例は Evolut-Rを用いて植え込みがされ、次の症例は St Jude Porticoを用いて植え込みがされました 何れも局所麻酔で経皮的に行われ治療時間はそれぞれ 1.5時間ぐらいでした 当初の予定では僕が術者として手技が行われることになっていた(そのように話を決めていた)のですが、三人いるTAVI術者の中で一番やっている先生、その先生と話を決めていたのですが、急遽 Nordicの学会があり予定変更となり、その先生の管轄下で無かったので僕は横で見ているだけでした

正直 Ouluでの実際の手技もありましたので今一つでした このため、14:00には病院をおいとまし、市内にたくさんある Cafeに入りました Cafeから通りを眺めていて重大な事実に気づきました もともと Nordic Countriesでは一般の人の交通手段として自転車が普及していますし、必ずと言っていいほど自転車専用道が歩道と自動車道の間に設置されています さて Copenhagenのような大都市ではほとんどの道が一方通行となっています 歩行者は、もちろん一方通行の制約を受けないのですが、さて自転車はどうでしょうか?

逆走禁止
逆走禁止

Cafeの窓から通りを眺めていてわかりました 自転車も一方通行なのです 誰一人として反対向きに逆走して自転車を乗っている人はいません どうしても逆に行きたい時は、自転車から降りて押して歩いていました 徹底していますね

さて、その日は同病院循環器内科のトップの先生と皆とのほとりにあるしゃれたデンマーク料理のレストランで食事しました

そして、翌日金曜日は満を持して、慢性完全閉塞二症例に臨みました しかし神様、現実は厳しいものです 第一例目は左冠動脈前下行枝#7の慢性完全閉塞という触れ込みで他の病院よりPCI目的で紹介となった77歳の男性でした 診断カテとして送られてきていたシネは、画像も小さくなんだか良くわからない程度の低い診断カテでした そこで、まず診断カテを行ったところ、何と実は左冠動脈前下行枝付け根からの慢性完全閉塞でした そして、右冠動脈も高度狭窄があり、この患者さんは慢性腎臓病のため造影剤がせいぜい 200mlしか使えないという制約、そして長年の糖尿病があり、心機能も低下している、これらの点から皆で協議の上、冠動脈バイパス手術を行うことになり、PCIは中止しました

そして、第二例目ですが、60歳の男性 心機能低下あり、過去に心筋梗塞を起こしています 右冠動脈にステント内高度狭窄あり、左回旋枝近位部の慢性完全閉塞でした また左冠動脈前下行枝にもDESが植えこまれており、そのDESの中にもどうやら再狭窄がありそうです そして左主幹部遠位部に 75%程度の狭窄がある、そのような患者さんでした まず、LAD – LMTに対して FFR測定したところ、何と 0.71と陽性に出てしまい、当然のことながらこの患者さんも冠動脈バイパス手術に回ったのです

ということで結局 Copenhagenでは TAVIもCTOも全くせずに終了してしまいまい、12:00前には病院を出たのです 何とも消化不良ですが、現実なので受け入れるしかありませんね  さて昼食を摂ることにしましたが、ガイドブックでどうやら寿司屋さんが存在することを発見したのです

鮨 Selfish
鮨 Selfish
Selfishの鮨
Selfishの鮨

Selfishの鮨は非常にレベルが高いものでした もちろんネタに関しては日本のような訳には行かない筈ですが、本当においしいものでした 日本人のご夫妻二人でやっておられ、2002年にここに店を出したそうです もともと吉祥寺出身の方でヨーロッパに渡って来られたのは 1986年ということでした 現在40歳後半でしょうか ヨーロッパで食べる鮨の中ではピカイチです

そしてこの日の夜は「東京」という 1964年に開店した老舗の日本料理屋に行き、Thuessen先生ご夫妻とご一緒して和食の夕食を摂りました

翌日は既にこの長い Nordic Countires訪問最終日の1月30日土曜日となってしまいました 出かける前はどうなることやら、と一抹の不安も感じていましたが、既に10日間以上発ち、「もう戻らねばならないのか」という気持ちです そんな気持ちを反映してでししょうか 朝から強い雨風でホテルの窓が騒がしいのでした 幸い 10:00AMになると雨風が弱まり、傘無しで氷雨の中を歩ける程になりましたので、少しは観光せずにわいかない、と考え ホテルの目の前の函館五稜郭のモデルである、カステレット要塞に出かけました まあ五稜郭の半分程度の規模のものと考えれば良いでしょう そして、その先には日本人ならば誰でも知っている「人魚姫」の銅像があるのでした

