まあ仕方ないか

11月16日木曜日 札幌東徳洲会病院から羽田に戻り、そのまま羽田空港で面会があり、それが終了してから大船で少し飲み、帰宅したならば既に 17日金曜日の 1:00AM前となっていました

そして、今度は成田空港から台湾 高雄に飛びました

ここ最近これで五回目となる the 5th Greater China TRI Workshopに参加する、というか主催者の一人として出席するために高雄に飛びました

夜明け前の高雄の街
高雄港を臨む

この closed workshopでは、Mainland China, Taiwan, Hong Kong China, Macau Chinaの先生方が一箇所に集まりTRIのライブを通して討議が行われるのです

何とかTRIを通してこの地域の先生方の交流を深めるというのがその主題です しかし、言うのはやさしいですが、行うは難しい典型です あまりこの点について触れても仕方ないのでこのままにしておきましょう

毎年、開催場所は中国、香港、台湾と色々な場所で行われますが、今回はその出発点となった高雄の長庚記念病院に戻りました もちろんここの病院には Wu先生がおられます

5th Greater China TRI Workshop

僕は一つの lectureと 2 sessionsでの座長を行い、さらに一例のライブを行いました

症例は 10年以上前に植え込まれ何時の間にか閉塞していた左前下行枝近位部のステント閉塞CTOでした この患者さんはそもそも右冠動脈の心筋梗塞となり、従って状態が悪く左室駆出率も低下していた患者さんです 実際に患者さんのシネ情報を得たのは、会場で座長をしている時に「症例が変更となったので、今からカテ室に降りて下さい」と耳打ちされた時です

症例を見るととても大変そうでした そもそも右冠動脈急性心筋梗塞の時にもガイディング・カテーテルがなかなか入らず困難したそうですが、今回も左冠動脈、右冠動脈ともになかなかガイディング・カテーテルが入りません もちろん両側TRIです そしてようやく入れば今度は完全に冠動脈にwedgeしてしまい圧力が dumpすると共に、患者さんの状態が悪化します side holeカテを用いても同様であり、難儀しました そうこうするうちに患者さんは右冠動脈の激しい spasmも伴い血圧は低下し、このため大動脈内バルーン・パンピングを挿入しました

そして何とか血行動態が落ち着いてから左前下行枝のPCIに入りました 順行性では昔植え込まれた非薬剤溶出性ステントが全く見えずまた対側造影からの左前下行枝真腔造影も薄くどこがchannelか分からない状態でした 逆行性に移行し、中隔枝4本ぐらいをサーチしましたが、micro cork screwのためワイヤー通過ができませんでした 結局色々した挙句 give upです まあこれが現実なので仕方ありません 最近のライブではめづらしく不成功に終わりました

会が終了し、それからホテルでパーティーが行われました そして、本日日曜日 5:00AMにホテルを出発し、高雄から成田空港に飛んで戻ります このため、4:30AM起床のつもりでしたが、いったんホテルフロントに降りた時点で気づきました 「しまった台湾と日本の間には一時間の時差があるのだ」 何と 4:00AM前にフロントに降り、そこで気づいて再び部屋に戻りこの記事を書いています

あああ 馬鹿しました まあこれが自分のそのままの姿なので仕方ありません

いよいよ秘境へ と言っても挫折

さて、飯福田寺からは、伊勢山への登り口が続きます この伊勢山は聖なる山であり、太古の昔から修験者、行者の修行の場として歴史を続けてきました

最近でも、この山に一人で挑戦し、日が暮れても戻って来なかったので捜索に入ったところ、転落滑落死亡していた そんなことがあったようです

ここには、この掲示板のような「地獄」があるのだそうです

心して登られよ
地獄絵図

もっとも危険な山なので、入山する前には必ず 飯福田寺社務所に名前を届け出る必要がありますし、入山料 500円を寄進する必要があります 実際の登り口には鳥居があります

