久しぶりの バンコク

何と前回タイを訪問したのは 2013年2月16日のことでした ですからいつの間にかもう5年半も訪れていなかったのです

今回は、Wasan先生よりのお招きにより CIAT (Cardiovascular Intervention Association of Thailand)という学会ライブにお招きに預かり、久しぶりにバンコクを訪問しました

バンコクの交通渋滞はアジア最悪、世界最悪と言われて久しかったのですが、その後高速道路整備、近郊電車網の整備のお蔭で前回訪問した 5年前には相当に渋滞が改善していました しかし しかし今回は空港から市内ホテルで学会場であるCentara Grand at Centraworldまで30Kmぐらいにも関わらず 2.5時間以上かかりました 大渋滞です また、とにかく見た目景気がすごく良い雰囲気であり、街を歩く人々も若く、これからますます発展するように見えました またこれまで以上に日本語が街に溢れ、色々な日本から進出した店やレストランもたくさん目に付きました

便利な電車網

街の中心には高架上を近郊電車が走っています これはとても便利な交通機関であり、このように渋滞がひどいと特に役立ちます まあ日本で言えば地下鉄ですが、日本の地下鉄ほどには路線が緻密ではありません

CIATはこれまで毎年開催されていたらしいのですが、これまでは一日限りであり、外国からは演者などを招聘されてこなかったということですが、今年から二日間の日程となり、また外国からも演者や術者を招聘するようになったとのことです 今年の目玉は Serruys先生でしょうか 日本からも僕の見た限り5名ぐらいの先生が招聘されていました

CIAT開催直前

そういう訳で今年は 9回目だそうです 僕は土曜日24日の Opening Ceremonyに引き続いて特別記念講演をしました 内容はTRIの発展と Distal Radial Approachについてでした

タイ料理は非常に辛いものがあることで有名ですが、ビーフンを用いた辛い麺はなかなか満足の行く辛さでした

辛い麺

バンコクの街は高層ビルが立ち並び経済発展が伺えます

バンコクの高層ビル街

そして日曜日 11月25日は 9:00AMにホテルロビーにお迎えの車が来て、そのまま ChulaLongKon病院に向かいました 僕が知っているこのタイ国随一の大学病院はまだ建て替え前のものであり、新しくなってからははじめての訪問でした カテ室は 6室あるそうです

僕に与えられた症例は 80歳のものすごく小柄な女性でした 数週間前に前壁の非貫通性急性心筋梗塞を起こし、左冠動脈前下行枝近位部に対して薬剤溶出性ステントが植え込まれました そしてこの時に右冠動脈中部で長い慢性完全閉塞が発見され、本日の標的病変はこれでした 事前に何の症例情報も無く、今朝初めてどのような症例であるかシネを見ました 右の経大腿動脈的冠動脈インターベンション + 右経橈骨動脈的インターベンションで両側 7Frで入ったのですが、左冠動脈にはガイディング・カテーテルの挿入が困難であり、かなりのきつい角度で何とか入りました

まずは順行性から開始したのですが、Gaia-3rdにより慢性完全閉塞部分を超えることができたのですが、ものすごく硬い病変でした そしてワイヤーはそのまま血管外に抜けました このため、左冠動脈からの逆行性アプローチを開始したのですが、狙った中隔枝はヘアピンカーブ状にLADより分岐し、その選択には高度なテクニックが必要でしたが、何とか突破しました 秒間0.1mmぐらいの回転を加えた押したりひいたりの操作により困難な屈曲を超えました これは本当に難しい高等テクニックです そしてようやく中隔枝を超え、ワイヤーは右冠動脈末梢から近位部向かって進みました ここでマイクロカテを進めるのですが、丁度中隔下縁の激しく収縮する部分が屈曲部にあたり、その部位の通過には Corsair-Proが必要だったのです この動きからひょっとしてこの部位で中隔枝の破裂が起こる可能性があると考えましたが、続行しました

