コスタリカ二日目 – 中南米3つの嘘

コスタリカは Costa Rica と書きますが、スペイン語では英語化すれば Rich Coast つまり豊かな海岸ということだそうです この国は、大分以前に軍隊を放棄し、その文の国費を教育に使い国力を増強してきました 豊かな自然と、太平洋と大西洋に挟まれ、発展してきました 国内はとても平和で安全です
今回は最初の訪問に引き続き二回目でしたが、午後からHospital Calderon Guardiaに行きました ここではDr. Saenzが歓迎してくれました 一例目は右冠動脈近位部すぐからの年季物の慢性完全閉塞で、豊富な bridge collateralが発達していましたので、左冠動脈からの副血行はありませんでした 順行性でしましたが、慢性完全閉塞に至る前の複雑に蛇行した解剖でうまくいきませんでした

二例目は左冠動脈前下行枝の慢性完全閉塞でしたが、順行性にあっという間に終了しました

その後は、昨年に引き続き「富士」に行き、和食を食べ早々に就寝しましたが、やはり二日目夜は最悪です 3.5時間で覚醒し、その後はどう努力しても眠れず今に至っています

友人に I先生というとても良い先生がおられます 現在アメリカ西海岸で研究・教職に携わっておられるのですが、南米大好きです

その先生から盛んに聞いていた中南米の真実とは

  • アルゼンチンのステーキは、柔らかくてナイフでなくスプーンで切って食べることができる
  • サンパウロにある「喜◯◯楽」という日本居酒屋・食堂の若女将はとても綺麗な方である
  • 3C (Colombia, Chille, Costa Rica)では街を歩いている女性がとても綺麗で男ならば何時も立ち止まってしまい、街なかをまともに歩けない

というものでした この3つ全て検証しましたが、真実からは程遠いのでした

Rで起動時にスクリプトを自動実行するには

久しぶりに最強の無料統計処理ソフトである「R」についての話題です
Rは最近進化速度が激しく、最新バージョンでは Windows版では
R version 3.0.2 (2013-09-25) — “Frisbee Sailing”
Copyright (C) 2013 The R Foundation for Statistical Computing
Platform: x86_64-w64-mingw32/x64 (64-bit)

となっています Mac版でも同じバージョンであり、64-bitで走ります さらにそのGUI interfaceである R commanderについても Rcmdrのバージョン 2.0-2
ということになり、少し触っていないとどんどん進化していってしまい、取り残されてしまいます

さて、自分の環境は、Mac OSX10.9.1に Parallelsを走らせ、その上で Windows 7 Professionalを走らせています Rは Windows/OSX/Linusと どの環境でも走るのですが、Windowsでは文字コードが依然として Shift-JISであり、他の2つのOSでは UTF-8となっています
このように書くと、Windowsでは文字化けなどの問題が発生するのでは? と危惧されますが、実態は逆なのです OSX版だと日本語の扱いに今だ問題が発生します
そればかりか驚くべきことに、Graphic Demoを走らせると、仮想マシン上で走っているWindows 7の上で走るRの方が native OSである Mac OSX上で走っている Rよりも圧倒的に描画が早いのです これは信じられない驚きでした
となると、僕の環境下では OSX版でなく、Windows版で走らせるのがいい、ということになります そこで使っていて問題発生しました
Windows版Rのヘルプを行うと、何と OSX上のBrowserを開きに行くのです これは IP address 127.0.0.1:****ポートに参照に行くのでそのようになるのです 当然のことながら、これに対する Browserの返答は、「参照できません」ということになります
となると、解決策は、実際の統計処理は Windows版で行い、ヘルプの時には、OSX版で行う、あるいは速度や、文字化けの問題に目をつむりながら OSX版を用いる、ということになります
うーん、ださい ださい ださい 解決法 許しがたい
ということで、色々と調べました そして、R Consoleにおいて
>options(“browser”)
とすることにより、ヘルプで用いるブラウザが表示されます
そして
>options(browser=”C:/Program Files (x86)/Google/Chrome/Application/chrome”)
とすることにより、ヘルプで用いるブラウザを強制的に変更できることが分かりました
もちろん、ここでのパスは皆さん方の環境により若干の変化がありますよね 僕の場合には、Chrome実行ファイル(.exe)がこのパスにあるのでそのように指定しているのです
このように R Consoleで打ち込めば、その後からは、ヘルプを通常どおり参照できて便利です
しかし、いちいち打ち込むのは面倒臭いし、ださい ださい
ということで必要は発明・発見の母 ですよね さらに調べると .RProfile というファイルに書き込めば良い、ということが分かりました しかも、これを作業フォルダの中に設置すれば、何かと全体的影響が無くて良い、ということが分かりました
R作業フォルダをC:/MyDocuments/R_dataだとすれば、.RProfileの中にさっきのおまじないコマンド・スクリプトを一行のみ書いて、これを C:/MyDocuments/R_data フォルダの中に置けばこれで良いのです
これ以降は、Rを立ち上げると自動的にヘルプ参照は、うまいこといきます
.RProfileなんて変な名前のファイルどうやって作成するのか? それぐらいはご自分で調べて下さいね どうしても分からないようであれば、メール下さい

