相変わらずひどい時差ボケ

日本時間 8月08日水曜日夕方の成田発NY行きの ANA便で出国しました そして、NY JFK空港から、タクシーで マンハッタン島を迂回して対岸のNew Jersey州の New Ark空港に移動しました これはあくまでもアメリカ国内移動なのです そして、New ArkよりUA便で (あくまでもアメリカ国内移動です)、Puerto Rico (プエルトリコ)の州都 San Juan (サンファン)空港に到着 これらは飛行時間3時間以上かかりました 何しろキューバを飛び越えて行くのですから

San Juanのシェラトンホテルにチェックインしたのは既に 8月09日の午前 1:00AMを回ってからでした この日は3:00AMに覚醒し、それから新しい MacBook Proにいろいろなソフトをインストールしていました まだまだ足りない部分があり、肝心の Google日本語の辞書をファイルして持ってきていませんでしたので、随分と不便です

11:00AMにホテルを出て、ホテルから 15分ぐらいの場所にある、Puerto Rico大学附属病院 これは広大な敷地に色々なセクションで分割した大きな建物からなる病院がいくつも立ち並んでいるものでした その一角に、心臓病センターがありました

心臓病センター
心臓病センターを意味するのだ
道路を挟んだ向かいにある大学病院の一角

さて、心臓病センター3階にはカテ室が 6部屋並 んでいました マシンは最新式の Philipsです これに加えて手術室に向かって Hybrid室があり、そこではTAVIもやられているそうです

何しろ機材準備室にはレーザーマシンが2台ある他、FFR、OCT、IVUSはもとより、ロータブレーターも準備され、DESに関しては主要メーカーのものは揃っていました もちろんアメリカの一部なので FDA認可されているもののみでしたが・・・・

さて、たくさんの慢性完全閉塞患者さんが用意されていました とても全ては自分一人では治療できない数です すべて過去にトライされ不成功に終わっている症例です

昨日 11:30頃から治療にかかったのは、まず右冠動脈の慢性完全閉塞でした 既に左冠動脈前下行枝には薬剤溶出性ステントが植え込まれていました 当初右大腿動脈より 7Fr ガイディングカテーテルを挿入して中隔枝経由でのレトロを狙いましたが、最終的には非常に細いネットワーク状の連結でありこれを超えることはできませんでした そこで、右橈骨動脈より挿入した 6Frガイディングカテーテルにより、順行性アプローチに切り替えましたが、ガイディングカテーテルによるバックアップが悪いため、Extension GCを用いて行いました 最終的には UB3により通過し、これを直しました

次の患者さんは左冠動脈前下行枝と対角枝の分岐部病変であり、これに対しては薬剤溶出性ステント二個を用いた Culotte stentingが行われました 行われました、という表現しているのは僕はこのテクニック嫌いであり、この症例の治療は現地の先生が行われ、僕は助手に回りましたので・・・ そもそもこれらの手技はアメリカ国内で行われており、そこでは医師の資格に対する審査が非常に厳しい筈です もちろん僕が今回の訪問で手技をすることは問題ありません

そして昨日最後の症例が冠動脈バイパス手術後の症例でした これも経大腿動脈的インターベンション + 経橈骨動脈的インターベンションで行ったのですが、非常に不穏状態がひどく現地の先生が途中で大量の鎮静剤投与された結果、呼吸が停止し、アンビューバッグによる呼吸補助が必要となりました 決して状態は良くなかったのです これに対しては最初から左冠動脈前下行枝からの中隔枝経由のレトロで入りましたが、右冠動脈の閉塞部は非常に屈曲した部位であり、丁度ヘアピンカーブ状の屈曲が二回連続している部位であり、その部分で慢性完全閉塞となっており、この通過はとまどりましたが、順行性と逆行性にワイヤーを進め、薬剤溶出性ステントを右冠動脈に合計4個植え込み成功したのです

この時点で 17:30になっており、そのままシーフードレストランに入りました ここはカリブ海の真っ只中 人口300万人の島 プエルトリコ (スペイン語で綺麗な港 という意味)です 魚介類は豊かなのですが、何しろ魚介類をおいしく調理する習慣が未だありません こんなに大きな鯛の仲間もいるのです

大きな鯛

見かけは鯛のようですが、体が流線型ですよね 白身の魚でしたが味はおいしいものでした できれば釣り上げた直後に〆て、わたとエラをとって氷の中に保存したまま市場に回して欲しいなあ そうすれば僕がさばいて、それから酢と塩で〆てからおいしい寿司を握るのですが・・・・

