昨日のライブデモンストレーション再掲

昨日行った病院は正確には Hospital Espanhol という名前であり、ポルトガル語でスペイン病院ということになります。サルバドールはもちろんポルトガル人が大航海時代にやってきて現在のような都市を築きました。もちろんそこには原住民インディオがもともと住んでいた訳です。ナポレオンのポルトガル侵攻に時には、ポルトガル国王夫妻もこのサルバドールまて逃げてきたそうです。そんな訳で、サルバドールはある意味まるでリスボンそっくりなのです。

しかし、その天然の良港、守りも固い良港なので、スペインや他の国々も侵攻してきました。その名残りなのか、スペイン人のコミュニティやイタリア人のコミュニティなどが存在します。スペインは豪華なスペイン・クラブを新築改築中でした。その一角に、海を望んで眺望の良い場所にこのスペイン病院が存在します。

また、この地にはたくさんの黒人奴隷がアフリカから連れて来られ、このサルバドールの地で独自の文化を築きました。黒人比率が 70%以上ある、とのことです。独自文化で有名なのは、この地が発祥とされる音楽サンバであり、またブードゥー教に似た (なんてどんなものか実は知らないのだけれど)宗教儀式カンドンブレ (Candomble)なのだそうです。そして、街中を染めている原色のカラフルな色彩も目につきます。

この宗教儀式に伴う踊りのお祭り Sao Joan (サン・ジョアン)が二日後の週末から開催されるため、旧市街はその原色の飾り付けと、大きな人形、あるいは舞台の設営をしていました。このサルバトールで有名な食べ物が、アカラジェ (Akaraje)です。街中で黒人の女性が多くは真っ白な服を着てその場で椰子油で揚げて一つ 5セントぐらいで売っています。豆をすりつぶしたものを高温の椰子油で揚げて揚げパンのようにして、それの真ん中に切れ目を入れ、そこに、干しエビや野菜、オクラをすりつぶした物などを挟んで食べます。とてもおいしいのですが、相当にコレステロールが含まれていそうですね。

今回の学会、SBHCI (Brazilian Society of Hemodynamics and Interventional Cardiology: ブラジル心臓インターペンションおよび血行動態学会)の学会長がこの病院の Adriano先生なのです。

症例は先に述べた通り 70歳ぐらいの男性であり、左冠動脈前下行枝近位部の慢性完全閉塞です。良港な副血行路が右冠動脈から中隔枝経由であり、左冠動脈前下行枝近位部には石灰化を認め、断端もはっきりしませんし、枝が分岐しています。従って、これはどう考えても retrograde approach firstの症例でした。Deviceが無かったりもしましたが、そこは無難にスイスイとこなしているように見えましたが、実は術者しか分からない落とし穴もあったのです。丁度閉塞部で大きな対角枝が分岐し、その部分に石灰化プラークが片側から塞ぐように飛び出していて、その部分でどうやらかなりの角度で屈曲しているのです。従って、逆行性ワイヤーも左冠動脈前下行枝近位部に向けることはできず、良くて分岐した対角枝、通常はその部分から解離腔あるいは血管外に行くのです。

逆行性に用いた M3Ultimateは案の定血管の外に出て反転しました。自分ではこれは外だ、と確信していましたが、そんな素振りは見せません。そして、すぐに順行性にも開始し、逆行性ワイヤーを目印として、順行性にM3Ultimateで通過させました。その前に用いた Fielderはやはり順行性に解離腔に入って行ったのですが、これも術者しか分からず、そんな素振りも見せませんでした。

1.5mm balloonで順行性に開けて見れば、その左冠動脈前下行枝と考えていた血管は実は小さく、比較的大きな中隔枝そのものだったのです。従って、対角枝と考えていた血管が非常に大きく、最終的にはそちらに向けて 3.0mmと 3.5mmの薬剤溶出性ステントを植え込んで綺麗な仕上がりでした。造影剤総量 < 200ml、手技時間途中で時間調整しながらで 1.5時間であり、皆大喜びでした。

投稿者: (KAMAKURA & SAPPORO)Dr_Radialist

Expert Interventional Cardiologist and Amateur Computer Programmer

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