我ながら素晴らしいTAVI

本日二例のTAVIでした プロクターもつかず、自分たちで判断し、責任をもって実施するTAVIでした

何でしょうかねえ、どうも僕には「この期間はプロクター必須」とかいうのはどうも合いません

そうでなくて、「今だ判断などに自信が無いので」あるいは「この症例に関しては是非とも意見を伺いたい」という感じのプロクターが正しい姿のように思います

実際僕の場合 プロクターがおられるとどうしても判断をプロクターに頼ってしまうのです 実際にプロクターの判断が常に正しい訳は無く、この頼るという姿勢が手技を誤らせることも多いように思います

前置きが長くなりましたが、本日もTAVIというテクニックを実施するには非常に難しい症例でした 経皮的冠動脈インターベンションで例えれば 不成功後に治療を任される慢性完全閉塞病変のようなものです そんな中でも見事に問題点を切り抜け、成功裏に終了しました しかも、それは僕一人の力ではなく、ハートチームとしての力だったと思います

Parisでの一日

昨夜は、時差ボケであまり睡眠できませんでした 6:30AMにはホテルのCafeに降りて、早めの朝食を摂ろうとしたのですが、 7:00AMからしか開かないので仕方なく待っていました

7:45AMに Centre Hospital Universitat Henri Mondorに留学中の古田先生が迎えに来て下さりました ホテルから地下鉄で40分ぐらいかけて Henri Mondorに到着しました この病院はパリ東部に位置する病院で、Paris大学付属のとても大きな臨床病院です 循環器科が所有するカテ室は三室で、あと三か月すれば四番目のカテ室がオープンする、とのことでした 玄関入り口のヘリポートには患者搬送用のヘリコプターが常時待機していました

Hospital Henri Mondor

この病院では CoreValveによるTAVIを年間 100例ぐらい行っており、この日も一例TAVIがありました 僕も手洗いをして一緒について行いましたが、非常にスムーズに行われました

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その後、教授の Professor Emmanuel Teiger先生に連れられて院内のカフェで Espresso Cafeを飲み、その後いよいよ慢性完全閉塞を治療しました 症例は右冠動脈の慢性完全閉塞であり、2013/05月に二回に渡り、順行性、逆行性に試みられたのですが、不成功でした

回旋枝からの非常に蛇行した心外膜副血行路から右冠動脈末梢に入りましたが、閉塞部は非常に固く、結局順行性にも逆行性にも Conquest-Pro 9で両刺しにして、ようやくワイヤーが進みました そして、一部石の様なプラークに小さな裂け目が入り、そこから順行性にも逆行性にも別々の解離腔をワイヤーは互いにすれ違いながら進みました

この状況はしめたもので、順行性に何とか 1.25mm balloonを進め、2.5mm balloonで順行性に解離腔を拡げ、そして逆行性にM3Ultimateにより慢性完全閉塞近位部真腔にワイヤーを通過させ (典型的な Reverse CART technique)、そのまま順行性ガイドカテに挿入できました

その後は、型通り Externalizationを行い、最終的には薬剤溶出性ステント三本を植え込んで見違えるような冠動脈になりました

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これが終了したのが、13:30でした 実はこの後、もう一例慢性完全閉塞を治療する予定でしたが、あいかわらずタクシー組合がストをしていて、しかも、そのストが大通をタクシーで封鎖する、というストなので、空港方面に向かって大渋滞であり、アムステルダム行の便に乗れない可能性があり、14:00にタクシーでパリ市内の北駅まで行き、そこから電車で CDG空港に向かったのです

またまた素晴らしいTAVIの手技

本日は朝から二例の経カテーテル大動脈弁植え込み術 (TAVI/TAVR)がありました 一例目は体格の大きめの方であまり問題は無さそうでした しかし、二例目はとても小さな方で、石灰化も強く、また冠動脈も低く、問題大有り症例でした これは緊張しましたね

ところが、やはりTAVIです まるで内戦後の麦畑のように、何処に地雷があるか分かりません あるいは、ゲリラの仕掛けた竹槍つきの落とし穴があるのです どんなに straightforward caseと思われでも決して気を抜くことはでません

それでも一例目は最高の出来で終了しました 素早く終了しました

二例目は、無茶苦茶360度に気を配りながら行いました 冷静に行いました 一つ間違っていれば危なかったと思いますが、全て何事も無かったかのように終了しました 時間も左程かからなかったのです

こうやって、色々な問題点を察知し、それに対して色々な対応を立てながら、進歩していくのでしょう やはりつくづく思いますが、TAVIを行うためには豊富なカテーテルの経験と知識、それに何より強い冷静な心と、卓越したテクニックが必要だと痛感しました

あっという間に終了TAVI

本日もTAVI 1例実施

Straightforward caseとは言え、KAMAKURA Heart Teamの皆で術前しっかりと検討しました 議論がとても有意義で、新たなアイディアも浮かんできます