という訳で本日もひどい時差ポケ 睡眠時間2時間です

本日の夕食

本日は 16:00発の ANA便で千歳空港に そして札幌東徳洲会病院心臓センターには 18:45頃到着しました それから明日のTAVIの検討と打ち合わせをしたのです

19:45には一人病院を出て、マンションの向かいにある MaxValueに入り、食事パンと、カップ麺を購入しました 今日の夕食はこれです ふふ

本日の夕食パン

投資コンサルタントのお話

シカゴの Sheraton Grand Chicagoホテルのバーで飲もうとしていたところ、外国人に別々に二人から呼びかけられました 当初は相手が誰が認識できなかったのですが、二人目の方は、2005年にお会いしたきりの再開でした その方は Wall街のどなん中、ものすごく有名な証券会社で投資コンサルタントをしている方です

彼から、僕が今は無くなってしまった St. Vincent’s Catholic Medical Centerというマンハッタンの下の方のものすごく良い場所にあった伝統ある歴史的病院で院内ライブを何回かした時に面会の依頼が来ていたのです 最初何の用事かさっぱり分からなかったのですが、ホテルに迎えに来てくれ、連れて行かれた先は、入り口からがっちりセキュリティされた Wall街のど真ん中の超有名証券会社だったのです 彼にエレベーターで連れて行かれた先は、10数階にあったと思うのですが、ある部署の小さな会議室でした その部屋には僕、彼、彼の同僚の三名で入り、17:00 – 18:00色々な会議というか何というか話がありました

要するにその内容は、2005年 DES(薬剤溶出性ステント)が新たに日本市場にも投入される予定であり、そのことが日本の医療市場にどんなインパクトを与えるのか? そしてそれがポジティブであれば、米国の投資家にもそのような動きに投資を勧めるのがコンサルタントしての重大な使命であり、そのためには日本での状況をつぶさに調べたい、そのような趣旨だったのです

まあ正直自分ごときの意見が何百億円のお金を左右に動かせるほどには重要ではないと思ったのですが、自分からすればその後のご褒美期待もあったのです 通常このような多分インタビューには契約書や秘密保持の取り決めしたりして、某かのお金のやり取りがあると思いますが、この時にはそのようなややこしいことは無く、口頭で、「はいお礼はお金でなく、おいしい寿司ですよ」と、もちろん英語で言われました これは魅力ですよね

そして終了後連れて行かれたのが当時も今もマンハッタンでは一二を争う寿司の名店「jewel bako」だったのです これって要するに「宝石箱」ですね その内容はそれはそれは素晴らしいものでした そしてその後連れて行かれたのが、典型的な日本の居酒屋「matsuri」これは祭りですね でした ここもすごい居酒屋でしたが、残念ながら今は閉店しているようです

まあそのようなことがあったのですが、要するに言いたいのは、彼はこの TVTという最先端の学会に顔を出し、色々な人々に接触し情報を入手試みていたのです TVTでは世界の最先端の医療機器が出てきます もちろんそのような中で 100の Venture Companyが出てきてその内の多分一つから2つぐらいしかものにならないのです そのようなチャレンジを支えるのが投資家と投資資金のまわりにある色々な職種の人々なのだと思ったのです

翻って日本ではどうか? 残念ながら日本の大手医療機器メーカーは僕が考えるにほんの一つあるいは2つの非常に challengingな姿勢を維持しているメーカー以外、とても消極的で単に M&Aしか考えておらず、その中から自らの頭脳を伸ばそうという姿勢が無いのです これが日本の問題点である、そのように思いました

最後の日韓友好TRIセミナー

昨日土曜日6/02は第12回日韓友好TRIセミナーを札幌東徳洲会病院心臓センターを舞台に開催させて頂きました 今年も14名の Interventional Cardiologistsが韓国より参加し、日本からは5名の先生方にご参加を賜りました

この会は日韓友好を促進すると共に、TRIを広く普及する目的で特定非営利活動法人ティー・アール・アイ国際ネットワーク主催で開催してきました 既に12回を迎え、この会の役割は十分に果たし、そろそろ幕を引く時と判断しました そして今回の Opening Ceremonyにおいて “This will be the last meeting for this seminar”と宣言しました