そして順行性と逆行性を Gaia-3rdで組み合わせ、ようやく逆行性にワイヤーが順行性ガイディング・カテーテル内に挿入することができました 次の操作としては当然ながらガイディング・カテーテル内でのバルーン・アンカーであり、それを行うことにより逆行性に Corsairを順行性ガイディング・カテーテル内に持ち込めました しかし、順行性ガイディング・カテーテルがなかなか 右冠動脈に対してco-axialに入らず、この結果 Corsairはその先端部分のみがかろうじて順行性ガイディング・カテーテルに入ったのです

ここで、RG-3に置換するのはこのポジションを失うリスクがありましたが、新調に行い、これでもう勝利は確信したのですが、RG-3を逆行性に入れていく途中で抵抗を感じました そして全く進まなくなったのです、RG-3を透視で追うと、何と順行性ガイディング・カテーテル内部先端が折れ曲がりそこで進まなくなっているのです、そこで、このRG-3を道標として Corsairをもっといい位置、順行性ガイディング・カテーテル内に十分に進め、その位置で RG-3を抜去して新しいRG-3を導入しようとしたのですが、今度は RG-3が Corsairより抜去できないのです それで、Corsairごと左冠動脈まで抜去しようとしたのですが、何と逆行性ガイディング・カテーテルが左冠動脈内に引き込まれるのみで抜去できないのです これは大変です 実はここで中継が時間の関係で終了しました 聴衆の方々は一番重様な部分を見ることができなかったのです だって実に僕のカテ室の開始時刻は前の手技がずれ込んだため遅れに遅れ 11:00AM頃手技開始となったのです それで 12:00に shutdownですからそもそもが中継完了するのは無理です

結局色々やって何とか CorsaitをLAD内まで抜去することができ、そこで右冠動脈から造影したのですが、慢性完全閉塞通過部分には Corsair通過の道ができていましたが、十分に造影されませんでしたので、左冠動脈の造影をしたところ、やはり懸念していたように中隔下縁で中隔枝が破裂していて瘤状になり、その部分で右心系に交通していました そしてそこで、新たに順行性に既に Corsairで形成された道を通してワイヤーを順行性に右冠動脈末梢に通過することができました これでようやく終了できるか と思ったのですが、そこでLADより Corsairを抜去したところ、何とLAD近位部で完全閉塞となって、血圧も低下し心停止状態となりここで心臓マッサージ開始、エコーでは心タンポナーデは否定され、このLAD閉塞が原因の血行動態破綻と考えられました 僕としては何が原因であれ、LADに再度ワイヤーを順行性に通過させなければ何もできない、と考え、皆がバタバタ色々な処置をしてくださっているのを尻目にワイヤー手技を続けました 透視で良く見るとLAD近位部の以前植え込まれたステントがひしゃげているのが分かりました 結局、原因は左冠動脈ガイディング・カテーテルが引き込まれて奥に入り込み、この時にステントも損傷し、これによりLAD近位部で蓋されたものと考えられました またこの時点で逆行性 EBU3.0 7Frが左冠動脈主幹部を損傷したものと考えられたので、JL3.5に交換したのですが、この時誰も気づかなかったのですが 6Fr GCが出されたのです

そこからはワイヤリングの絶妙なテクニックを自分で引き出しました 口では表現できないのですが、とにかく絶妙なワイヤーに対する回転と押し引きなのですが、それを続けました とても成功するとは思えなかったのですが、突然ワイヤーがスーッとLAD末梢まで通過したのです そこから 1.0mm balloonが何とかステント近位部を通過し、拡張するとバースト、ついで 1.5mm -> 2.0mm -> 3.0mmとバルーンサイズを上げていき、何とかIVUSに持ち込みました IVUS解説は帝京大学の興野先生が詳しくして下さいましたが、明らかにステント近位部が血管壁に数ミリに渡り押しつぶされていたのです そこで新たに左冠動脈主幹部からLADにかけてステントを植え込もうとしたのですが、全く通過できませんでしたので、LCXをワイヤーで保護しながらGuidezillaを入れようとしたのですが、当然のことながら 6Fr GC内に側枝ワイヤーを入れた状態ではGuidezillaを入れることはできません 何回か入れようと試み、ようやく「あっ、これは 6Fr GCではないの」と気がついたのです