人魚姫
人魚姫

この人魚姫の銅像を始めて知ったのは、小学校二年生の時でした 当時父親はある会社の重役をしていてその仕事で世界一周視察旅行に2ヶ月間かけて出かけたのです 当時のことですから、飛行機はプロペラ機で、羽田空港から見送りにでかけた記憶があります そして、世界の様子を35mmカメラにおさめてきたのです 写真はカラーを焼き付けることが普及していなかった時代ですから35mmスライド形式でした そして、その様子を杉並第九小学校の体育館で小学校低学年を相手に学校からの要請で皆に見せてくれたのですが、その中で一番印象深かったのがこの「人魚姫」でした

Thuessen先生からは「見たらばあまりにも小さいのでびっくりするよ」と散々言われていましたが、実際に見ると人間の等身大より少し小さい程度であり、実際に人魚が存在すればこのくらいの身長だろうな、と納得の大きさでした

それから、12:00に毎日行われる宮殿衛兵交代式を見ました

衛兵交代式
衛兵交代式

その後は、最近 Copenhagenに開店した初めてのラーメン専門店「ラーメンとビール」という名前のラーメン屋さんに出かけましたが、オランダの人々で満員でした ご主人は日本人のようでした

ラーメン専門店「ラーメンとビール」
ラーメン専門店「ラーメンとビール」
激辛味噌ラーメン
激辛味噌ラーメン

唐辛子マーク4っつ(激辛)の味噌ラーメンを頼みました 少し塩気が強すぎるように思いましたが、辛さは日本では弱辛程度でしょうか 麺は良かったですね 塩気を弱くすればもっと美味しいと思いましたが、デンマークの食事は総じて塩気が多いように思いますので現地の人にはこの方が良いのでしょうね

フィンランドでの土日

流石に鎌倉と異なり、フィンランドでは土日は完全に offです Ouluのような北フィンランドでは冬は皆 スキーをして楽しみます スキーと言っても高低差のあまり無いフィンランドですから、クロスカントリースキーであり、そのための道は自転車道と共にきちんと整備されています もちろん自動車も普及していますが、学生や医者は病院に通うのにはだいたい自転車です 雪ですが、スパイクタイヤの自転車を乗り回しています でも病院に置いておくとよく盗まれるため、あまり良い自転車には乗らないのだそうですよっ

さて、先週金曜日夜に Tromsoから Ouluに到着し、土曜日は 11:00AMホテル集合でフィンランドの先生方が Excursionを準備して下さいました この日は、ホテルから30Kmぐらい離れた場所にある民間の Racing Courseに行きました 経営者はもちろん Racerということでした 最初 「うん? レース? 何それ? Snowmobile?」と訝りましたが、現地に着くと何と BMWをレーシング用に改造した車両がズラリと並んでいるのです そして、コースは一周 750mの少し高低差のあるコースなのでした

Before starting
Before starting
BMW
BMW

そんなこと言われても僕は自分で自動車を運転するの辞めてから既に16年間経過しています、しかも Racing Carですので当然のことながら五段片側のマニュアル車です、しかもしかもハンドルは左であり、右手でギア操作し、しかも何と忘れていたクラッチを足で踏まねばならないのです

このことに気づき、自分は徐々に寡黙となり、不安になっていきました 当然です まずは、レーシング用の服 (例の Racer達が着るやつです)に着替え、完全装備のヘルメット着用し、首には首保護用の厚いスポンジを巻くのです もうこれだけで 「やめてやめて逃げ出したい」です

Racing in the snow
Racing in the snow

まずは三周練習用にそれぞれで周回するのですが、僕は怖くて怖くて一周回って逃げ出しました しかも、最初にギアを lowにいれた途端にエンスト、二回目もエンスト、ようやく走りだして 2nd -> 3rdにギアをシフトし、カーブでハンドル切ると見事にスリップ そりゃあ当たり前です コースには雪が凍結して積もっているのです 雪道なんて走ったことありません しかもレーシング仕様ですので、何と後輪駆動の BMWです 滑るすべる 少しブレーキを踏むと 大きく車は回り込み道端のガードに激突寸前で停止しました 何とかギアをバックに入れようとしたのですが何度もエンスト かろうじてバックして最後まで周回したのですが、懲り懲りとなり一周で出発点に戻りました

