突然思い出した Shirey先生

今朝羽田空港に向かう車の中で何故か突然思い出したのが、Schirey先生でした

それはあの頃、選択的冠動脈造影を行うことに如何に自らの技術を高めるかに執着していた自分にとって、憧れの先生でした

そう思って PubMedで調べたのですが、出てきました 最初の論文がこれです

1966 Nov;18(5):745-53.

Retrograde transaortic and mitral valve catheterization. Physiologic and morphologic evaluation of aortic and mitral valve lesions.

分かりますか? 注目する点が少なくとも2つあります 一つはそのタイトルですが、”Retrograde” + “transaortic and mitral valve”とありますね、これに対する日本語訳は「逆行性左房カテーテル法」です
皆さん、選択的冠動脈造影をやられている若い先生方皆さん、そもそも皆は最近では左室にカテーテルを挿入することあまりしないですよね、選択的冠動脈造影で終わっていますよね
でも世界は違うのです、昔は 大動脈から左心室にカテーテルを挿入する、それは必須の技術でした そんなもの簡単だよ、と言う方もおられるでしょうね、でもそんなこと言う人は世界がどのように回っているか知らない人です
そして、左心室に挿入したカテーテルを左室内で逆転させ、僧帽弁が開放した時に、カテーテルを左房内に挿入する、それがどんなにか難しく、そして華麗であり、そしてそして医術に邁進する技術者魂をワクワクさせるか? そんなこと知らないで生きてきたのですねえ
僕は、自ら Sones法による選択的冠動脈造影を昔むかし Mason Sones博士が書かれた一遍の論文というか報告書、その中に書かれていた微かな Sones法の技術についての記載、それを何度も何度も読み返し、そこから秘伝につながる鍵を探し、そしてその開かざる扉を開けるべく 朝から晩まで毎日毎日 Sones方による選択的冠動脈造影のことばかり考えていたのです それは、1976年のことでした
思い返せば Gruentzigが世界で初めてPTCAを行ったのが 1977年8月ですから、その一年前のことでした
あっと、二つ目の注目点は、この論文がその Sones先生との共著で書かれた、ということです
僕はそれからPTCA そして PCIの世界に入っていきました そして、あれは 1987年頃だったと思います、自ら Mayo Clinicのカテ室に選択的冠動脈造影およびPCIの見学に二日間ぐらい訪問したことがあるのです、実際、そこでのカテーテル内容は、あまり学ぶものはありませんでした、しかし、眼を疑いました あれだけ僕の青春をかけて夢中になっていた Shirey法のその Shirey先生がその時僕の前で選択的冠動脈造影を行っていたのです
彼はその当時、既に多分60歳は回っていたと思います カテーテル挿入は肘部の動脈切開で 8.5Frの Sonesカテーテルを挿入して行っていました 流石に cut downと止血縫合はもう眼が見えないようで、若い研修医がしていましたが、カテーテルを冠動脈に挿入するテクニックは見るべきものがありました
そんなことを今朝思い出しました

投稿者: (KAMAKURA & SAPPORO)Dr_Radialist

Expert Interventional Cardiologist and Amateur Computer Programmer

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