それで今度は右冠動脈に対してバルーンで拡張し、薬剤溶出性ステントを2個植え込み、右冠動脈の慢性完全閉塞開通部分を確保し、右橈骨動脈からの 7Fr AL1.0SHを抜去し、こちらから 7Fr JL3.5を左冠動脈に挿入し、ようやく Guidezillaの助けを借りて左冠動脈主幹部からLAD近位部に薬剤溶出性ステントを植え込み、これでようやく安定したのです 患者さんはこの間に気管内挿管したりしましたが、リカバーしました ものすごい症例でした

興野先生と
終了作業中

この手技が終了したのは 13:30頃になっていました 朝食も食べていなかったので、それからバンコクに来た時には必ず訪れている Seafood Marketに行き遅めの昼食を摂りました

Seafood Market

いやあ今回はものすごい体験をしました 今回の注意点としては、やはり体格が小さくガイディング・カテーテルの挿入困難な症例は合併症を起こしかねないので本当にPCIの適応であるか否か十分な検討が必要である、ということです そして、合併症に対しては術者として常に冷静に状況を判断し、最適な手段を講じるようにせねばならない、そのように改めて思いました

今現在 CDMX (メキシコシティー)

さて日曜日夕方成田空港発の ANAメキシコ直行便で飛び立ちました ここ数年かけて行っている JICAとの共同プログラムであるメキシコでのTRI普及活動を行うためです

このプログラムは実に 3年間に渡り開催してきたもので JICAと共にメキシコ保健省も参加する公式プログラムであり、これまでに多数のメキシコ人および一部の中南米からの循環器医師を育て、これらの国々でのTRI普及に役立ってきました 今回はこの三年間に渡るブログラムの終わりとなり、やはり僕自身が参加せねばならないものだったのです

メキシコ空港に到着し、ホテルに一旦入り、それから早めの記念夕食会が開催された日本メキシコ友好協会に 16:00までには入りました

日本メキシコ友好協会
日本庭園
平成天皇の 1964年植樹

ここには和食レストランがありますが、日本庭園が素晴らしく、1964年には現在の平成天皇が訪れ記念植樹が行われました

翌日月曜日(11/19)はメキシコ革命記念日でしたが、このプログラムは行われ、メキシコ国立循環器病センター (INC; イエネセと発音します)を舞台に行われました

イエネセ

この日は僕が術者として一例 10:30AM頃より慢性完全閉塞患者さんを治療しました

患者さんは 66歳の Class 3 – 4の重症狭心症の方であり、数年前に冠動脈バイパス手術 (LITA-LAD, SVG-RCA)が行われたのですが LITAは枯れ枝となり、SVGも閉塞していて、しかも左冠動脈前下行枝近位部慢性完全閉塞、右冠動脈近位部と左冠動脈回旋枝遠位部は bridge collateralを伴う慢性完全閉塞でした

今回の targetは左冠動脈前下行枝近位部の慢性完全閉塞でした これに対して、遠位橈骨動脈アプローチに果敢に挑戦しました 実際に触知すると細めの動脈であり穿刺は困難が予想されましたが、なんだか「これも運命 どうなると結果がついてくる」と割り切り、穿刺しました 何と一瞬で穿刺に成功し 6Fr sheathを留置したのです そしてPCIも一瞬で慢性完全閉塞を通過させ DES 3.0 x 33mmを植え込み奇麗な出来上がりとなり終了しました これで患者さんはとてもお元気になられるでしょう