その次は三周まわるタイムトライアルです これは二台で同時スタートするのです コースは一緒です 僕も段々慣れてきました でも皆 (お医者さんたち7名ぐらい)の中でダントツのビリです それでも何とか楽しみながら、また時にはスリップさせながら回ることが出来るほどに慣れてきました そして最後は 4台と 3台ずつでの用意ドンのレースです これを二回繰り返しましたが僕はビリから二番目でした まずまず

Champion
Champion

そして最後はプロドライバーが助手席に乗せて下さり、最速でその雪道コースを三回回ってくれました 信じられない運転です わざとスリップさせながらコースぎりぎりを通り抜けていくのです 僕が2分近くかかったコースを30秒ぐらいで通過です すごいですねえ

この後は、疲れた体を休めるためにフィンランド伝統の Smoke Saunaで汗を出しました サウナの真ん中には大きな石というか岩があり、薪を燃やして加熱してあるのです その加熱された岩に水をかけ、蒸気にしてそれにあたるのですが 気温は 80度であり、暑い 汗ダラダラです

Smoke Sauna House
Smoke Sauna House
With Dr. Leif Thussen
With Dr. Leif Thussen

そして翌日日曜日には 10:00AMホテル出発し、まずは Ouluが接するボスニア海に出ました ボスニア海は、Ouluあたりでは水深が 1m程度しか無いのだそうです 冬はマイナス30度ですので、その海ですら凍ります そして、Oulu近郊では5Km沖にある島まで 50CMの厚さに凍結するため、自動車が渡れる橋が自然にできます それを渡ってきました 完全に氷の橋なのです

Ice Road of the Sea
Ice Road of the Sea

それから、今度は Oulu近郊の農園に向かいました Oulu近郊にはこのような農園が5つだけあるそうです それよりも北の Laplandにはもっとあるのでしょうが 農園といっても畑を耕す訳ではなく、トナカイを放牧しているのです そのトナカイに会いに行きました 既に Laplandには本当の意味の野生のトナカイというものは存在せず、どのトナカイも誰か農園の所属なのです その見分けのために、生まれてすぐに耳に固有の印の傷をつけ、また毎年胴体に一本ずつ筋傷を入れて、そのトナカイが誰のもので何歳で、何時出荷すれば良いか (トナカイの肉は高級な食材で、高価なのです)が分かるようにしています

Reardear (トナカイ)
Reardear (トナカイ)
トナカイそり
トナカイそり

我々もトナカイと戯れ、その後 トナカイにソリをひいてもらい、そしてトナカイの肉を食べました

美しいフィンランドの雪景色 (それと一人ダサい男立つ)
美しいフィンランドの雪景色 (それと一人ダサい男立つ)
寒いっ
寒いっ

まあそんなことであっという間に土日が過ぎました 残念ながら今回はオーロラを見ることができませんでしたが、本当に Ouluの先生方には、たいへんお世話になりました 楽しかったです

フィンランドの病院

フィンランドの病院、と言ってもOulu University Hospitalしか知らないのですが、建物はそれこそ 50年ものでありますが、とにかく豊な印象がありました 心臓カテ室は全部で 5室ですが、Philips 4と Siemens 1でした それらは全て最新型であり、患者さんの情報は全て電子化されています カテ室で看護師さんが記録するのも keyboardを叩いていました 看護師さんの組合が強く、大学病院のように国立のものでは、カテ室に 3名が配置されていました でもニコニコと良く働かれます 愛想もとても良く、また英語は普通に話されます

医療費に関しては基本的に公的保険で賄われており、現時点ではノルウェーやデンマークのような国家による症例数制限は行われていないそうです ちなみに、Oulu University Hospitalの昨年の症例数は、CAG 2,500、PCI 1,100、Catheter Ablation 400、そしてTAVI 80例ということであり、まあ湘南鎌倉総合病院循環器内科と遜色ない数字だと思います

最大の違いは、何事につけても余裕が漂っている、という点でしょうか やはり鎌倉は朝から晩までせかせかしています そうしないと業務が回らないのです 特に外来診療に時間がとられます そうしないとカテの患者さんも減少する そんな悩みがありますね

また、デンマーク、ノルウェー、フィンランド何れの国にも基本的に医師に関しては、「この年齢で終了」というようなドイツあるいはオランダのような制度は無く、基本的にやれる歳まではそのまま、ということだそうです

さて、僕の場合には何歳までかな?