実際の会は、札幌東徳洲会病院に新しく据え付けられた Siemens ARTIS-Zを用いて病院会議室を会場に行われました 第一症例は 9:00AM start、もともと二例の慢性完全閉塞症例、一例の左冠動脈主幹部病変、一例の冠動脈重度石灰化病変の患者さんが用意され、9:00AMより開始してぶっつづけてで縦に行えば、15:00までに終われるか否か? と思える感じでした

でもこの日は僕すごく乗っていました あっという間にこの4症例を成功裏に終了して、12:00過ぎには終わってしまいました もう一例臨時で僧帽弁狭窄症に対する経皮的経僧帽弁的交連裂開術 (PTMC)が準備されていて、この治療は 15:30頃からできればいいな と予定されていたのですが、その症例を繰り上げることにしました しかし、問題はPTMCのための井上バルーンが札幌に届くのが 13:00ということだったので、結局その到着を待って行い、これも巨大左房であり、しかも過去にステロイド予防投与にもかかわらず造影剤ショックで心停止になった既往があるため、ゼロ・コントラストで経食道心エコー法無しで中隔穿刺を行い、僧帽弁拡張をしました そして非常に辺在性石灰化僧帽弁であったため、そして体も小さな方であったため、23mm程度でPTMCをして良好な結果となりました

結局会は大成功に終わり、特に韓国の先生方は非常に満足され、この会が最後となることをとても残念に思われていました

それはそうと今回の札幌で変わった店を見つけました

蕎麦 さとやま

それはれっきとした蕎麦屋さんの「さとやま」という店です 全て蕎麦は店主が石臼で精錬し、それを店の中で手打ちで打つ、というとても本格的な蕎麦屋さんです しかし、変わっているのはそのメニュー内容です もちろん通常の蕎麦メニューもあるのですが・・・・

激辛カレー蕎麦

雰囲気的には札幌発祥のスープカレーを蕎麦にかけたものですが、色でわかるように激辛であり、しかも山椒もたっぷりはいっています 値段も結構しますが、一度は味わって下さい えっと場所は札幌市の苗穂です

やはり危険は何時も傍らに存在する

火曜日は自分自身で難しい症例のTAVI一例僕自身により実施しました これは何事も無かったようにうまく大成功に終了したのです

そしてその後 MitraClipを行いました Brockenbroughはそれなりに難しかったのですが、終了し、いよいよ Clippingになりました これがこれがものすごく大変で2個の Clipを用いたのです 当初より2個の Clipか必要と踏んでいてそれは予定通りといえば予定通りなのですが、何しろ意見が別れ、なかなか手技を前に進めないのです 結果的に終わったのが 18:30を回っていました 都合5時間の長時間手技でした しかし結果は素晴らしく本当に重症の手術不可能な僧帽弁閉鎖不全だったのですがてきめんに良くなりました

そしてその後PCI二例に移ったのです 楽勝ケースと思いきや何とステント植え込み後前後に解離が発生し、それが徐々に広がっていくのです 広がった先には対角枝の完全閉塞、そして徐々に左冠動脈主幹部そして左冠動脈回旋枝に解離が拡大していくのです こんなひどい解離の拡大は僕の人生の中で見たことありません 自分の心臓が止まりそうでしたが、強い精神力で耐え抜きました 多分自分がとった対処はベストの対処だったと思います

丸一日間はやわい症状が続きましたがその後はすっかり無くなり心筋逸脱酵素の上昇もまずまずでした どうしてこんなことが起こるのか それについて考えねばなりせん このために札幌行きもキャンセルせざるを得ませんでした 外来でお待ちの患者さんには申し訳無く思いますが そうせざるを得ない程の非常事態だったのです それでもその後はもう大丈夫です

こんな非常事態に遭遇することは予想だにしていませんでした

そして金曜日は台北で開催されている APSC (Asian Pacific Society of Cardiology)での講演に呼ばれ台北に行きました 今朝講演を無事済ませ、多くの有意義な discussionも行いました 座長は Wu先生がされました

Wu先生座長

その後、会場近くの人気店「一蘭」でラーメンを食べました 何でも24時間営業しているらしいのですが、常に人気で30分以上の行列待ちです

30分以上の一蘭の行列待ち
一蘭のラーメン

まあ正直ラーメンそのものはおいしいけれどインパクトに欠ける感じでした 日本でも食べたこと無く、ここ台北で初めて食べました 店の近くにはあの台北一番の高さを誇る高層ビルがありますし、台北市市庁もあります

