今 Palais de Congres

小倉記念病院でライブ治療行い、鎌倉には最速で 15:30には戻っていました 鎌倉の患者さんにご挨拶し、それから一旦自宅に戻りました

そして21:30に鎌倉の自宅出発し、5/18 0:30AM頃出発の ANA Frankfurt便で移動したのです 機内では4時間ぐらいは眠れました 自分としてはものすごくたくさん寝れた、そんな印象です そしてLuthansa Paris便に乗り換え、10:00AM過ぎにPalais de Congres内の会議室に到着しました

今週は EuroPCRが開催されますが、それは火曜日からなのです それにもかかわらず日曜日朝に現地到着したのは、PCR TokyoValves 2020に向けての Course Co-Directors’ meetingが10:00より開催されたからです 今午前の話し合いを終え、昼食を会場内で食べ、ようやくインターネットに繋がりブログに記録しているところです 本日はこれから15:00まで話し合いがあり、その後 17:00-17:30 皆で写真を撮るそうです その後は開放されそうです やはり老体にはきついですね

まあPCI、TAVIあるいはMitraClipしている時には疲れを見せないのですが・・・

CTO Week 2019での衝撃

これまで 1991年12月 未だ天安門事件の影が色濃く残り人々はほとんど全員が濃い緑色の人民服を着ていた頃、北京医科大学医学部、阜外中華人民共和国国家心臓病センターそして安貞首都医学院心臓病センターの3つのカテ室をPCI指導で訪れて以来この28年間の間に都合 100回以上中国各地を訪問してきました その過程で訪れたカテ室の数は数え切れません

そんな僕でしたが、最近はめっきり中国を訪れなくなり、最後に北京を訪問したのは 2017/03/31-04/01の CITの時でした 何と2年間以上北京を訪問してこなかったのです

さて思えば僕の訪問空白期間にこの CTO Weekという画期的なプログラムが開始されたのですね 今年第三回となる CTO Week 2019は 4/22からの一週間開催されたようです もっとも僕は正式のプログラム持っていませんので間違いもあるかも知れません そのコンセプトですが、この一週間 四つと聞きましたが、(1) その四つの病院でPCIは主として慢性完全閉塞しか行わない、(2) そしてその治療の全体をライブデモンストレーション映像として公開する、(3) 映像経費を節減するために、中継はインターネットで行い、映像中継にお金をかけない、そして(4) その映像はインターネットの public URLで誰でも見れるように公開する そのようなものと理解しました

今年はなのか何時もなのかは知りませんが、少なくとも北京の安貞病院、上海の中山病院、そしてNew York Colombia University Hospitalそしてヨーロッパのどこかの病院からライブデモンストレーションが中継されたようです

僕は今回行きなれた安貞病院より前下行枝近位部の慢性完全閉塞症例に対するPCIがアサインされました シネを見るのはライブデモンストレーション放映直前です 55歳くらいの若い方で、RCAの急性冠症候群によりPCIを2ヶ月前に受けられ、前下行枝の慢性完全閉塞はこの日のために置かれていたのです 大きな対角枝分岐部からの何のとっかかりも無い慢性完全閉塞であり、石灰化も著明でした 比較的良好な副血行が心尖部の心外膜を走るルートで発達していましたが、とても蛇行がひどく狙えないと判断されました 中隔枝のルートはほとんど無く絶望的でした

もちろん両側アプローチで入りました、順行性は石灰化強くIVUSを対角枝にいれて引き抜いても入口部の痕跡すら掴めませんでしたので早々に諦めました ついで、RCAからの中隔枝経由を可能性がゼロではない三本ほど試したのですが全く駄目でした この時点で絶望的になったのですが、それでも二時間ぐらい続け、そして最終的に Give Upしたのです 途中では epicardial apical collateralを出している #4AVをバルーンで閉塞し、中隔枝ルートの発達に期待したのですがそれも動作しませんでした

Dr. Linghua Liu 彼は1991年からの生徒の一人です
北京安貞病院

中国先生方は皆僕に会うと、「ありがとう色々なことこれまでに教えてくれて そして今回はうまく行かなかったけれど すごく勉强になった」と感謝の言葉を投げかけてこられました

あいにくとこの日々は例の「一帯一路」国際会議が開催されていて、全世界数十カ国から政府・財界要人が一同に集まり、北京市内はものすごい警戒態勢下でした ホテルの道路を部屋から見ると丁度どこかの国の要人が出発するところで、道路は完全閉鎖されていました

完全封鎖された道路

ライブデモンストレーション手技を不成功裏に終了した後、軽食とりに餃子屋さんに行きましたが、高級な店でした 驚いたことには店内には調理場を常時公開しているテレビ画面があり、不正な調理をしないかなど誰でも監視できるようになっていました すごいですね