何と、TAVIの概念変わりますね

昨日は Oulu University Hospitalでの2日目でしたが、かねてより約束して頂いたTAVIをさせていただく機会がありました 実際には、9:30 – 10:30に一例、11:00 – 12:00次の一例、そして 13:00 – 14:00に最後の一例という順番に進みました

病院に 8:00AMカテ室到着、それから皆で朝のコーヒーとおやつを食べ、8:40AM頃より本日のTAVI症例一例目のみCT、アンギオ、エコーそして病歴など見せて頂き、検討しました とは言うもののいわゆる症例検討会ではなく、画面の前で僕を含めた数名でCTなどを見る、というその程度のものでした そして、彼らの通常のTAVIのやり方を教えて頂きました

  1. SAPIEN3がスタンダードである
  2. 基本的に (99%)は局所麻酔で行うが、麻酔医は傍に存在する – この局所麻酔ではごく軽い鎮静をかけるのみ
  3. 99%は大腿動脈よりの経皮的アプローチで行い、Proglide x 2で止血する
  4. 植え込みそのものは pacing下で行うが、ものすごくゆっくりとバルーンを拡張する
  5. 手技を行う場所はその前日CTOを行った通常のカテ室である
  6. 外科医は遠く離れた場所で「TAVIがある」という情報のみ共有している
  7. いわゆる Hybridテーブルは用いていないで、通常のしかし良い性能のカテマシンで行っている (具体的には Siemens ARTIS-Q)

というものでした まあ僕にとっても違和感ありませんよね そんな訳で一例目は 80数際の女の方でした この患者さんが一番 straightfowardな症例でしたが、14Fr e-sheathを用いて 26mm SAPIEN3を植え込みました この患者さんの時には僕は第三術者として入り、彼らの通常のやり方を教えて頂きました

TAVIカテ室
TAVIカテ室

患者さんとは適宜会話しながら、そして日本から来た医師と一緒にやるよ、と告知して行われましたが、何しろあっという間に終了し、患者さんはもともと意識がほとんどクリアですので、何事も無かったかの如くカテ室から出て行かれました

この後また喫茶店にコーヒーとおやつをして、その間に看護師さん達が、患者さんを入れ替え、準備され、麻酔医師がルート確保と、経静脈からのペーシング挿入をします そしてコーヒーの後、いよいよ二例目の患者さんの検討を三名ぐらいでしました この患者さんは 80何歳かの男性で、流速が゛5 m/secぐらいの高度大動脈弁狭窄症で、石灰化も強い患者さんでした 弁輪は大きく、通常であれば 29mm THVを選択するであろう大きさでした しかも、左冠動脈前下行枝領域の陳旧性心筋梗塞であり、心尖部は akineticで左室駆出率は 20%という症例でした まあとても重症ですよね しかも、もっと大きな問題点としては両側の総大腿動脈から浅大腿動脈にかけて内幕摘除術が行われていて、まだましな右外腸骨動脈のもっとも細い部分は 5mm程度しか無い、そのような患者さんでした そもそも何処からアプローチするのか、そして全身麻酔で良いのか? そのようなことが問題点と考えましたが、合議の上の決断は

  • 何時も通り局所麻酔で行う
  • 18Frでは通過できないであろうから、14Fr e-sheathで適応可能な 26mm SAPIEN3を用いる
  • それ以外は通常通り行う

というものでした そしていよいよ僕の手技の番でした 僕はそれでも外腸骨動脈通過は困難であり、また破裂の危険がある、と考えそれなりに対処しました やはりe-sheath内を SAPIEN3を通過させるには最大限の押す力が必要でした しかし、その後は大変スムーズに植え込み終わり、全く para-valvular leakも認められませんでした そしてシース抜去の時には、このような危険が予想される時に何時もやっているシースから造影しながら抜去する、とう方法を披露したのですが、これには皆感心しておられました 患者さんはすっかりお元気となられ、そこで我々は食堂に出かけゆっくりと昼食を食べました

ちなみに 40Kmの総延長がある病院の廊下は歩くと遠いのでこのような自転車を使っています

In-house Bicycle
In-house Bicycle

そして、最後の症例は女性の方でしたが、特にリスクの無い方です PCIぐらい過去に行われていたかも知れません いやいや思い出しました リスクがあるのです この方の問題点は ST junctionが細く石灰化している、という点でした その最小経は 23mmを切るのです そこでこの方に対しては 26mm valveを1 .5 cc downで植え込みしました 何事も無かったかの如く終了したのです 終わって皆で写真を撮ると共に、患者さんとも握手です

