これからシカゴ 昨日は MitraClip

今回は TVTに参加(招聘)のためシカゴに羽田空港より飛びます 毎年このようにその分野の主要な学会に参加するのは年々辛くなってきます 「この学会参加せねば、ゆっくりと寝て過ごせるのに・・・・」なんて考えてしまいます これが歳をとって行くということでしょう

さて、そんな中昨日も頑張って MitraClipしました その前に経カテーテル的大動脈弁置換術 (TAVI)を二例、心機能高度低下例に対する S2植え込み、そし鎖骨下動脈ルートの EvolutR植え込みでした 両症例とも僕はサポートに回りました 非常に順調に終了し、安心して 14:00からの MitraClip植え込みに移りました

Brockenbroughに関しては世界で一番上手な僕ですから何の不安もありません 今回は、経食道心エコー法を見ることによって初めてその存在を僕自身認識した ビローっと伸びていく心房中隔でした このビローっと伸びていく心房中隔と僧帽弁の Barlow’s Syndrome (バーロー症候群)が同列に合併するものか否か僕は知りませんが、ここの患者さんは心房中隔穿刺時に、通常よりも心房中隔が伸びてなかなか穿刺針が通過できませんでした そうですね経食道心エコー法 (TEE)で見ていると 20mm程度は伸びましたね この患者さんの僧帽弁閉鎖不全では後尖に Barlow様の変形がありましたが、本日は後尖とそれに引きづられた前尖の逸脱でした

まあ割と難しい Clippingだったと思います それでも経食道心エコー法で観察すると二個の Clipping後 MR4度が 1度にまで低下し、劇的な効果で終わりました これまで症例を積み重ねるにつれ、それまで自分では何一つさっぱり分からなかった経食道心エコー法所見も段々と見慣れ、自分の手をどのように動かせば標的に相対すことができるか随分と分かってきました もちろん未だまだで今後とも激しく収れんが必要です 経カテーテル的大動脈弁置換術のレベルにははるかに到達していません

MitraClipはエコー屋さんの世界だと教わってきましたが、いえいえどうしてカテ屋さんの世界だと思いますよっ 残念ながらそういうことをほとんどの Interventional Cardiologistsが知らないのでしょうね 知る機会もあまり無く、また知る機会を作ることも困難ですよね まあ自分はこのような境遇に放り込まれたのですから、この道を突き進んでいくしかありませんね

それにしても進化しているとはいえ、昨日は終了時刻 6:00PMであり、四時間の手技でした 老化した体には体力の限界です でも MitraClipを日本にも根付かせる使命があり、それが患者さんのためだと信じていますのであと何年間か頑張りましょう

投稿者: (KAMAKURA & SAPPORO)Dr_Radialist

Expert Interventional Cardiologist and Amateur Computer Programmer

「これからシカゴ 昨日は MitraClip」への6件のフィードバック

  1. Radialist 先生
    お世話になっております。日々の診療、お疲れ様です。
    私も、先生に負けじ(笑)と世界に打って出ました。
    https://github.com/horosproject/horos/issues/342

    また、上記の issue の話の流れで行きがかり上 HorliX も公開しました。
    https://phazor.info/HorliX/?page_id=105

    そのうち消しますので、ご興味があればダウンロードして使ってみてください。

    また、OsiriX (といっても Lite の方)の contributor にもなったようです。
    https://github.com/pixmeo/osirix/graphs/contributors
    日本語リソース送っただけなんですけど。

    あと、私、このブログ上での登録メールの記載が間違ってました。
    大変、失礼いたしました。m(_ _)m

    1. air様

      情報ありがとうございます 早速 downloadしてみましたが、まだ試せていません
      GitHubで contributorになるなんてすごいですね 僕なんかにはとても及びもつかない世界です GitHub accountも大分昔につくり、当初はその上でファイルの更新をしていたのですが、いつの間にか足が遠のき今ははるか遠くにあります
      今回のシカゴは去年よりも寒く、またしとしとと雨が降り、高層ビル群では上の方の階は雲の中です これまでシカゴは何時も良い天気でしたので、こんなシカゴもあるのか と驚いています
      これからも宜しくお願いします

      1. たびたび好意的に言及していただいてありがとうございます。

        >まだ試せていません
        ゲートキーパーを一時的にオフにしないと動かないので、ちょっと面倒かもしれません。
        初回起動時にOsiriX のデータベースのミグレーションを試みるので、ここも気をつけた方がいいと思います。

        >GitHubで contributorになるなんてすごいですね
        ソフトの基幹部分に何か本質的な変更を加えたとかではないので、それほどでもないかと。
        ただ、Horos と OsiriX の両方の contributor になっているというのはレアだと思います。
        今後、どっちにつけばいいのか悩ましいですが(笑)。