PCI成功して

その後講義を行い、このプロジェクト参加者が集まり記念写真を撮ったのです

記念写真

そして14:00より「うかい亭」でラーメンを食べました

うかい亭
辛味噌ラーメン

本日はこれからプロジェクト閉会式がありそれに参加します

昨日は東京西病院での院内ライブ

昨日は久しぶりに東京西病院をPCI手技のために訪問しました この病院では 堂前くんが皆を引っ張っておられ、僕も何回か訪れたことがあります とても頑張って来られたのです

前回PCIのために訪問したのは何と 2012/DEC/27でした もう既に6年間経過しているのですね 時の流れに驚きました

カテ室には近郊のインタベの先生方が数名来られ、足利先生に imagingの解説をして頂きながら手技を行わせて頂きました

開始は 14:00過ぎからでしたが、 18:00に終了し、その後 立川駅周辺で会食いたしました 結局自宅帰宅は 12:00 midnightとなり、疲れました

東京西病院には新しい Siemensの Hybrid Systemが導入されたのですが、部屋も広く、マシンのレイアウトも素晴らしく、もちろん画像そのものも奇麗で驚きました この部屋で早くTAVIなどの治療が開始できるようになれば良いですね

やっぱり自分は TAVIlistというよりもAngioplasterかな

なんと自分自身は 1981年に初めて PCIを行ったのです ということは既に37年間もPCIをしてきた、ということになりますね そして、TAVIに関しては 2012年に自分自身の第一例を治療した、ということになります

結果的に経験年数や治療した患者さんの数に関しては圧倒的にPCIが凌駕していることになります PCIと言っても色々とありますよね これまで自分自身が promoteしてきた分野としては、

  1. 急性心筋梗塞 (AMI)に対する Primary Stent Implantation – これに関しては JACCに論文出していますね
  2. 慢性完全閉塞 (CTO)に対するPCI – これに関しても幾つかの英文論文出していますね
  3. 経橈骨動脈的インターベンション (TRI) – これに関しても幾つかの英文論文出していますね

というのが主な分野でしょうか また最近は 分岐部病変 (bifurcation)に対するステント植え込みで英文論文出していますね

まあ、数はそれなりに論文出してきましたが、そろそろ打ち止めでしょうか あとは若い人にやってもらいたいな それでも自分には自分を頼り来られる患者さんがまだたくさんおられます それはとても名誉なことで嬉しく、やり甲斐のある事なのですが正直の話 年齢と共に自分の精神力や体力が弱ってきているのを感じるのです でも頑張らねばなりませんし、一旦ひいてしまえば、そのままズルズルと後ろに下がるだけですもんね

そんな中で今週は昨日月曜日には実はとても忙しく 夕方公的な用事で母校大阪大学医学部の銀杏会館という場所 これは吹田市ですが、ここに赴かねばならなかったのです しかも午前中数は制限しましたが外来診療があったのです そこにもうこれは triple bookingですが、新しい薬剤溶出性ステント (DES)の治験を開始したのです 新たな薬剤溶出性ステント治験に関しては、責任が思いですのでなるべく僕自身で植え込みを当初行うようにしてきました 今回もそうなのです それで外来診療しながら 5例の治療を行い、そのまま大阪に向かったのです

用事を済ませて鎌倉に戻ったのはもう 23:00でした 流石に疲れます

そして本日は TAVI + MitraClipです いやいやそれだけでなく 昨日より開始した薬剤溶出性ステント治験をさらに三例行ったのですよ こうなると自分は一体 Angioplaster (PCIを専門に行う医師)なのか TAVIlist (TAVIなどの弁膜症などのカテーテル治療を本文に行う医師)なのか訳が分かりませんね でもとっても嬉しいことがありました 先日僕が治療させて頂いた患者さんからのメールでした このようにお礼の言葉をいただくと、老体に鞭打ち、疲れ、時間の無い中で頑張って治療させて頂いた苦労が報われますね ありがとうございます

