大渋滞のジャカルタ

最初にジャカルタに経皮的冠動脈インターベンションで訪問したのは、1992年 国立循環器病センターである Harapan Kita病院 (Our Hopeの意味ですよ)です その頃のジャカルタは未だ自動車も少く、まあそれでも高速道路も空港と市内の間に無かったため、1時間ぐらい市内に移動するにはかかりましたが、渋滞はほとんど無かったように思います また、市内にも高層ビルはほとんど無かったように思います

それから22年が経過し、今やジャカルタ市内の渋滞はアジア一番、あるいはマニラと並んで一番、つまり世界で一番ひどい、ものとなっています この間に高速道路が出来たものの、それを上回る自家用車の台数に、物理的に渋滞せざるを得ない、そのように思います

まして、昨日夕方は金曜日、そして14:00が一時間ぐらい非常に激しいスコールが降ったらしいのです、それにより、道路のいたるところが冠水し、また電信柱などが倒れこんだりしたのが原因、ということですが、これまでに無いぐらいの大渋滞となったのです 結果的に国際空港を16:20頃出発してから、市内のホテル Ritz-Carlton Hotelに到着したのは 20:00近くとなっていたのです

今朝のニュースでもその大渋滞ぶりは報じられていました 結局 18:00からの meetingは全く参加できず、何のためにジャカルタに来たのか分からない状態でした

今朝は 4:00AMには起床し、Pythonのお勉強して、そして 8:00AMにホテル内の学会場に行き、講演スライドをuploadしようとしたのですがうまく行かないため、直接講演する部屋にファイルを持込み、それで発表をすることにしました

予定では 8:30 – 8:45AMが僕の発表時間でしたが、8:30AMからは別のプログラムが始まり、結局 8:45AMから発表することになりました 自分の発表が終わればそのまますぐにHarapan Kita病院に行き、自分のライブデモンストレーションを飛ばさねばならず、またどんな症例が割り当てられているのか知らず、少し焦りました

発表終了後、ホテルから病院まで例の白バイ先導で渋滞の中をぶっ飛ばして病院に到着したのは 9:45AMぐらいでした そこで初めて症例を見させて頂きました 当初慢性完全閉塞症例が割り当てられていたそうですが、患者さんが拒否されたため、別の症例となったそうです 47歳の若い男性患者さんで右冠動脈は良いのですが、左主幹部分岐部75% 左冠動脈前下行枝入口部90% 左冠動脈前下行枝近位部90% 左冠動脈前下行枝遠位部90%、そして非常に屈曲した左回旋枝入口部に99%狭窄という嫌な病変を認め、左主幹部から左回旋枝はひどく石灰化していました

何でも一ヶ月前にどうしてそのような中途半端な治療となったのが知りませんが、左冠動脈前下行枝中位の75%病変に対してのみ薬剤溶出性ステントが植え込まれたそうです もちろん労作性狭心症は残存しています この時には右橈骨動脈アプローチで行われたそうですが、その時に右上肢の痛みが残り、患者さんは大腿動脈よりの治療をご希望されました

このため、7Fr Rt-TFIで入り、まずやりやすい左冠動脈前下行枝にワイヤーを通過させ、苦労して屈曲した左回旋枝にワイヤーを通過させました とても当初からはIVUS通過できないと見たため、まず左回旋枝入口部を 2.25mm balloonで拡張しに行ったのですが、18ATMでも拡張できないため、ロータブレーター・ワイヤーに置換し、1.5mm burrでロータブレーターをしに行ったのですが、何とボンベの窒素ガスが空!!! 何でも昨日ロータブレーターを行った後、バルブを締め忘れたため、ガスが抜けてしまった、ということでした 仕方なく待つこと15分ぐらい、やっと新しいボンペが来たのでロータブレーターをしたのですが、全く通過しないため、1.25mm burrにstep downしてようやく通過し、再度ワイヤーを通過させ、まずは2.25mm balloonで左冠動脈前下行枝を拡張してから、左冠動脈前下行枝に対して薬剤溶出性ステントを植えこみました 左冠動脈前下行枝の一部もなかなか拡張しない部位がありましたが、結局左冠動脈前下行枝遠位に 2.25 x 28mm, 2.5 x 33mm DESを植えこみました そして、左回旋枝入口部を2.5mm NC balloonにより20ATMで拡張した後、左主幹部から左冠動脈前下行枝に向けて 3.5 x 36mm DESを植え込み、左回旋枝にワイヤーを取り直し、左冠動脈前下行枝ステント内でアンカーをかけることによりストラットを2.0mm balloonで通過して拡張し、2.5 x 18mm DESを左回旋枝入口部に TAP (T And Protrusion) Techniqeuで植え込み、最後に 3.0mmと 2.5mm balloonsによりKBTを行い奇麗な出来上がりとなりました

PCI成功裏に終了
PCI成功裏に終了

まあ途中色々なことがありました ワイヤーを抜かれそうになったりしましたが、結果的に大丈夫でした 常に片方の手でワイヤーを保持していますので・・・

建設中の高層ビル
建設中の高層ビル

この後昼ごはんを食べてから今ホテルに戻っています 本日の夜行羽田便で帰国します それにしてもインドネシアの経済成長は凄まじいですね 街中には大きな高級ショッピング・モールがいくつも建ち、多くの人びとで賑わっています イスラム教の国ではありますが、街中はクリスマス気分であり、西洋の音楽が溢れています 街中を歩いたりバイクに乗っている人々は皆年齢が30歳より下のようです 平均年齢が日本と40歳は違うのではないでしょうか 日本はこれから「日沈む国」となり、インドネシアは「日昇る国」となりそうな予感がします

投稿者: (KAMAKURA & SAPPORO)Dr_Radialist

Expert Interventional Cardiologist and Amateur Computer Programmer

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