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心臓病の治療について
心臓の治療
  虚血性心疾患に対するカテーテル治療 (PCI: Percutaneous Coronary Intervention)
  ニュー・ディバィス治療
はじめに
風船療法には主に三つの欠点があることが分かっています。この欠点を解決する試みが1980年の終わり頃から考えられてきました。この努力の結果、単なる風船ではない色々な新しい治療器具が開発されました。これらをニュー・ディバイス(New Devclasses : 新しい器具)と呼びます。

冠動脈内ステント
メッシュ、またはコイル形状の円筒の金属でPTCAのバルーン表面に固定されています。通常のPTCAと同様にステントを乗せたバルーンを病変部で拡張させ、ステントのみを永久的に留置してしまいます。術後早期の合併症および慢性期の再狭窄の発生予防として有効です。
現在ではもっとも普及している治療器具です。冠動脈内ステントは1986年にはじめて患者さんに用いられましたが、世界的に大きく普及してきたのは1991年頃からです。日本でも1993年に正式に認可されました。ステントは主としてステンレスで作られた網状の筒です。これを風船で拡張した後に血管内に植え込みます。これはちょうどトンネルを掘った後に中から梁により支えるのと同じです。一度植え込んだステントは一生、体に残ったままです。

ステントの登場により急性冠閉塞による危険性は大幅に低下しました。また、再狭窄も半分程度に減少しました。これらの効果により1998年には全世界で100万個以上のステントが用いられたとされ、それ以降も年々多くのステントが実際の治療に用いられています。

ステントにも欠点があります。ステントは金属ですのでそこに血液が固まりステント血栓閉塞症という怖い合併症を起こすこともあります。これを予防するために、ステントが薄皮(新生内膜)で覆われるまでの4週間は血小板凝集能を抑制するアスピリンとパナルジン(もしくはシロスタゾール)を服用して頂きます。

また、ステントは再狭窄の予防に対して非常に有効ですが絶対ではありません。

最近ではステンレスの成分であるニッケルに対する金属アレルギーのある人ではステント内再狭窄の発生率が高い可能性がある、という指摘がイギリスの学術論文で発表されました。このため、金属製の時計バンドなどにアレルギーをもたれている方は、事前に医師に申し出て下さい。

方向性冠動脈内プラーク切除術
(DCA : Directional Coronary Atherectomy)
PTCAがバルーンでアテローマを押しつぶすのと異なり、高速回転するカッターを内蔵するカテーテルで、アテローマ自体を削り取ってしまう方法。PTCAよりも大きな内腔が得られる。
動脈硬化のプラークを切除してそれを体外に取り除くことにより、狭くなった冠動脈を拡げます。病変が一方向に偏っている場合、あるいは冠動脈の入り口(入口部)に病変がある場合などに対しては非常に有効です。

欠点としては治療器具が非常に太いために、それを通す太い管を血管内に入れる必要があります。しかし、最近より細い器具も開発され、今後適応が拡大していくと思われます。

ロータブレーター
1分間に約20万回転という超高速で回転するカテーテルで、先端はダイヤモンドチップで被われている。石灰化した非常に硬いアテローマで、バルーンでは拡張できない病変をヤスリの原理で削り取ってしまう方法。
動脈硬化病変の一部は多量のカルシウムが沈着した石灰化病変になることがあります。カルシウム沈着がひどいと、動脈といえども石のように硬くなり、風船などでも拡げることができなくなります。このような場合、先端に多数のダイアモンドのかけらがついたロータブレーターが有効です。ちょうど歯医者さんのドリルのようにダイアモンドのついた金属を高速(一分間に20万回転程度)で回転させることにより、石のようになった石灰沈着病変を削っていきます。削られた病変は赤血球よりも細かくなるので、冠動脈から流れてしまい、体外に排出されてしまいます。

日本においては、ロータブレーターを行える病院には一定の資格が必要であり、神奈川県下にも数病院しかありません。もちろん、当院はロータブレーターを行うことのできる病院であり、神奈川県下で一番用いている施設です。

その他
・エキシマ・レーザー
・TEC
・RESCUE

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