昨日は金沢循環器病院PCI 10,000例記念ライブデモンストレーションおよび祝賀会

昨日 11月02日は朝から羽田発の小松空港行きの ANA便で金沢に飛びました 飛行機はビジネス・マンで満席でした 途中日本アルプスを横切るのですが、快晴のため美しいアルプスの山々を見ることができました

記念の署名

昼に蕎麦を食べ、 14:00より一例 右冠動脈と左回旋枝の二枝慢性完全閉塞の症例のPCIを行わせて頂きました その模様は院内の会議室にライブ中継され、その様子を NHK金沢がテレビカメラで取材に来ていました

NHK中継カメラ

前日に症例の CDを見て、「これはものすごく難しい」と思いました 両方の冠動脈に対して既にPCIが試みられていたのですが、不成功に終わっていたのです それにその間の数年の中で心機能悪化し、解剖学的にはもっと困難になっていたのです 昨日の造影で左回旋枝のCTOはまず不可能 (間に CYPHERが植え込まれ、その前後で double CTO)と判断し、少しでも可能性のある右冠動脈に対して中隔枝経由の retrogradeで入りました なかなか目標とする中隔枝を選択できず、ようやくのことで選択でき、Corsairを中隔枝の中に挿入したのですが、その中隔枝は hair-pin curveを描いて #PDに対して遠位に向かって合流していたのです 以前のシネではそのような所見は無く素直に合流していたのですが、これは心臓の expansionによる解剖学的変位のためだと思います 何れにしても Sion/Sion-Blue/Sion-Black/XTRなどでは全く #PD近位に向けてワイヤーを進めることはできなかったのです SUOH-03は無かったので試すことはできませんでしたが、おそらく SUOH-03でも不可能だったでしょう こういう時に僕はしばしば Ultimate-Bross 3 (UB3)を用いるのですが、もちろん肝心の部分で硬いワイヤー先端による解離を引き起こしその時点で不可能・不成功になる危険性はあるのですが、そこはものすごい慎重で大胆なワイヤー操作でなんとか乗り切るのです そして昨日もそれを行いましたが、それが功を奏してワイヤーは右冠動脈近位部に向かって進めることができました このワイヤー操作が昨日のテクニックのキモでした

その後、CART/Reverse-CARTを行いようやくのことで順行性にワイヤーを #PD真腔に導入でき、最終的に 3.0 x 38mm + 3.5 x 38mmと二本のDESを植え込み成功裏に終了しました

そしてその開通した右冠動脈よりの造影で左回旋枝のCTOに対する可能性を検討したのですが、先に書いたように double CTOで collateralも poorですので、成功する可能性は限りなくゼロに近い、という判断でその時点で終了しました 使用造影剤量 < 300ml, 被曝線量 2Gyであり患者さんに対して悪影響をもたらすことなく成功したと思います これで少しでも心機能改善すれば良いと思います

うまく行きました

このライブの後ホテルに入り 18:00より講演を行い、夜は「太平寿し」で食事をしました

金沢循環器病院PCI10,000例記念

金沢市から飛び地となっている野々市町にある「太平寿し」はとても有名で、その大将は石川県寿司協会会長をされていたのですが、今年春先に残念ながら亡くなられたのです その後はお弟子さんが立派に継がれていました

寂しい そして 前に向かって

とてもとても寂しいのです 何故かと言えば、あの行きつけの安らぎの場所「ブックスペース栄和堂」がこの 10月26日より閉店するのです

僕にはこの安らぎのスペースで MacBook Proをひろげて コーヒーとサンドイッチを食べながら Web系のプログラムを書くのが開放された時間だったのです 電源は完備され、また Wi-Fiも飛んでいて しかも雑踏がなく静かに時間を過ごし、色々なことに思いを馳せることができました

最後に先日の日曜日 10/21に訪れました 初めて開店前の 12:00少し前に店に入り、そこから 4.5時間時間を過ごしました 「きっと最後だからたくさんのお客さんで一杯だろう」と思っていたのですが意外にも僕をその 4時間あまりの時間帯には僕を含めて 10名未満のお客さんしかいませんでした