With Everybody
With Everybody
After finishing TAVI
After finishing TAVI

ホテルには一人早めに戻りました 先生方は一緒に自宅で夕食でも、とお誘いくださったのですが、時差ボケのため眠いのと、一人で街をぶらつきたいため丁重にお断りして、一人となりました

Oulu City
Oulu City

これでフィンランドを本日発ち、コペンハーゲンに向かいことになりました 本当にフィンランドの方々の温かみに触れることが出来ました でも予想よりもはるかに暖かく、たくさんの防寒服を持ち込んだのが全く無駄となったのです

フィンランドでのPCI

昨日はフィンランド第三の都市 Oulu (オウル)の大学病院でPCIを行いました この大学病院は北フィンランドの中心であり、広大な土地に三層の建物で広がった病院です もちろん寒いので建物は全て気密性のある廊下でつながっています その廊下の総延長は何と 40Kmということであり、実際職員は移動や搬送に電気式自転車や、通常の自転車、あるいは子供が使うようなスライダーを使っています

第一例目は冠動脈バイパス手術後の女性であり、1999年に冠動脈バイパス手術を行い現在はLITA-LADのみ開存していました LITA先の左冠動脈前下行枝に新たに狭窄、左回旋枝にはOsからと #12に高度狭窄があり、右冠動脈は起始部かから末梢分岐まで閉塞し、しかも右冠動脈は異所性でした 右冠動脈へのバイパスは 2007年時点で閉塞、左回旋枝へのバイパスは 2013年時点で閉塞し、現在の狭心症は左冠動脈前下行枝の病変と思われている患者さんです

まずLIMA経由で左冠動脈前下行枝を治療し、蛇行の強い左冠動脈にもステントを植え込み、右冠動脈に対しては逆行性ルートが全く無いため、順行性にアンカーをかけて固定して行いましたが全く不通過で終了

ついで早めの昼食をとってから、Lapland出身の漁師さんでしょうか その方の左冠動脈前下行枝起始部からのCTOに移りました この方は冠動脈バイパス手術を受けていないのですが、10年前から徐々に心機能が悪化し、現在は僧帽弁閉鎖不全も伴い心不全となっている患者さんでした 右冠動脈より中隔枝経由で両側性アプローチで入り、綺麗に仕上げました

Ouluの先生方と
Ouluの先生方と

そして、最後の症例はやはり冠動脈バイパス手術後で、静脈グラフトは全て閉塞、左主幹部部分で以前のPCIにより解離形成し、左冠動脈前下行枝は近位部で閉塞、LITA-LADのみで保っているような患者さんでした 右冠動脈は入口部から末梢までCTOでした

まず、解離した左主幹部から左冠動脈前下行枝近位部に何とかワイヤーを通し、石灰化のためバルーンを二つ破裂させながら左主幹部を拡張し、ステントを植え込みました 当初よりLIMA-LADに対してはガイディング・カテーテルの長さが足りないと考え、6Fr IMを切断し、5Fr sheathにより連結して入りました そしてCorsairをLIMA-D1-Apical経由で#4PDまで通過させましたが、到底Microcatheterの長さが足りず、また右冠動脈の解剖見ればまったく不可能そうであったため、この時点で中止しました

SUSHI bar
SUSHI bar

ホテルには 4:30PMに戻り、ホテル近くに SUSHI barを見つけましたのでそこで早めの夕食を食べました 鮨はまずまず ラーメンは全くの別物でした

SUSHI
SUSHI
味噌?ラーメン
味噌?ラーメン

TromsoでのPCI

Tromsoに到着し、20:00頃より、Tromsoで一番有名な現地料理のレストラン Mamaに現地の先生方そしてカテ室看護師さん達と繰り出しました

Restaurant Mama
Restaurant Mama

北極圏の名物料理といえばトナカイの肉です でも自分は魚派なのでタラを頼みましたが、トナカイも分けて頂きました その味は牛肉赤身と代わりませんでした

Reindeer (トナカイ)
Reindeer (トナカイ)
Cod (タラ)
Cod (タラ)

昨日は Tromsoによる University Hospital of North Norway (UNN)という大学病院でPCIを行いました この病院は半径 500Km以上の圏内で唯一のカテラボであり、心臓発作が世界の中でも際立って多い北ノルウェーでの生命線でもある病院です 病院は大きく綺麗であり、ヘリポートには毎日何回もヘルコプターが患者さんの搬送に稼働しています