調理場公開映像
調理場公開映像

今回の訪問で衝撃を受けたことについてまとめました

  1. おそらくは5G Networkを使用していると思われる高速なインターネット網が既に少なくとも北京市内には構築されている
  2. 慢性完全閉塞手技を公開の下でどんどん積極的に行っている中国がある 日本は遅れをとっている
  3. かつての不正で不衛生なレストランが急速に変貌している
  4. 個人情報保護という点では難点があるが、それも過渡期なのか? そうこうしている内に日本のガチガチの規制が日本という国家を最低レベルにしてしまうのではないのか?
  5. 総じていつの間にか中国に追い越されてしまったのか? いやまだまだ頑張るのだ

こんなことでしょうか

まったく駄目な自分

もう嫌になってしまう 貫徹するのが苦手な自分に嫌になってしまう 明らかに若い頃と比べると何かに一心に向かって進む強い気持力が低下している すぐにあっち あるいは こっちと目移りしてしまう

もちろん、医師としての自分の、いやこれで医師なのだろうか? 今どこかの現場、あるいは疫病が蔓延する地域に放り込まれた時、あるいはそこまでではなくて通常の日常診療に放り込まれた時、そんな時自分は医師として何らかの善を成し得るのだろうか? 既に医師 –> 内科医 –> 循環器内科医 –> インターベンション専門医 –> 経カテーテル的大動脈弁植え込み術・経皮的僧帽弁接合不全修復システム (MitraClip)・慢性完全閉塞・経橈骨動脈的冠動脈インターベンション専門医 としてどんどん分化し、専門バカになっている自分に汎用的な場面で何か医師としてできるものがあるのだろうか? いや翻って考えれば、そんな風に脱分化して行くことが、本当に正しいのだろうか?

そんなことを考えてしまう 何故そのようなことに至ったか? 数週間前、純粋関数型言語 Haskellに踏み込み、分からないながらもテストプログラムで練習繰り返していた自分がいました しかし、その後 Angularに目移りし、テスト練習プログラムを勉強し、Kindle本も何冊も途中まで読んでいた自分がいました

それが今朝 6:30AM 出勤途中、いつもPodCastで医学のこと、プログラミングのこと、素粒子のこと、相対性理論のこと、それらを耳学問で聞きながら歩いて 30 – 40分 その間それなりに勉強しながら出勤するのですが、AMP (Accelerated Mobile Pages)に心を動かされたのです でも新たな勉強が必要だし、ましてや自分にそんな能力あるのか否か? まったく自信がありません そもそも自分は何をしたいのだろうか? 一昨日も馬鹿なことしました

一昨日札幌から羽田に夜到着し、仕事の打ち合わせで大森蒲田の昭和の雰囲気が色濃く残る横丁の寿司屋さんに入りました カウンターのみ 6名しか入れない寿司屋さんです 若い大将は寿司に命を賭けている そんな雰囲気がありありです そこでおいしい寿司を食べ、日本酒を飲みました 隣にはご主人がスウェーデン出身、奥様は日本人の蒲田在住10数年のご夫婦が座っておられました その後何となく意気投合したのです。

スウェーデンと言えば三菱重工業に相当する世界的大企業 SAABで有名ですが、この歴史的な王国は独自の文化に色づいています

スウェーデン王国王宮の衛兵交代式

そうPCIの分野では SCAAR Registry
(Swedish Coronary Angiography and Angioplasty Registry)

が有名ですよね もうかれこれ10年ぐらい前(正確には2007/11/25 – /28)に自分でストックホルムの大学病院で治療した慢性完全閉塞患者さん二例がこの SCAR registryに登録されましたね

ストックホルムでの慢性完全閉塞治療
講義をしています
立派に手技していますね
十分に討論しながらの手技教育

さて、もう一つ有名なことはもちろんノーベル賞ですよね でも、それよりも僕にとっては心に残っているのが、有名な小説より起こしたシリーズ映画である「ドラゴン・タトゥーの女」シリーズなのです この映画の独特の「ああスウェーデンという国はこのようなところなんだな」と思わせる雰囲気あるいは文化、すごく印象深い映画です。そして偶然なことに今週ダラスからロスに乗り継ぎで帰国する途中の American Airlineでこの映画の四作目である「蜘蛛の巣を払う女」が、飛行機の中でやっていて運良くそれを見ることができました。すごく印象深い映画でしたよ。