サンノゼ (San Jose)到着

アトランタで4.5時間の transitの後、何時間飛んだのでしょうか? 少なくとも5時間でしょうか? ついにコスタリカの首都 サンノゼ国際空港に到着しました 現地時間 20:30くらいでした
それからホテル Intercontinentalに向かったのですが、途中で別のホテルの中にある日本食レストラン SAKURA に入りました
日本食もとてもポプュラーですね
自慢の SEIKO ASTRON これは、GPS内臓していて、自動的に時刻を現地時刻に合わせる筈ですが、ずっと室内なのか、未だ思いどおりに作動していませんね これは世界唯一、ソーラー発電であり、かつ電波時計であり、かつ GPS内臓のものなのです これだけのテクノロジーを腕時計一つの中に入れ込むことができる日本の「モノづくり」というのはすごいですね

Atlanta国際空港Delta航空ラウンジ

成田空港を1/21(Mon)の15:00過ぎに出発し、Delta航空でAtlantaまで飛んできました ここで4.5時間のトランジットの後、中米 Costa Ricaの首都 San Joseまで飛びます
このラウンジはそれなりに快適ではありますが、無線LANのインターネット接続速度が遅い!
まあ、ここでは大したことを行うつもりもありませんので実害はありませんが・・・ それと、飲み物はコーヒー以外は有料です 何ででしょう Atlantaと言えばCoca Cola本社がある街の筈ですよね

TAVIに関する発見

TAVIを行う時には、丁度弁輪の高さに SAPIEN-XT弁付きステントを持ってきます。この時に問題となるのは、弁輪の高さ (大動脈から左室にかけての長軸に沿った高さ)なのです

従来これに対して、事前のCT大動脈造影を用いて立体構造を可視化しして、適切なレントゲン投射方向を事前に検出したりもされます。しかし、問題はCTの時には、撮影の方法として上肢を挙上したり、あるいは枕の位置など必ずしも透視下でTAVIを行う場合とは体位が若干変化します これにより、CTで検出した「弁輪に直交する角度」がずれます

このため、実際にTAVIを行う時に、大動脈基部で造影し、左冠動脈洞、右冠動脈洞、無冠動脈洞の底が一列に並ぶようなレントゲン投射方向を用います

ところが、往々にしてこの一列というのに若干のずれがあるのです 何よりTAVIの対象となる患者さんの大動脈基部から弁は石灰化が強いため、造影と石灰化の混ざりのために、なかなか和かりにくいのです

では実際にこの弁輪に対して直行する方向と若干ずれた時に、どれぐらいの位置ずれるのでしょうか?
Annulus
良く考えれば、どうずれたとしても、実際の弁輪面は、各冠動脈洞の底 (理想的には、この底を結べば正三角形となりますよね もっとも実際には正三角形ではありませんが・・・)、図では白で書いた正三角形ですが、その三角形の面にある訳ですので、冠動脈洞の底を結ぶいかなる二本から三本の直線の間に存在する筈です

ところで、この「間」という言葉が曲者なのです どうしても、手技の最中にはこの「間」ということを「真ん中」と見做してしまうのです そこで手技中の位置調整において、ステントの真ん中を直線の真ん中に合わせようとします

しかし、ここで中学算数を思い出さねばなりません それは、「正三角形の中点連結定理」なのです これによれば、正三角形の重心は、頂点から辺に対して垂直に下ろした直行線に存在し、その位置は 2:1となるのです。ですから、「真ん中」というのは間違いで、実は辺に向かって 2:1 の位置にステントの真ん中を合わせねばならないのです。

うーん ここまでの考察 今後のTAVI手技の参考になれば良いです

満足する結果のTAVI

TAVI終了 相当に緊張しました でもその一方でTAVIの威力をまざまざと体験しました

本日の患者さんもとても小柄なご高齢の方ですが、かつて と言っても数年前に世界的に有名なマラソン大会で完走されたという伝説的な記録を持たれています もちろん世界最高齢でのマラソン完走でした