でもお陰様で http://www.kamakuralive.net/ のプログラムはずいぶんと改良され洗練された趣になった(と、勝手に自画自賛している)のです

そして昨日 10月 22日は Chicagoより Tony先生をお招きし、CTO (慢性完全閉塞)に対する経皮的冠動脈インターベンションを合計 4例 + 通常PCI 1例したのです 正直自分の経皮的冠動脈インターベンション体力が以前より絞られてきていますのでCTOを 4例立て続けに治療するのはとても辛いのです

それでも昨日は違いましたねえ 往年の最盛期の僕が戻りましたねえ ワイヤー選択、戦略全てがバッチリでしたし、何より微妙で大胆なテクニックも健在でした

一例が Tonyより proctoringされた ADR (Antegrade Dissection Re-entry; 経順行性乖離腔再疎通)テクニックに関しては正直「邪道」と思っていましたが、実際にやってみるとなかなか面白いし、そのテクニックの中に色々な Tipsがあると感じました

何れにしても新しいことを取り入れようという自分自身の姿勢には我ながら感心しましたよ これが前に向かって ということでした

久方ぶりのPCI

昨日は午前中鎌倉で外来診療 結構色々な問題を抱えた患者さんが新患として多く受診されましたので、時間がかかりました 急いで自宅まで自転車で一旦戻り、そこから羽田空港に

そして 16:00羽田発の千歳行きに搭乗し、札幌東徳洲会病院に到着したのは 18:30 そこから打ち合わせし、それから予定的なPCIを一例行いました うーんひょっとして 9/12にヘルシンキ大学附属病院で慢性完全閉塞二例を治療して以来ではないでしょうか

患者さんは重症大動脈弁狭窄症の患者さんで実は来週TAVIを予定していますが、その術前検査で何と左冠動脈前下行枝近位部、左冠動脈回旋枝中程でどん詰まりの慢性完全閉塞だったのです 奇跡的にも右冠動脈から微かな蛇行の激しい心外膜経由の副血行があり、そこから左冠動脈前下行枝や左冠動脈回旋枝が血液供給されているのです これってすごい重症ですよね

昨日は 18:45頃いや 19:00でしょうか その頃より開始しました 流石に両側経大腿動脈的インターベンション 7Frで入りましたよ 最初狙った右冠動脈から左冠動脈回旋枝の逆行性アプローチは途中でコイル状に蛇行した部分で不通過、次にもう一本の副血行路を狙い、ここから逆行性アプローチに成功し、左冠動脈回旋枝に一個 2.75mm薬剤溶出性ステント植え込みました そしてそのまま右冠動脈からのかすかな中隔枝経由の左冠動脈前下行枝への逆行性を狙ったのですが、蛇行が強く全く不可能でしたため最後に順行性をトライしました UB3 -> Gaia Next 3とパッパッとワイヤーを切り替え、何と順行性に長い慢性完全閉塞を通過したのです そしてこちらには 38mm 薬剤溶出性ステントを植え込んで結局冠動脈は悪い部分が無くなってしまいました

しかも 20:30よりも前に終了し、造影剤も 150mlぐらいしか使用しませんでした いやあ 久しぶりに慢性完全閉塞の治療すると少し high tensionになりますねえ やっぱり僕はインタベ医者ですね

ヘルシンキ大学附属病院での慢性完全閉塞治療

9/11には Londonを Fin Airで出発し、Finlandの首都 Helsinkiに飛びました ここでは森山くんがお世話なっている Mika教授にご挨拶するためと、慢性完全閉塞に対するPCIのデモを行うための訪問でした

Finlandの訪問は2.5年前 北の方の Ouluを舞台に行ったのですが、今回は初めて首都Helsinkiに乗り込んだことになります

病院は疾患群により建物が分かれ、循環器関連建物も巨大です

ヘルシンキ大学附属病院建物群
循環器専門建物

到着したのは既に夕方でしたので、その日は「古都」という和風居酒屋と、その後「momo toko」という日本ラーメン屋さんに行きました momo tokoの辛味噌ベジタリアン・ラーメンはものすごく美味しいです 今まで食べたラーメンの中でも上位にランクして良いものでした