伊勢山修験の場登り口

今回は革靴にスーツとしてとても山登りはできない服装でしたので、それ以上先には進みませんでした 下からは地獄の一部が見えました すごいですね

地獄の一つ「岩屋本堂」

来年こそは準備をして登ってみたいものです

伊勢志摩ライブ

あっという間に時間が過ぎていくので何時が何時 何処が何処 分からなくなります

先週は、11月07日火曜日に札幌東徳洲会病院に夜入りました そして、軽く打ち合わせの翌日、水曜日午前中は外来診療を行い、木水曜日08日午後は、院内PCI Workshopを行い、その中で8例の治療を行いました とても重症の方もおられました

翌日木曜日 09日は、朝からTAVI院内 Worshopを行い、他のご施設からも見学に来られました ここでは三例の治療を行い、その脚で千歳空港に移動し、羽田空港脇の、エクセル東急ホテルで 18:45より国際テレカンを行い、それから鎌倉の自宅に戻りました

そして、10日金曜日には午前中外来診療行い、そのまま三重県松阪に移動し、三重ハートセンター内で開催されている伊勢志摩ライブにおいて、まずは 18:30より講演を行いました

翌日土曜日11日は 8:15AMに松坂駅前のホテルを出発し、そのままま病院に移動し、8:40AM頃より一例ライブで左前下行枝のCTOを治療させて頂きました

そして、11:00AMにならない早くから、すぐに病院を発ち、そのまま三重県松阪の秘境、「伊勢山」「飯福田寺」「蕎麦処 悠庵」に向かったのです 道は峠を越えていく山道で、舗装はされているのですが、とても細く対向車が来ればバックせねばなりません しかも路肩は苔むしていてスリップ転落の危険があります

そんな道を 30分以上登っていくと出てきました まずは「飯福田寺山門」です

福田寺山門
飯福田寺
飯福田寺といわれ

この寺のほとり ほとんど並んで 隠れた蕎麦の名店「悠庵」があります もっとも土日しか営業しておらず、大将一人で全てをこなし、さらに今年年末には店を閉じ、移転されるとのことです

店はとても古く、ムカデがたくさん住んでいるような雰囲気で今にも崩れそうでした

秘境の蕎麦店「悠庵」
秘境の蕎麦店「悠庵」
秘境の蕎麦店「悠庵」のあ品書き

別棟は今にも崩れ落ちそうでした

悠庵 別棟

肝腎の味ですが、秘境という感激を差し引いてもおいしいと思いましたよ

悠庵の蕎麦

さてこの蕎麦を食べ終わってからが本当の秘境になるのです

メキシコ グアダラハラ

今回のメキシコは同国第二の都市 Guadalahara (グアダラハラ)で開催された 第30回メキシコ心臓病学会に招かれたからです

この学会は隔年で開催されますので、もう60年も行われているのです 参加人数は4,000名ぐらいです メキシコの医学界にも色々と派閥があるようで、心臓に関する学会には他にいくつかあるようですので、その全てと均等にお付き合いするのは大変です

近年メキシコの治安は良くなく、特にメキシコシティの治安は相当に悪くなっています 北部の学園都市モントレも一時期マフィアに占拠され、外国人は一歩も立ち入れないぐらいに危険でしたが、現在では相当治安が回復しているとのことですが、日本人はよほどの理由が無ければ訪れないほうが良いでしょう 僕が10数年前にライブをしに訪れた時には、何と奇麗な街なのか と思いました その頃は安全で、美しく、また学園都市らしい雰囲気が漂っていたのです

グアダラハラは第二の都市ですが、治安はとても良いとのことです あまり知らなかったのですが色々な世界遺産があるようですが、僕は観光には生きませんでしたので知りません

第30回メキシコ心臓病学会
幹部の先生方と

DenverからMexico City (CDMX)へ

水曜日午後の便でダラス経由で Mexico Cityに移動しました ついたのは11月01日の夜でした 空港から居酒屋「MAG」に直行しましたが、何時のことながらこの店は満員です

居酒屋MAG

この日はラーメンの食べ比べをしました なかなか Pho (ベトナムの麺料理ですね)のスープを用い、ラーメンの麺を用いた Phoラーメンも良かったですし、麻婆ラーメンも良いです