高層ピル

伊勢志摩ライブ

あっという間に時間が過ぎていくので何時が何時 何処が何処 分からなくなります

先週は、11月07日火曜日に札幌東徳洲会病院に夜入りました そして、軽く打ち合わせの翌日、水曜日午前中は外来診療を行い、木水曜日08日午後は、院内PCI Workshopを行い、その中で8例の治療を行いました とても重症の方もおられました

翌日木曜日 09日は、朝からTAVI院内 Worshopを行い、他のご施設からも見学に来られました ここでは三例の治療を行い、その脚で千歳空港に移動し、羽田空港脇の、エクセル東急ホテルで 18:45より国際テレカンを行い、それから鎌倉の自宅に戻りました

そして、10日金曜日には午前中外来診療行い、そのまま三重県松阪に移動し、三重ハートセンター内で開催されている伊勢志摩ライブにおいて、まずは 18:30より講演を行いました

翌日土曜日11日は 8:15AMに松坂駅前のホテルを出発し、そのままま病院に移動し、8:40AM頃より一例ライブで左前下行枝のCTOを治療させて頂きました

そして、11:00AMにならない早くから、すぐに病院を発ち、そのまま三重県松阪の秘境、「伊勢山」「飯福田寺」「蕎麦処 悠庵」に向かったのです 道は峠を越えていく山道で、舗装はされているのですが、とても細く対向車が来ればバックせねばなりません しかも路肩は苔むしていてスリップ転落の危険があります

そんな道を 30分以上登っていくと出てきました まずは「飯福田寺山門」です

福田寺山門
飯福田寺
飯福田寺といわれ

この寺のほとり ほとんど並んで 隠れた蕎麦の名店「悠庵」があります もっとも土日しか営業しておらず、大将一人で全てをこなし、さらに今年年末には店を閉じ、移転されるとのことです

店はとても古く、ムカデがたくさん住んでいるような雰囲気で今にも崩れそうでした

秘境の蕎麦店「悠庵」
秘境の蕎麦店「悠庵」
秘境の蕎麦店「悠庵」のあ品書き

別棟は今にも崩れ落ちそうでした

悠庵 別棟

肝腎の味ですが、秘境という感激を差し引いてもおいしいと思いましたよ

悠庵の蕎麦

さてこの蕎麦を食べ終わってからが本当の秘境になるのです

DenverからMexico City (CDMX)へ

水曜日午後の便でダラス経由で Mexico Cityに移動しました ついたのは11月01日の夜でした 空港から居酒屋「MAG」に直行しましたが、何時のことながらこの店は満員です

居酒屋MAG

この日はラーメンの食べ比べをしました なかなか Pho (ベトナムの麺料理ですね)のスープを用い、ラーメンの麺を用いた Phoラーメンも良かったですし、麻婆ラーメンも良いです

Phoラーメン
味噌ラーメン
麻婆ラーメン

TCT2017 in Denverでの衝撃

今年の Denverではとても忙しかったのですが、その中で衝撃を受けたことがいくつかあります

これまで日本の経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は欧米のPCIに比して、イメージングを多用し、一人の患者さんの治療にとことん時間をかけ、難しい慢性完全閉塞や左冠動脈主幹部の複雑分岐病変などにも高い成功率を誇ってきたと誰しも思っていましたし、それをある意味誇っていました

この傾向は僕のようにもうPCIを1981年から36年間も行ってきた化石のようなインタベ人間から見れば、若手の自信満々の先生方に特に顕著です。彼らは、諸外国にPCIをちょっとやらせてもらいに訪問した時も、僕から見れば、何でそんなに自信が持てるの? なのですが、自信満々にある意味その国の手技を見下すような雰囲気で訪問しているのです。

それはさておき 僕は今回トヨタや日産、あるいはホンダといった日本を代表する自動車メーカーが現在受けているであろう衝撃と圧力、それをこの TCTで感じたのです

これまで日本製の自動車は日本の物造りの代表であり、丁寧な造りと、高い信頼性、効率的な製造などは日本が世界に誇るものであり、世界中の人々が日本製品を高く評価してきたのです しかし、今世界に情勢は急速に変化しており、この日本が引っ張ってきた製造業での価値観が革命的に変わりつつあるのです