和風居酒屋「古都」
和風居酒屋「古都」の巻きずし
ラーメン momo toko
momo tokoの辛味ベジタリアンラーメン

さて翌日 12日には朝から Mika教授を訪れました 慢性完全閉塞が二例用意されていて、スタートしました いやあ難しかったですねえ 患者さんは 確か77歳の男性で、慢性閉塞性肺疾患がひどく冠動脈バイパス手術はとてもできない患者さんでした 糖尿病もひどく、慢性腎臓病もひどい、さらにはまた左冠動脈主幹部分岐部に強い狭窄があり、右冠動脈が慢性完全閉塞でした 左冠動脈前下行枝、左冠動脈主幹部そして右冠動脈は強い石灰化を示していました

まずは左冠動脈主幹部をステント植え込みし治療し、とりあえず安全性を確保しました それからレトロで右冠動脈に対して入り、順行性も追加 当然のことながら両方向のワイヤーは解離腔を進み、互いに会いません 何とか硬いワイヤーで順行性にどうやら慢性完全閉塞遠位の真腔に到達 しかし、ワイヤーは完全線維性組織にトラップされワイヤリングが満足にできません

逆行性にアンカーかけたり色々するのですが、全くバルーンは通過できません 最後の手段として、マイクロカテーテルをぎりぎりまで挿入し、そこで思い切って Rotawire Extrasupportに交換し、何とか 10CMぐらいそれを通過させることができました そして 1.25mm burrでロータブレーターをしたところ、ようやくディバイスが通過でき後は結局合計5個の薬剤溶出性ステントを植え込み終了しました

この手技には三時間かかりました

次の症例も右冠動脈の慢性完全閉塞であり閉塞長さはとても長く冠動脈バイパス手術後であり、左冠動脈前下行枝にも他の枝にもバイパスがつながっていました

この症例は、閉塞していた右心室枝を開通させそこに薬剤溶出性ステントを植え込んで終了したのです

まあうまいこと慢性完全閉塞の治療できて良かったです 再び「神が降臨した」感じでしたね

Mika教授、森山くんと

これからもこの Finlandとの継がりが増えそうです

そうそう本日 9/13には朝から非常に重症な valve interventionがありました 比較的若い人で大動脈弁位と僧帽弁位に生体弁置換が二年前に行われたのですが、両方共すぐに再狭窄し、僧帽弁は何と 50mmHgの圧較差という重症の方です これに対して心尖部アプローチで両方の再狭窄弁に対して S3が植え込まれ、非常に状態良く終了しました ものすごいものを見ました

さあこれから出動

実は 9月08日土曜日 1:55AM羽田発の JAL便で London Heathlaw空港に飛びました この飛行機は同じ土曜日の 6:30AM頃 ロンドンに到着、それから Hotel Aloftに early check-inしました

そして、 13:30 – 18:00 皆が集まり、PCR TokyoValves 2019の本格的なプログラム策定作業に入ったのです

この後、EuroPCR London Valvesの会合とかこなし、夕食を食べれたのは 20:00過ぎからでした

そして、昨日日曜日には PCR LondonValves 2018が午後からいよいよ始まり、僕は夕方またその準備の Preparatory meetingに参加、そして本日月曜日10日は 8:15AM集合 8:30AMより Opening Ceremonyのため壇上に、

そして、 8:45AM – 9:45AM スイスの Bernからの非常に重症な僧帽弁閉鎖不全に対する経皮的僧帽弁接合不全修復システム (MitraClip)のライブでのコメンテーターとして壇上に、

そして午後は今度はアルゼンチン、日本、中国その他の国々からの主として症例報告発表での Fascilitatorの役割があります

明日、11日火曜日には Londonから Finland Helsinkiに飛びます して、水曜日には Helsinki大学附属病院で CTOに Workshopがあり、二例の慢性完全閉塞症例治療をするのです