さて、その蒲田の寿司屋さんで出会ったお二人ですが、ご主人は英語と(もちろん)スウェーデン語しか話せられないのですが、僕はついついこれらの映画について話しました。やはりスウェーデンの方にとってもこれらの映画シリーズは有名であり誇りでもあるようでした。でもまだ「蜘蛛の巣を払う女」は見られていませんでした。いやあどこでどんなつながりがあるかわからないですね。色々な知識を絶えず蓄えるのはとても重要ですよね。

そうそう何で駄目な自分か? それはすっかり意気投合してお酒をたくさん飲み、その帰りに iPhoneを紛失したことなのです でも、今日の午後戻ってくる予定です いんあ、世の中まんざらでもありませんね。

二泊三日のダラス

日曜日朝の羽田発ANA便でシカゴに飛び、2時間の transitの後、Dallas Fort Worth Airportに飛びました この巨大空港に来るのは10年以上ぶりだと思います 昔は ACCとか AHAとかの発表で良く訪れていたのですが・・・

今回は月曜日から一日半で会議があり、そのために訪れました 日曜日ホテルに到着したのは日曜日の 14:00頃でした 時差ぼけで眠くて眠くて 1時間ぐらい寝ました そして夕食は居酒屋/ラーメン屋さんを探しました そして行き着いたのは この wabi houseというものでした 広めの室内、そして歩道にまではみ出した部分にはお客さんで一杯で比較的若いアメリカ人ばかりで日本人らしい人は目に付きませんでした 辛味噌ラーメンはなかなかの味でした 本当にアメリカのラーメンは進化しています

wabi house
辛味噌ラーメン

バングラデシュでの慢性完全閉塞ライブ

2月07日木曜日  激しく雪が降る札幌より飛行機に搭乗できるように急いで鎌倉に戻りました そして 08日金曜日は朝自宅を出発し、成田空港に向かったのです

そしてその次が2年後の 2017年2月09日のことでした この時の結構テロ直後で緊迫した様子はここでご覧頂けます

今回も BIT (Bangla Interventional Therapeutics)という学会・ライブがありそれに今回で三回目の招聘をされたからです 最初に招聘されたのは 2015年2月05日のことでした この時はテロの危険がありとても危ないエリアなので渡航自粛勧告が出ていた時です この時の様子はブログに upしていますので御覧ください

さてこの学会は今年で第9回目でありますが、本格的な学会になったのは 2015年からであり、それからインドのカルカッタと交互に毎年行われているのですが、ライブを行う本格的なものは 2015年、2017年そして今年とこれで三回目となります 何れも僕一人がライブ術者として招聘され、他の欧米やアジアからの招聘者は何れもコメンテーターや講演者としての参加です

講演

今回の目玉招聘者は前回に引き続いて Gary Mintz先生(USA)、Upendra Kaul先生(インド)、Angela Hoye先生(UK)そして僕でした

さて、今回も前二回と同じく United Hospitalのカテ室から衛星中継で学会場である Radisson Blu Dahka Hotelにライブが飛ばされました 衛星中継であり、予算的なこともあり放映時間は 14:00から15:00までの一時間きっちりと厳格に規定されていました

当日Rahman先生より頂いた情報では 48歳の労作性狭心症の患者さんで、左冠動脈回旋枝に二箇所 90%の狭窄を認め、メインの病変は右冠動脈midの慢性完全閉塞でした bridge collateralがあり左冠動脈よりの側副血行造影は認められませんでした よくあるタイプで右冠動脈の mid part丁度蛇行する部分の慢性完全閉塞であり、しばしば簡単に側枝に行くか、あるいは宣通してしまうタイプです 「これは難しいぞ」というのがシネを見ての印象でした

さて中継準備をされているのですが、なかなか手技に入りません 結局僕が手袋はめて清潔になったのは 13:45を回っていました 「これは大丈夫か? 時間があるか」と少し急ぎました 右経橈骨動脈的冠動脈インターベンションで入り、7Fr EBU3.5を左冠動脈にすばやく挿入し、放映開始前に Runthroughを左冠動脈回旋枝に通過させ、前拡張の後、薬剤溶出性ステントを二個植え込みました IVUSで確認しましたが良好であり、その頃放映がスタートしたのです

ライブデモンストレーション

案の定右冠動脈の慢性完全閉塞ではまずガイドカテを固定するために、慢性完全閉塞直前の RV branchに 2mm balloonを置いてアンカーとすることにしたのですが、NC balloonしかなく、蛇行した RV branchでアンカーのために拡張すると自然に右冠動脈近位本幹に抜けてしまいアンカーとはなりません それでも順行性に XTA -> Gaia-3と進めましたが、ガイドワイヤーは簡単に側枝に向かい全く話になりません 慢性完全閉塞の近位部はカチカチでした