自動車の社会です、電気自動車 (EV)への急速な転化と、それによりもたらされて来た製造業の製造手段や手続きの急速な変化です これまでのガソリン自動車の製造とまったく異なる自動車が世界を占める可能性が高いのです また、AI 特に機械学習という新たな人工知能の進化により、完全自動運転がすぐに可能とり、その世界はもう目の前、おそらく東京オリンピックまでにはそのような世界に急速に転化するでしょう

そのような中で日本の自動車メーカーも自ら変化していかなければ、次の10年を生きていけません またそうなれば日本の労働人口は再び過剰となって、社会は不安定化するでしょう

このような衝撃と圧力を今回の TCTで感じたのです もちろんこれまで自分が得意としてきた分野では未だ僕は健在です 僕が受けた衝撃は、火曜日8:00AM – 10:00AMでの Coronary Theater 1でのライブ・モデレーターでの経験でした この時のライブ副題は FFR/CTO/CHIPというものでしたが、8:00AM – 9:00AMにはスペインから一例左前下行枝に対するPCIが中継されました まあ治療としてはあっという間に終了しそうなものでしたが、如何にも狭窄がきつそうに造影で見える病変が、iFFRをするとまったく血行動態的な狭窄が無く、その手前の造影ではなんともないように見える部位に強い狭窄が隠れていたのです まあ、こんなことに 1時間も高い中継料をかけて何の意味があるのかな? という感じでした

衝撃は二例目 9:00AM-10:00AMでのイリノイ州NapervilleにあるEdward Heart Hospitalからのライブでした 術者は Tony J. DeMartiniという先生で見た感じ未だ非常に若く、多分 40歳には届いていないような感じでした 提示された症例は 86歳男性で、左室駆出率が30%程度、腎機能低下ありGFR 30ml/minぐらいの症例です そもそも数週間前に STEMIのため左冠動脈回旋枝近位部に薬剤溶出性ステントが植えられて再灌流した症例です その時の造影で、右冠動脈近位部の 40mm程度の慢性完全閉塞で同側より bridge collateralで末梢が見えてきました さらに急性心筋梗塞の時に再疎通した左冠動脈回旋枝のステント遠位に90%程度の狭窄あり、左前下行枝は#6, #7に複数の90%狭窄がある、そのような超重症症例です 事前の Heart Team Conferenceで心臓外科医は冠動脈バイパス手術を拒否されたのです

このような重症例そのままPCIに入れば命を失う可能性がとても高く、うーん僕に治療主治医が回ってくればやはり拒否したか、あるいはPCPS (経皮的心肺補助)を stand by状態にしておき、左冠動脈回旋枝末梢か左前下行枝から手を付けて、いったんその段階で終了し、後日右冠動脈については考える、そのような戦略をとっていたと思います

しかし、これが CHIPの本領発揮の場面でした CHIPというのは今年2017年になってから言われだした言葉です CHIP = Complete revascularization for Higher-risk Indicated Patientsの頭文字であり、日本語に訳せば 「超重症患者に対する完全血行再建」となるでしょうか Home Pageもありますが、要するに心機能が非常に悪いか、PCIを行うことそのものが非常に危険ではあるが、そのために冠動脈バイパス手術も危険と考えられているが、慢性完全閉塞、左冠動脈主幹部、複雑分岐部病変などに対する血行再建せねば患者さんの生命予後が非常に悪い、そのような患者さんに対して補助循環しながらPCIを行う、そのような新しい過激な治療方針なのです

そしてこの日ライブで実際に行われたのは、まず放映前に左冠動脈回旋枝の狭窄評価が FFRで行われはFFR = 0.71だったので薬剤溶出性ステントがそこに植え込まれ、ついで左前下行枝に対して2個の薬剤溶出性ステントが植え込まれました その後から放映開始となったのですが、TRI+TFIにより両側アプローチで右冠動脈の慢性完全閉塞に対して Pilot wireを用いて順行性に入りましたが、解離腔に進んだため、左前下行枝より中隔枝を介して逆行性に入り、順行性ワイヤーと逆行性ワイヤーが真腔内で kissing wireとなりました 中継はここで時間切れとなったのですが、僕から見てもとっても難しそうな慢性完全閉塞でしたが、これまでの日本式アプローチ、つまり Gaia wireを用いたり、CART techniqueを用いたり IVUS side-branch guidanceを用いたり、そのようなテクニックとは異なるもの、つまり 日本ではほとんど用いられない Pilot wireを用いたり、中隔枝の tip-injection造影を省いたり、中隔枝からのクロスを hydrophilic wireを用いずに行ったり などなど 僕自身の常識とは異なるテクニックで真腔狙いの慢性完全閉塞再疎通が行われたのです