Phoラーメン
味噌ラーメン
麻婆ラーメン

TCT2017 in Denverでの衝撃

今年の Denverではとても忙しかったのですが、その中で衝撃を受けたことがいくつかあります

これまで日本の経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は欧米のPCIに比して、イメージングを多用し、一人の患者さんの治療にとことん時間をかけ、難しい慢性完全閉塞や左冠動脈主幹部の複雑分岐病変などにも高い成功率を誇ってきたと誰しも思っていましたし、それをある意味誇っていました

この傾向は僕のようにもうPCIを1981年から36年間も行ってきた化石のようなインタベ人間から見れば、若手の自信満々の先生方に特に顕著です。彼らは、諸外国にPCIをちょっとやらせてもらいに訪問した時も、僕から見れば、何でそんなに自信が持てるの? なのですが、自信満々にある意味その国の手技を見下すような雰囲気で訪問しているのです。

それはさておき 僕は今回トヨタや日産、あるいはホンダといった日本を代表する自動車メーカーが現在受けているであろう衝撃と圧力、それをこの TCTで感じたのです

これまで日本製の自動車は日本の物造りの代表であり、丁寧な造りと、高い信頼性、効率的な製造などは日本が世界に誇るものであり、世界中の人々が日本製品を高く評価してきたのです しかし、今世界に情勢は急速に変化しており、この日本が引っ張ってきた製造業での価値観が革命的に変わりつつあるのです

自動車の社会です、電気自動車 (EV)への急速な転化と、それによりもたらされて来た製造業の製造手段や手続きの急速な変化です これまでのガソリン自動車の製造とまったく異なる自動車が世界を占める可能性が高いのです また、AI 特に機械学習という新たな人工知能の進化により、完全自動運転がすぐに可能とり、その世界はもう目の前、おそらく東京オリンピックまでにはそのような世界に急速に転化するでしょう

そのような中で日本の自動車メーカーも自ら変化していかなければ、次の10年を生きていけません またそうなれば日本の労働人口は再び過剰となって、社会は不安定化するでしょう

このような衝撃と圧力を今回の TCTで感じたのです もちろんこれまで自分が得意としてきた分野では未だ僕は健在です 僕が受けた衝撃は、火曜日8:00AM – 10:00AMでの Coronary Theater 1でのライブ・モデレーターでの経験でした この時のライブ副題は FFR/CTO/CHIPというものでしたが、8:00AM – 9:00AMにはスペインから一例左前下行枝に対するPCIが中継されました まあ治療としてはあっという間に終了しそうなものでしたが、如何にも狭窄がきつそうに造影で見える病変が、iFFRをするとまったく血行動態的な狭窄が無く、その手前の造影ではなんともないように見える部位に強い狭窄が隠れていたのです まあ、こんなことに 1時間も高い中継料をかけて何の意味があるのかな? という感じでした

衝撃は二例目 9:00AM-10:00AMでのイリノイ州NapervilleにあるEdward Heart Hospitalからのライブでした 術者は Tony J. DeMartiniという先生で見た感じ未だ非常に若く、多分 40歳には届いていないような感じでした 提示された症例は 86歳男性で、左室駆出率が30%程度、腎機能低下ありGFR 30ml/minぐらいの症例です そもそも数週間前に STEMIのため左冠動脈回旋枝近位部に薬剤溶出性ステントが植えられて再灌流した症例です その時の造影で、右冠動脈近位部の 40mm程度の慢性完全閉塞で同側より bridge collateralで末梢が見えてきました さらに急性心筋梗塞の時に再疎通した左冠動脈回旋枝のステント遠位に90%程度の狭窄あり、左前下行枝は#6, #7に複数の90%狭窄がある、そのような超重症症例です 事前の Heart Team Conferenceで心臓外科医は冠動脈バイパス手術を拒否されたのです