        あと、私、けっこう勘違いされるのですが、専門のソフト屋さんではないです。
        ソフトだけの仕事も受けてたりしたんで、間違えではないんですが、専門の人と比べると知識も経験も足りないと思います。どちらかといえば計測機器だとかハードよりの方が得意ですが、制御ソフトとかを自分で書いたりしてたので、なんとなく両方できるようになったのかなと。でも、そういった経験は、一つのまとまった何か(医療機器とか計測装置とか)を作るときには、大事だと思っています。

        だから、最新記事の冒頭のお話は興味深かったです。オペなどでもそうかもしれませんが、どんな簡単なことでも、最初から最後まで自分で主体的にやり切るというのが一回でもないと次はないような気がします。全体の意図とかバランスを見失わずに、でも頭と手は目の前の対象に集中する、みたいな感覚です。
        これをキャリアの初期の段階でやっておかないと、その後、かなり苦労するんではないかと思います。
        で、そこらへんが上手くできる人が何人か集まって、ようやく意味のある製品ができるんだと思うんですが。

        今の日本は… どうなんでしょうね?

        では、シカゴの金融ブローカー編、楽しみにしております。

        1. Airさま

          >ゲートキーパーを一時的にオフに
          実は立ち上げさせてみましたが、ゲートキーパー解除せずに立ち上がりました その後、Osirix dataを読み込むかどうかの選択画面が出ましたが、ここは読み込んでそんなことはないでしょうが、もしも Osirix dataが壊れれば大変なことになると考え、読み込まない選択をしたところ、通常の画面になりました この画面で個々の DICOM fileは読み込み可能と考えられますが、そこからは試していません

          >Horos と OsiriX の両方の contributor
          いやあやはりすごいとしか言えません 良く寝付き薬として、iPadで PodCastを聞きながら寝付くのですが、その中で現在お気に入りは「Turing Complete FM (https://turingcomplete.fm)」、「Misreading Chat (https://misreading.chat」、「mosaic.fm (https://mozaic.fm/」そして最近更新のない「宇宙と素粒子の夜 (http://cosmo.space-podcast.net)」なのですが、それぐらいすごいと思っています

          >そういった経験は、一つのまとまった何か
          僕も数少ない経験からはそのように思っています 自分の宇宙を少しでも広げれば別の見方も生まれるのではないかと思います でもやはり若いうちですね

          今後共ご指導宜しくお願いします

  2. >もしも Osirix dataが壊れれば大変なことになると考え、読み込まない選択をしたところ、通常の画面になりました この画面で個々の DICOM fileは読み込み可能と考えられますが、そこからは試していません

    懸命な判断だと思います。先生の大事なデータを壊したとなると私も立つ瀬がありません。
    内輪でやったβテストでは、データベース周りでバグは出ませんでしたが、データベース周りは私もまだソース読んでないので、今ひとつ信用しきれてません。
    現時点でおそらく先生の「書類」に「HorliX Data」というフォルダができているので、こちらにテスト用のデータを入れるのがよいかと思います。ミグレーションしない状態で、データのインポートなどをするとデータはこちらに記憶されます。

    >iPod
    とりあえず、Turing Complete FM をちら聞きしましたが、CERN 女子はいいですね。KEK ではなく CERN というのが少し悲しいですが。
    私のダウンロードページにもスイスジュネーブからアクセスが何件かありました。CERN ではなく、OsiriX Team (ジュネーブ大)からだと思います。
    とにかく彼らは情報収拾とそれに対するアクションが早いです。

    >投資コンサルタントの話
    HorliX プロジェクトの目標の一つに「実 DICOM データを用いたシミュレーション」というのがあります。まあ、今、制定したんですが。
    そのうちの一つに「不整脈治療のカテーテルアブレーションのためのシミュレーションによる3次元リエントリ回路の同定」というのがあります。まあ、今、思いついたんですが。
    心臓の表面電位の測定点の数が十分あれば、やってやれないことはないと思うんですが、テーマとしてイマイチでしょうか?

    1. 本日は久しぶりの日曜日 鎌倉の自宅近くの潰れた本屋さんが、今はもとの本屋さん「栄和堂」として小さな Book Cafeとして再開しています 営業時間は火曜日水曜日休み、土曜日もしばしばミニ・コンサートで休み という商売っ気の無い店ですし、席も全部で15席ぐらいしかありません しかも客も一日にせいぜい5名でしょうか それでも電源フリー、インターネットフリーなので僕は気に入って一杯480円のコーヒーで既に本日は3時間います

      Osirix Teamからの反応あるというのはすごいですね CERN女子も頭の構造がどうなっているのか?? 全くついていけませんが夢を感じます

      >不整脈治療のカテーテルアブレーションのためのシミュレーション
      これなかなかおもしろいですね 問題は体表面心電図であれば、雑音の混入などからいくつの電極が必要か? その検証でしょうか でもやってみなければ分かりません 大江健三郎の「見るまえに跳べ」 これは僕の都立豊多摩高校の先輩にあたるはずですが、未だに読んでいません
      それよりも、Horlixとシミュレーションを組み合わせる、というアイディアが面白く思いました
      また色々と教えて下さい

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