バングラデシュでの慢性完全閉塞ライブ

2月07日木曜日  激しく雪が降る札幌より飛行機に搭乗できるように急いで鎌倉に戻りました そして 08日金曜日は朝自宅を出発し、成田空港に向かったのです

そしてその次が2年後の 2017年2月09日のことでした この時の結構テロ直後で緊迫した様子はここでご覧頂けます

今回も BIT (Bangla Interventional Therapeutics)という学会・ライブがありそれに今回で三回目の招聘をされたからです 最初に招聘されたのは 2015年2月05日のことでした この時はテロの危険がありとても危ないエリアなので渡航自粛勧告が出ていた時です この時の様子はブログに upしていますので御覧ください

さてこの学会は今年で第9回目でありますが、本格的な学会になったのは 2015年からであり、それからインドのカルカッタと交互に毎年行われているのですが、ライブを行う本格的なものは 2015年、2017年そして今年とこれで三回目となります 何れも僕一人がライブ術者として招聘され、他の欧米やアジアからの招聘者は何れもコメンテーターや講演者としての参加です

講演

今回の目玉招聘者は前回に引き続いて Gary Mintz先生(USA)、Upendra Kaul先生(インド)、Angela Hoye先生(UK)そして僕でした

さて、今回も前二回と同じく United Hospitalのカテ室から衛星中継で学会場である Radisson Blu Dahka Hotelにライブが飛ばされました 衛星中継であり、予算的なこともあり放映時間は 14:00から15:00までの一時間きっちりと厳格に規定されていました

当日Rahman先生より頂いた情報では 48歳の労作性狭心症の患者さんで、左冠動脈回旋枝に二箇所 90%の狭窄を認め、メインの病変は右冠動脈midの慢性完全閉塞でした bridge collateralがあり左冠動脈よりの側副血行造影は認められませんでした よくあるタイプで右冠動脈の mid part丁度蛇行する部分の慢性完全閉塞であり、しばしば簡単に側枝に行くか、あるいは宣通してしまうタイプです 「これは難しいぞ」というのがシネを見ての印象でした

さて中継準備をされているのですが、なかなか手技に入りません 結局僕が手袋はめて清潔になったのは 13:45を回っていました 「これは大丈夫か? 時間があるか」と少し急ぎました 右経橈骨動脈的冠動脈インターベンションで入り、7Fr EBU3.5を左冠動脈にすばやく挿入し、放映開始前に Runthroughを左冠動脈回旋枝に通過させ、前拡張の後、薬剤溶出性ステントを二個植え込みました IVUSで確認しましたが良好であり、その頃放映がスタートしたのです

ライブデモンストレーション

案の定右冠動脈の慢性完全閉塞ではまずガイドカテを固定するために、慢性完全閉塞直前の RV branchに 2mm balloonを置いてアンカーとすることにしたのですが、NC balloonしかなく、蛇行した RV branchでアンカーのために拡張すると自然に右冠動脈近位本幹に抜けてしまいアンカーとはなりません それでも順行性に XTA -> Gaia-3と進めましたが、ガイドワイヤーは簡単に側枝に向かい全く話になりません 慢性完全閉塞の近位部はカチカチでした

「さあこれは時間切れかな? バングラデシュでの歴史的に三回しかこれまで行われていないライブデモンストレーションにおいて、過去二回成功した慢性完全閉塞の歴史もこれで終わるか」とも考えましたが、術者としては続ける以外ありません

最後に Conquest-Pro 30gを出して順行性に狙いました これが走行してガイドワイヤーは慢性完全閉塞を抜け遠位の真腔に到達したのです それから再度アンカーを試み、semi-compliant balloonがようやく一本見つかったのでそれを用いてアンカーかけ、1.25mm balloonが慢性完全閉塞を通過し、結局右冠動脈も二個の薬剤溶出性ステントを植え込み素晴らしいできとなりました ここでライブデモンストレーションは丁度終了となり、相変わらずの幻を見たか? と誰とも思わざるを得ない白熱した時間厳守の、しかも非常に困難なライブデモンストレーションが終わったのです

スタッフ一同

それはそれは会場もカテ室も興奮です そのあとホテルに戻り休んでからダッカで行きつけの高級日本料理「泉」で夕食をとり、今はダッカ空港からシンガポール空港ラウンジに戻ったところです 今回のバングラデシュ滞在は 22時間でした また二年後 BITでライブデモンストレーションに訪れることを皆に誓ったのです