Helicopter at UNN
Helicopter at UNN

この病院の年間PCI症例数は 1,100例、その内CTO症例が 75例、TAVIが年間 40例ぐらいとのことでした Tromso(トロムソ)は比較的温かい海流が接する場所なので完全に北極圏で年間2ヶ月間は太陽が一瞬足りとも登らない最北の都市ですが、フィヨルド海岸の海は絶対に凍結しないのです

フィヨルド観光船
フィヨルド観光船

あいにくと朝から氷雨が降り、気温はプラスでした ホテル Scandicからタクシーに乗り 15分ぐらいで UNNに到着しました タクシーはみなスパイク・タイヤを履いています

この日は二例のCTOが準備されていました 一例目は過去二回逆行性にトライされ不成功に終わった右冠動脈近位部から末梢分岐部までの長い 20年以上もののCTOでした 過去に冠動脈バイパス手術を受けていましたが、残っているのは左冠動脈前下行枝へのLITAグラフトと左回旋枝末梢へのRITAグラフトのみであり、右冠動脈へのSVGは閉塞しており、ICD挿入し、EF 20%という症例でした 患者さん(漁師さん)の症状は息切れという心不全のものであり、狭心症はありませんでした これまでに行われた手技で右冠動脈は入口部から末梢まで長い解離となっておりましたが、それは逆行性および順行性に形成された解離のためでした また、左冠動脈前下行枝からの中隔枝ではFielder-XTが中隔枝の中でトラップされ断裂して残っていました 右冠動脈#3はひどい石灰化があり、何しろ末梢もあまり造影されず、「これは無理でしょ」という症例でした

9:00AM頃よりスタートし、12:30まで両側性にねばり、逆行性にも#3末梢には何とか Conquest-Proを到達させ、順行性にも解離腔の中を進め Ultimate/Conquest-Proで両側性に攻めましたがガチガチであり、これ以上のトライは無理と判断し、撤退しました

二例目は 13:00より開始となりました 問題は 15:00にはこの病院を出て Tromso空港に向かい、フィンランドの Oulu (オウル)に飛びねばならない、ということでした そう二時間しか無いのです

二例はやはり逆行性アプローチ不成功例であり、左冠動脈前下行枝近位部からのCTOでした 左冠動脈前下行枝には高度石灰化がありましたが、一例目よりも成功する可能性は高いと考えられました 副血行路としては中隔枝一本と、左回旋枝から対角枝へのもののあわせて二本ありましたが、両者とも cork screw状であり、前回トライされた時には、この二本とも造影剤がにじみだしたり、解離のため閉塞してしまっていました そのトライは去年の10月でした これらが使い物にならないとまず成功のチャンスは無い、そう考えながら手技に入りました

慎重に造影し、中隔枝一本を狙いました ひどくcork screwとなっている中隔枝を巧みにSUOH03でうまいこと通過させました そして Corsairを左冠動脈前下行枝まで持ち込んだのですが ここまでは10分もかかりませんでした 「さあ、これで空港に向かえる」と、思ったのですが ここからが大変でした

左冠動脈前下行枝近位部では中隔枝と、対角枝を出した部分でつるつるにCTOであり、石灰化もひどく順行性にはどう考えても無理でした もちろん試しましたがつるつるでした 逆行性にも二番目の対角枝を分岐した部分で石灰化閉塞しておりワイヤーは簡単にその二番目対角枝に向かい、どうしても閉塞近位には向けられないのです

そこを何とか Ultimate/Conquest-Proで左冠動脈前下行枝近位の方向に無理やり向けて、第一対角枝にIVUSをつっこみながらワイヤーを近位に導きましたが当然のことながら解離腔を進みます あまり解離腔を進めば閉塞近位端が左主幹部に近いため、この段階で左回旋枝にワイヤーを挿入し、いざという事態に備えました

ワイヤーをConquest-Proにして何回もトライしてようやく左冠動脈前下行枝真腔に抜けました しかし、CorsairはCTO部分には全く入りません バルーン・アンカーをかけようにも左主幹部でバルーンを膨らまさざるを得ませんのでそれは無理な相談です 順行性ガイディングの中に逆行性Conqeust-Proはどうしても入りません

さらに問題はこのような操作の段階で Corsairと中を通しているワイヤーとの滑りが急速に悪化してきたのです 結局4mm snairがあったのでそれで捕獲し、何とか順行性ガイディング内に Conquest-Proを持込、スネアで引っ張りながら無理やり 逆行性Corsairを順行性ガイディング内に導入しました