うーん時間がどんどん過ぎていく

HorliX日本国内実質的な第一号ユーザーとして – (1)

さてこのプエルトリコではひどいひどい時差ポケの中頑張りましたよっ そう言えば知らなかったのですが、Puerto Ricoというのは人口 350万人ぐらいのカリブ海に浮かぶ孤立した島ですが、このあたりはスペイン人がたくさん攻め込んできたのでしょうね 全てがスペイン語です でも歴史の中でアメリカ合衆国が攻め込み、今はアメリカ合衆国の一部なのです それで人々のパスポートは正式な米国パスポートです でもね、アメリカ50州の中には未だ加盟が許されず、従ってアメリカ合衆国の選挙権が無いので、この前の大統領選挙も全く無関係だったらしいですよ

まあそれは不満でしょうが、合衆国は税制優遇作を適用し、それでこの大した産業が無い島が成り立っているそうです 主な産業は「観光」であり、観光の対象は米国本土の人々らしいのです でも、去年の秋 2017年9月に襲ってきたカテゴリー5の超大型ハリケーン「イルマ」のために壊滅的被害を受け、数千名の命も失われたようです このため、観光施設もやられ、また未だに電力の供給も完璧なものではなく、街は一部を除けば信号機も消え、暗くなっています

何より大きなことは、これを契機にアメリカ本土からの観光客が激減し、大きな観光被害となっているのだそうです 実際僕が接触したプエルトリコの人々は皆流暢な、少なくとも僕のたどたどしい英語が恥ずかしくなるぐらいの素晴らしい英語も喋られます それでも本土の人々はプエルトリコでなく、今は他のカリブ海島国やメキシコの観光地を訪れているようですね

そうそう医療産業はこの中で優遇処置を受けており、各社の工場がたくさんあるようです これも被害を被ったようです 早く経済が回復すると良いですね もっとも僕が宿泊した San Juan Sheraton Puerto Rico Hotel & Casinoではとても景気良いように見受けられましたので実態は分かりません

さて、木曜日にはとっても難しい慢性完全閉塞に成功し、先方のとてもやる気のあり、意欲のある若手の先生 年齢は 45歳ぐらいかな? Dr. Damian Gravas Abad先生は僕に熱心にガイドワイヤー選択のアルゴリズムを問いかけてきて、それに回答したりしました そして、夜は Seafood Restautantに行きましたよね

Dr. Grovas
カテ室

この病院 Cardiovascular Centerは随分早期に JCI認定を取得している病院です 鎌倉が取得したのは 確か 2010年だったと思いますが、それよりもずっと昔に取得です すごいですね

JCI認証

金曜日には、冠動脈バイパス手術術後患者さんでとても長い病歴の男性患者さんが用意されていました CCS class 2以上の労作性狭心症であり、彼が数ヶ月前にトライされたのです 左内胸動脈が左冠動脈前下行枝につながっているのですが、右冠動脈も左回旋枝も慢性完全閉塞であり、しかもその上に蓋をするように石灰化した左主幹部も慢性完全閉塞なのです それでバリバリの狭心症なのです 彼のシネを見たのですが、順行性、内胸動脈経由の逆行性を右冠動脈にも左回旋枝にも試み、都合5時間費やし、結局あきらめたそうです シネを見て僕は、「これは無理だ」と思いました そして彼にもそのように進言したのです でも患者さんの強い希望もありトライして欲しいと言われ、結局行いました しかし、1時間ぐらい色々試みましたがやはり「これは無理」と宣言し中止しました 患者さんに対しての悪影響はありません 結局この日は他の患者さんたちは、キャンセルとなったり、そもそも慢性完全閉塞が無かったりで、これで手技を終了し、自由時間となったのです

あっとこの後 HorliXについて記載する予定なのですが、そろそろマジで出発準備せねばなりません また後で