このような重症例そのままPCIに入れば命を失う可能性がとても高く、うーん僕に治療主治医が回ってくればやはり拒否したか、あるいはPCPS (経皮的心肺補助)を stand by状態にしておき、左冠動脈回旋枝末梢か左前下行枝から手を付けて、いったんその段階で終了し、後日右冠動脈については考える、そのような戦略をとっていたと思います

しかし、これが CHIPの本領発揮の場面でした CHIPというのは今年2017年になってから言われだした言葉です CHIP = Complete revascularization for Higher-risk Indicated Patientsの頭文字であり、日本語に訳せば 「超重症患者に対する完全血行再建」となるでしょうか Home Pageもありますが、要するに心機能が非常に悪いか、PCIを行うことそのものが非常に危険ではあるが、そのために冠動脈バイパス手術も危険と考えられているが、慢性完全閉塞、左冠動脈主幹部、複雑分岐部病変などに対する血行再建せねば患者さんの生命予後が非常に悪い、そのような患者さんに対して補助循環しながらPCIを行う、そのような新しい過激な治療方針なのです

そしてこの日ライブで実際に行われたのは、まず放映前に左冠動脈回旋枝の狭窄評価が FFRで行われはFFR = 0.71だったので薬剤溶出性ステントがそこに植え込まれ、ついで左前下行枝に対して2個の薬剤溶出性ステントが植え込まれました その後から放映開始となったのですが、TRI+TFIにより両側アプローチで右冠動脈の慢性完全閉塞に対して Pilot wireを用いて順行性に入りましたが、解離腔に進んだため、左前下行枝より中隔枝を介して逆行性に入り、順行性ワイヤーと逆行性ワイヤーが真腔内で kissing wireとなりました 中継はここで時間切れとなったのですが、僕から見てもとっても難しそうな慢性完全閉塞でしたが、これまでの日本式アプローチ、つまり Gaia wireを用いたり、CART techniqueを用いたり IVUS side-branch guidanceを用いたり、そのようなテクニックとは異なるもの、つまり 日本ではほとんど用いられない Pilot wireを用いたり、中隔枝の tip-injection造影を省いたり、中隔枝からのクロスを hydrophilic wireを用いずに行ったり などなど 僕自身の常識とは異なるテクニックで真腔狙いの慢性完全閉塞再疎通が行われたのです

しかも、この手技を一連のステージで行い、造影剤の使用量もその時点で 50ml程度、両側造影も single planeで二回のみであり、慢性完全閉塞に向けての wiringでも一切造影剤を使用しない、そのような斬新な手技だったのです

そして重要なのがこれを可能としたのが Impellaによる左室補助でした ImpellaをPCI手技開始より作動させ、安定したPCIが行われ、多分これが CHIPという新たな概念なのだろうな、と大変勉強になりました しかし日本ではこの方法はできません 何故ならば Impellaの使用には厳しい基準が設けられており、その基準は心臓外科のあるグルーブに管理されているからです

このようにして日本という国家は 自動車に代表される製造業の世界だけでなく、高度な医療の分野でも新しい革新的世界に歩みださず、どんどん世界中から取り残されていくのです 今回本当にそれを実感しました 訳の分からない役人による法律違反的行為、省令による法律に基づかない規制と、それを踏襲している学会を含め各種団体による自己規制 こんなことばかりしていると本当に日本は駄目になります まあ、僕の俊ではもういいか もう気持ちを荒ぶらないで昼に食べた「大阪ラーメン」の辛味噌ラーメンをお見せしましょう 非常につくりの奇麗な日本的な料理でした

「大阪ラーメン」の辛味噌ラーメン

Denver出発

土曜日にコロラド州デンバーに入りました 本日は水曜日ですから、四泊したことになります TCT2017がデンバーで開催され、この会期中の役割とか、色々な臨床試験の打ち合わせなどで忙しく時間が過ぎていきました

本日はこれからメキシコに移動します

Denverにもラーメン屋さんがあります

MenYa-Noodle
MenYaの辛味噌ラーメン
日本の古民家風の”Domo”
Domoのラーメン
Domoの中に掲げられている日本の特攻隊「別れの盃」の写真 この写真はアメリカ国内の蚤の市のような場所で購入されたそうです