そんな方がこの手技により、再び輝くことができればこれは最高です

しかしながら本当に我々は良いハートチームを形成したと思います 本日もお互いに気づいた点を指摘しながら自分たちの判断で全て行いました 皆の力が反作用するのではなく一つの合力となって素晴らしい結果につながったのです Singaporeをキャンセルした甲斐がありました

本日は緊張のTAVI

本当は水曜日深夜便でシンガポールに入る予定でした AsiaPCR/SinLive 2014の Co-directorとして ライブデモンストレーション術者、講演、座長、moderatorsなどとたくさんの仕事があったのですが、急遽本日非常に重要なTAVIを行うことになり、火曜日の時点で全ての仕事をキャンセルしたのです

昨夜は十分に休みを取り、体調は万全です 午後に全神経を集中しTAVIを行う予定です

Singaporeの仕事をキャンセルしたため、急に三日間の空白が生まれましたが、今になってみれば、この空白は僕が僕であるために必要な空白であったような気がします

お化け煙突

子供の頃の記憶が鮮明に残っているのです その一つが、「お化け煙突」です 幼稚園に行く前に読んだ絵本とか色々な本に「お化け煙突」が良く書いてあったのです

「お化け煙突 ある時は二本、別の角度からは三本、また別の角度からは四本 そして遠くから見ると一本に見える不思議な煙突」

そんな感じでした 子供心に、「それはきっと四本の煙突が、正方形の頂点に立っているので、角度によっては二本ないし、三本重なって見えるので、それぞれ二本あるいは三本に見え、一本も重ならなければ四本に見えるんだ、でも一本なんかには絶対に見えないよ」 と思っていました まあ、非常に遠くから見れば 見分けがつかなくなり一本に見えるかもね

煙突の間隔が狭い場合には

ghost_chimney

ということになり、決して四本には見えませんが、逆に 間隔が広すぎると

ghost_chimney_lg
ということになり、三本にも四本にも見えることが可能となりますね

ところで、そのように見えるか否かは、煙突の間隔 Tと、煙突の半径 r によって規定されることは上の絵を見ても明らかです そもそも四本に見える最適な角度は何度でしょうか? 久しぶりにそれこそ高校生以来初めて三角関数の計算をしましたところ、26.565度ということになりました これは、sinθ = √0.2 となるθです。

さて四本に見える条件式は、T・√2・cosθ>2・r となりますのでさっきのθでこれを計算すると T・cosθ>r・√2となり、ここにθを代入すると 0.8944・T>1.4142・r となりますので、T>1.5812・r となります

本当にそれで良いのかな? まあここまで頭の体操できました

ところで、この過程で重大な可能性に気づきました 実は、本物のお化け煙突の配置は、正方形頂点ではなく、長方形頂点だったかも知れませんね、何故ならば、そうであれば、長方形長軸方向から見れば見事一本に見え、なおかつ短軸方向から角度を傾けて見れば、三本や四本にも見える筈です

「お化け煙突」は千住火力発電所だったそうです そして調べるとなんと、お化け煙突の配置は 菱形の頂点であったようです このため、一本にも見えたそうです うーん 子供の時から今の今まで、お化け煙突の配置は正方形の頂点である、という固定観念に捉われていました 何と50年間以上もです これは恐ろしいことですし、人間がいや もとい 僕がいかに固定観念の呪縛に捉われているかを示しますね 反省せねばいけません

すさまじい教科書

何を思ったか、急に線形代数学の勉強を始めました もともと中学・高校と数学は得意であり、好きでした しかしそれも高等数学まででした

阪大に入学し教養課程で数学を習いましたが、行列の話になってから急についていけず、脱落しました その頃ですから、今だ19歳の頃から、行列というものが何時も何時も頭の片隅にひっかかっていたのです それでも行列の掛け算になり、急速に着いていけなくなるのです

今、「なっとくする行列・ベクトル」という本を読んでいます。この本を知って驚くと共に、すさまじい人生を感じました。著者の川久保 勝夫先生は、僕の母校阪大の教授であられたようですが、何と 1999年に亡くなられているのです。そして、この本を書いている途中にご自分の命があまり長くないことを知られ、恐らくはご自分の持っている知識を次の世代に継ぐために、必死で書き上げられたのでしょう。これまでの数学の教科書とは違う視点で、とにかく理解を助けるようにとんでもない苦労を捧げられているのが分かります。何回も挫折した僕でも今度ばかりは何とかなりそうな予感がします。本当に川久保先生ありがとう、と言いたくなります。

皆様方も、是非 読んで下さい。

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