しかも、この手技を一連のステージで行い、造影剤の使用量もその時点で 50ml程度、両側造影も single planeで二回のみであり、慢性完全閉塞に向けての wiringでも一切造影剤を使用しない、そのような斬新な手技だったのです

そして重要なのがこれを可能としたのが Impellaによる左室補助でした ImpellaをPCI手技開始より作動させ、安定したPCIが行われ、多分これが CHIPという新たな概念なのだろうな、と大変勉強になりました しかし日本ではこの方法はできません 何故ならば Impellaの使用には厳しい基準が設けられており、その基準は心臓外科のあるグルーブに管理されているからです

このようにして日本という国家は 自動車に代表される製造業の世界だけでなく、高度な医療の分野でも新しい革新的世界に歩みださず、どんどん世界中から取り残されていくのです 今回本当にそれを実感しました 訳の分からない役人による法律違反的行為、省令による法律に基づかない規制と、それを踏襲している学会を含め各種団体による自己規制 こんなことばかりしていると本当に日本は駄目になります まあ、僕の俊ではもういいか もう気持ちを荒ぶらないで昼に食べた「大阪ラーメン」の辛味噌ラーメンをお見せしましょう 非常につくりの奇麗な日本的な料理でした

「大阪ラーメン」の辛味噌ラーメン

Denver出発

土曜日にコロラド州デンバーに入りました 本日は水曜日ですから、四泊したことになります TCT2017がデンバーで開催され、この会期中の役割とか、色々な臨床試験の打ち合わせなどで忙しく時間が過ぎていきました

本日はこれからメキシコに移動します

Denverにもラーメン屋さんがあります

MenYa-Noodle
MenYaの辛味噌ラーメン
日本の古民家風の”Domo”
Domoのラーメン
Domoの中に掲げられている日本の特攻隊「別れの盃」の写真 この写真はアメリカ国内の蚤の市のような場所で購入されたそうです

東廻り世界一周

今回は東廻りで世界一周することになりました まずは、9月20日(水)の昼前の成田発ダレス空港行きの JAL便で出発です 実はこの飛行機、Boeing 777-300であり、新しい機体でしたが、今から出発という時になって故障箇所が発見され、そのため離陸が 45分ぐらい遅れました テキサス州ダレス空港に到着したのは、その結果予定より 30分以上遅れ、結果的に American Airlineの North Carolina Durham空港行きの予定していた便には搭乗できませんでした

仕方なく、ダレス空港で2時間以上時間を潰し、次の American便に乗り、ようやく Durhamに到着できたのは、17:30ぐらいになっていました 今回は、そのDurhamで重要な会議があり、それに参加するために訪れたのです

Durhamは落ち着いた東海岸南部の街です Duke大学があることで有名ですね この街にも何軒かラーメンを出す店ができています 大概はかなり怪しげなものです ラーメン専門店と言えるのはこの DASHIのみだと思います ここはかなり本格的な豚骨スープを用いたラーメンを出します 僕は豚骨スープは苦手なのですが、それでも本格的なんだろうなと分かりました

豚骨ラーメン専門店「DATHI」
二階は居酒屋です
自慢の豚骨味噌ラーメン

さて Durhamでの仕事を終え、Durhamも空港から American Airlineの London Heathlaw空港直行便に搭乗したのは、9月22日(金)の 18:00過ぎでした 南から北に大西洋を飛び越えていくので、相当に時間かかるだろうと思っていたのですが、何と 7時間もかからずに翌23日(土)の 7:00AM前に空港に到着しました

そして、いよいよ PCR LondonValves 2017に参加なのです と言っても、その日土曜日の 9:00AMより TokyoValves 2018の Coures Directors’ meetingが開催されましたが、結局皆それには間に合うことができず、10:00AMからの TokyoValves 2018 preparatory meetingに参加したのです 今若手でTAVIを日本で推進されている先生方が集まって下さり、来年の会の企画を練ったのです 基本的には英語での会議であり、鍛えられます

結局この会は 17:00まで熱気を持って続けられたのです 時差ボケも飛んでしまうのですよ