ここからはワイヤーを抜いて RG-3に交換すれば簡単なはずでしたが、何と今度はガイディング・カテーテルの中で Snairにより捕獲された Conquest-Proが開放されないのです 全く抜けなくなったのです 順行性ガイディング・カテーテルは左冠動脈前下行枝内に深く入ろうとします そこで、Corsair内の Conqeust-Proを延長してCorsairのみを引き抜こうとしたところ、何と Extension-wiereの接合部が、Corsair遠位端から20CMぐらいの部分で全く通過できないのです 要するに Corsairの内腔が破壊されているのです これは大変な事態です 順行性 Snairと逆行性 Corsairを互いに押したり引いたりして何とか Snairが逆行性 Conquest-Proを解き放つことに成功したのですが、それと共に折角CTO部分を通過していた CorsairはCTO遠位まですっぽり抜けてしまったのです それでもワイヤーを入れなおせば良いのですが、さっきも言いましたように今度はその 20CM部分でいかなるワイヤーも通過しなくなったのです 完全 Corsair内腔が破壊されているのです

この事態にはカテ室の皆が「あー」とがっかりしたのです 順行性に造影してもCTO部分で全く造影されないのです せっかく Corsairが通過したにもかかわらず その腔は閉塞しているのです どうしようもありません でも僕はそんことでは負けません、順行性ガイディングから Ultimateを持込み、信念で順行性に通過させました そして順行性 Corsairを用いて Sionに変更しこれは左冠動脈前下行枝末梢まで綺麗に通過し、 2.0 x 20mm balloonを順行性に持込み、CTO部分を拡張しました そして順行性ガイディングより造影すると綺麗に左冠動脈前下行枝が写ったのです

Tromsoの先生方と
Tromsoの先生方と

この段階で既に空港に向かう時間となりましたので、あとのステント植え込みは病院の先生方に任せ 僕は Tromso空港に向かいました

何とか困難を打開してやりきった充実感がありました Tromsoから Ouluまでは一日一便平日のみ飛行機が飛んでいます これを逃すと 12時間かけて Tromso -> Oslo -> Helsinki -> Ouluと飛行機を乗り継がねばならないのです Ouluは以前携帯電話で世界を席巻していた Nokiaがあり、世界の無線通信技術の中心です とは言うものの Tromso -> Ouluを飛ぶ人はほとんどおらず、小さな飛行機はガラガラでした

充実感
充実感

実はこの飛行機は、Swedenの Luleo (ルーレオ)という海岸沿いの街に一旦おり、そこで乗客を乗り降りしてから、再び Ouluに向けて飛び立ったのです 結局この飛行機は何と Norway -> Sweden -> Finlandと三カ国を股にかけて飛んだのですね 何れにしてもついにこうしてフィンランドに足を踏み入れました

Map of Tromso, Lulea and Oulu
Map of Tromso, Lulea and Oulu

最北の地 Tromsoに到着

Osloより飛行機で2時間飛び、あたりが真っ暗になる中 最北の地 Tromso (トゥロムソ)に到着しました この地は、フィヨルド海岸の中の渓谷で挟まれた島ですが、人口 66,000人で、オーロラ観光で有名な地です もっとも僕はそんなことも知らずにここに来たのです それは世界最北の大学 Tromso大学病院でCTOの治療をするためです ちなみにここは Norwayです

流石に冬季は、白夜の反対で 16:00には真っ暗です 何時から真っ暗になるのか知りません 飛行機が到着したのが 16:00ですので

実はその後の情報確認の結果、この1月21日というのが、太陽が少し上る最初の日だったということです 11月終わり頃から 40日間昼間にも数秒たりと太陽が昇らないのだそうです もちろんそのかわり6月から7月にかけては完全な白夜となるそうです

本日の移動

今日は Aalborg –> Copenhagen –> Oslo –> Tromsoと長距離の移動です 要するにスカンジナビア半島の南の端から北の端まで直線距離にして 1,500Kmを国をまたいで移動するのです Osloは Norwayの首都、そして TromsoはNorwayの北極圏の都市です ちなみに bording passは

Ticket to Tromso
Ticket to Tromso

ということになります

第二例目

第二例目を開始するのは既に 14:30にはなっていましたので、その症例を開始するためには、カテ室ナースの了承が必要でした 我々が症例を行ったカテ室にはナースが三名配置され、とても良く動く方達でした ちなみに、レントゲン技師さんや、臨床工学士の方などはおられません 通常の勤務は 8:00AMより業務を開始し、医師は 8:30AMまでカンファランス、それから患者さんの診察が 9:00 – 9:30AMまであり、それから実際のカテや手術に向かうそうです