実際の手技はあっという間に終了し、とても良好な結果でした 本当にあっという間になのです でも、これで患者さんの状態がとても良くなるのだから素晴らしいと思います

すさまじいTAVI

これから札幌に日帰り出発です
昨日は朝から二例のTAVIを行いました プロクターの先生もおられず、決断は全て私達Heart Teamで行います それでも最終的決断は自分の責任で行わねばなりません 強い心と冷静な頭脳が正しい判断を下す上で一番重要です
一例目はあっという間に終了、患者さんは終了後すぐにベッドから起き上がられ、慌てて抑えました この患者さんも80+歳で体表面積も1.25程度しか無い非常に小柄な重症大動脈弁狭窄症の患者さんでした TAVIの威力をまざまざと見せつけました
次の症例はもっと小柄でもっとご高齢な女性でした 非常に重症な大動脈弁狭窄症であり、圧格差が140mmHgぐらいありました 本当に突然死寸前だったと思います ご高齢女性で良く見られるように非常に蛇行した大動脈で、下肢動脈も細く、trans-femoral approachの限界症例だと思います 日本人の高齢女性は一例目もそうですが、腰椎や胸椎の圧迫骨折が多く見られ、必然的に大動脈が折りたたまれていますよね もともとの体格が大きければこれはTAVIをやるにあたり大きな問題ではありませんが、小さいと、丁度デバイスの力を伝達するシャフト部分で大きく屈曲するため、本当に位置決めなどがやりにくくなります。
石灰化も高度で大動脈屈曲はひどく、左冠動脈も低く、本当に危険な症例でしたが、皆の力を併せ、無事大成功に終わりました しかも、時間もそんなにかかりませんでした 本当に本当にとても素晴らしい、と思いました

TAVIに関する発見

TAVIを行う時には、丁度弁輪の高さに SAPIEN-XT弁付きステントを持ってきます。この時に問題となるのは、弁輪の高さ (大動脈から左室にかけての長軸に沿った高さ)なのです

従来これに対して、事前のCT大動脈造影を用いて立体構造を可視化しして、適切なレントゲン投射方向を事前に検出したりもされます。しかし、問題はCTの時には、撮影の方法として上肢を挙上したり、あるいは枕の位置など必ずしも透視下でTAVIを行う場合とは体位が若干変化します これにより、CTで検出した「弁輪に直交する角度」がずれます

このため、実際にTAVIを行う時に、大動脈基部で造影し、左冠動脈洞、右冠動脈洞、無冠動脈洞の底が一列に並ぶようなレントゲン投射方向を用います

ところが、往々にしてこの一列というのに若干のずれがあるのです 何よりTAVIの対象となる患者さんの大動脈基部から弁は石灰化が強いため、造影と石灰化の混ざりのために、なかなか和かりにくいのです

では実際にこの弁輪に対して直行する方向と若干ずれた時に、どれぐらいの位置ずれるのでしょうか?
Annulus
良く考えれば、どうずれたとしても、実際の弁輪面は、各冠動脈洞の底 (理想的には、この底を結べば正三角形となりますよね もっとも実際には正三角形ではありませんが・・・)、図では白で書いた正三角形ですが、その三角形の面にある訳ですので、冠動脈洞の底を結ぶいかなる二本から三本の直線の間に存在する筈です

ところで、この「間」という言葉が曲者なのです どうしても、手技の最中にはこの「間」ということを「真ん中」と見做してしまうのです そこで手技中の位置調整において、ステントの真ん中を直線の真ん中に合わせようとします

しかし、ここで中学算数を思い出さねばなりません それは、「正三角形の中点連結定理」なのです これによれば、正三角形の重心は、頂点から辺に対して垂直に下ろした直行線に存在し、その位置は 2:1となるのです。ですから、「真ん中」というのは間違いで、実は辺に向かって 2:1 の位置にステントの真ん中を合わせねばならないのです。

うーん ここまでの考察 今後のTAVI手技の参考になれば良いです

満足する結果のTAVI

TAVI終了 相当に緊張しました でもその一方でTAVIの威力をまざまざと体験しました

本日の患者さんもとても小柄なご高齢の方ですが、かつて と言っても数年前に世界的に有名なマラソン大会で完走されたという伝説的な記録を持たれています もちろん世界最高齢でのマラソン完走でした

そんな方がこの手技により、再び輝くことができればこれは最高です

しかしながら本当に我々は良いハートチームを形成したと思います 本日もお互いに気づいた点を指摘しながら自分たちの判断で全て行いました 皆の力が反作用するのではなく一つの合力となって素晴らしい結果につながったのです Singaporeをキャンセルした甲斐がありました

本日は緊張のTAVI

本当は水曜日深夜便でシンガポールに入る予定でした AsiaPCR/SinLive 2014の Co-directorとして ライブデモンストレーション術者、講演、座長、moderatorsなどとたくさんの仕事があったのですが、急遽本日非常に重要なTAVIを行うことになり、火曜日の時点で全ての仕事をキャンセルしたのです

昨夜は十分に休みを取り、体調は万全です 午後に全神経を集中しTAVIを行う予定です

Singaporeの仕事をキャンセルしたため、急に三日間の空白が生まれましたが、今になってみれば、この空白は僕が僕であるために必要な空白であったような気がします

今日もTAVI

本日は二例のTAVIを行いました 一例目は straightforward な症例で 35分で問題なく終了しました

二例目は当初より危険を伴う症例と考えていましたが、何とか大きな問題なく切り抜けました

今回は誰も プロクターの先生無しで、全て我々ハートチームが判断して実施したのです このことにはとても意義があると考えています とても良いチームが形成されています ありがたいものです