ですから緊急を除き、いわゆる業務はどうしても 9:30AMないし 10:00AMからとなるようです そして、ナースは通常 15:30に勤務を終了し、次の勤務者に代わり、保育園に子供を迎えに行ったり、それぞれの生活に入るのだそうです

従って第二例目を 14:30過ぎより開始するためには、ナースと交渉が必要であり、Leif先生はその交渉に行かれました そして僕は、別の先生方が平行してやっておられたTAVIの見学に行きました この日のTAVIは二例であり、僕が終わりを少しのみ見学することができたTAVI症例は SAPIEN-3を TAo (上行大動脈アプローチ)で行う症例でした 残念ながらカテ室に向かった時には既に終了間際でした この Aalborg病院でのTAVI症例数は年間 40症例に限定され(多分国家予算などで制限されるようです)てきたらしいのですが、この2016年には年間60症例の許可が降りたそうです 全例全身麻酔で行い、TF (大腿動脈アプローチ)と TA(心尖部アプローチ)が同じくらいの症例数のようでした 意外なことに Leif先生はこの病院ではどうもTAVIより離れ、PCI班におられるようでした ご自分では「現在はリハビリ中だ」と仰られていました これは日本でのTAVIプロクタをされていた時に、PCIから完全に離れ、CTOも全くやったことがなくなってしまい、それを取り戻すために頑張っておられる、という意味です

Leif Thuessen先生 (右)と、Bent先生 (左)
Leif Thusen先生 (右)と、Bent先生 (左)

Leif先生は僕よりも年齢が上で、もうすぐ 70歳にならんとされる先生ですが、今でもこのようにアクティブに活動されている姿に「僕も頑張らねば」と思います

そして結局第二例目は 15:00前に開始されました この症例は両側大腿動脈で行いましたが、二年前に二回逆行性アプローチが行われいずれも左冠動脈前下行枝から中隔枝にワイヤーを通し、右冠動脈のCTOがもうすぐ成功する、というところでシネで見ても不明でしたが、何故か途中で手技が終了となり、不成功となった症例です この手技を実際に行われた先生は既に Aalborgにおられなく、また文書による記録も不明で、何故途中で終了になったのかわかりませんでした

 

今回はどう見ても中隔枝ルートはあまり良くありませんでした 何本か可能性があるのはあるにはあるのですが、その先が右冠動脈のあまり良くない枝につながっていたりで、どうも食欲をそそられません 他に無いかな?と探していると改善し末梢から#PDにつながる副血行路を見つけました Sionでは通過できず、SUOH-03に変更したところ、スルスルと通過しました 通過した後ワイヤーが近位に進まないためCorsairから造影すると、以前の造影ではその部分は右冠動脈真腔が太くあり、近位部のCTOまで十分あった筈なのですが、何と何と全く消えていました 結局順行性とあわせると跡形すら無いCTO部分は10 CMぐらいに拡大していたのです そしてその部分をワイヤーでつついても全く入っていきません 右冠動脈は異所性であり、子カテを挿入して何とか backupを保ちながら順行性からと逆行性から両方から Conquest-Proで後1mmまで迫りました しかし、手技の最中も安定せず、Leif先生は、「この患者さんはあまり医学的適応が無いので、中止しましょう」と言われました きっと、ナースの問題とか色々なことを考えてのことだと思いました これ以上自分の意地のために頑張るのは良くない、と判断したのです そうやめどきでした 結局 16:30には中止しました

そうそう大切な事実を記すのを忘れていました それは、何故途中で以前の手技が中止になったかと言えば、逆行性に右冠動脈末梢に入り、そこですぐどうやら解離腔をドンドン近位にまで進めてしまい、その結果 右冠動脈の#2から#3の解剖学的内腔などが完全に解離で破壊され、そのまま固まり、結果的に二年間放置された、ということに推測します 二年前の逆行性アプローチにより悪くなった、ということです

それからホテルに戻り、ビールを飲み、夜は皆で tabu (タブー)というノルウェー料理の店に行き、10:00PM頃まで食事したりお話したりしました 夜はたくさん眠ることができ 今朝は 8:30AM発の便で再び Copenhagenに戻り、それからNorwayの首都 Oslo経由で北極圏の都市に入ります