「さあこれは時間切れかな? バングラデシュでの歴史的に三回しかこれまで行われていないライブデモンストレーションにおいて、過去二回成功した慢性完全閉塞の歴史もこれで終わるか」とも考えましたが、術者としては続ける以外ありません

最後に Conquest-Pro 30gを出して順行性に狙いました これが走行してガイドワイヤーは慢性完全閉塞を抜け遠位の真腔に到達したのです それから再度アンカーを試み、semi-compliant balloonがようやく一本見つかったのでそれを用いてアンカーかけ、1.25mm balloonが慢性完全閉塞を通過し、結局右冠動脈も二個の薬剤溶出性ステントを植え込み素晴らしいできとなりました ここでライブデモンストレーションは丁度終了となり、相変わらずの幻を見たか? と誰とも思わざるを得ない白熱した時間厳守の、しかも非常に困難なライブデモンストレーションが終わったのです

スタッフ一同

それはそれは会場もカテ室も興奮です そのあとホテルに戻り休んでからダッカで行きつけの高級日本料理「泉」で夕食をとり、今はダッカ空港からシンガポール空港ラウンジに戻ったところです 今回のバングラデシュ滞在は 22時間でした また二年後 BITでライブデモンストレーションに訪れることを皆に誓ったのです

久しぶりの バンコク

何と前回タイを訪問したのは 2013年2月16日のことでした ですからいつの間にかもう5年半も訪れていなかったのです

今回は、Wasan先生よりのお招きにより CIAT (Cardiovascular Intervention Association of Thailand)という学会ライブにお招きに預かり、久しぶりにバンコクを訪問しました

バンコクの交通渋滞はアジア最悪、世界最悪と言われて久しかったのですが、その後高速道路整備、近郊電車網の整備のお蔭で前回訪問した 5年前には相当に渋滞が改善していました しかし しかし今回は空港から市内ホテルで学会場であるCentara Grand at Centraworldまで30Kmぐらいにも関わらず 2.5時間以上かかりました 大渋滞です また、とにかく見た目景気がすごく良い雰囲気であり、街を歩く人々も若く、これからますます発展するように見えました またこれまで以上に日本語が街に溢れ、色々な日本から進出した店やレストランもたくさん目に付きました

便利な電車網

街の中心には高架上を近郊電車が走っています これはとても便利な交通機関であり、このように渋滞がひどいと特に役立ちます まあ日本で言えば地下鉄ですが、日本の地下鉄ほどには路線が緻密ではありません

CIATはこれまで毎年開催されていたらしいのですが、これまでは一日限りであり、外国からは演者などを招聘されてこなかったということですが、今年から二日間の日程となり、また外国からも演者や術者を招聘するようになったとのことです 今年の目玉は Serruys先生でしょうか 日本からも僕の見た限り5名ぐらいの先生が招聘されていました

CIAT開催直前

そういう訳で今年は 9回目だそうです 僕は土曜日24日の Opening Ceremonyに引き続いて特別記念講演をしました 内容はTRIの発展と Distal Radial Approachについてでした

タイ料理は非常に辛いものがあることで有名ですが、ビーフンを用いた辛い麺はなかなか満足の行く辛さでした

辛い麺

バンコクの街は高層ビルが立ち並び経済発展が伺えます

バンコクの高層ビル街

そして日曜日 11月25日は 9:00AMにホテルロビーにお迎えの車が来て、そのまま ChulaLongKon病院に向かいました 僕が知っているこのタイ国随一の大学病院はまだ建て替え前のものであり、新しくなってからははじめての訪問でした カテ室は 6室あるそうです

僕に与えられた症例は 80歳のものすごく小柄な女性でした 数週間前に前壁の非貫通性急性心筋梗塞を起こし、左冠動脈前下行枝近位部に対して薬剤溶出性ステントが植え込まれました そしてこの時に右冠動脈中部で長い慢性完全閉塞が発見され、本日の標的病変はこれでした 事前に何の症例情報も無く、今朝初めてどのような症例であるかシネを見ました 右の経大腿動脈的冠動脈インターベンション + 右経橈骨動脈的インターベンションで両側 7Frで入ったのですが、左冠動脈にはガイディング・カテーテルの挿入が困難であり、かなりのきつい角度で何とか入りました

まずは順行性から開始したのですが、Gaia-3rdにより慢性完全閉塞部分を超えることができたのですが、ものすごく硬い病変でした そしてワイヤーはそのまま血管外に抜けました このため、左冠動脈からの逆行性アプローチを開始したのですが、狙った中隔枝はヘアピンカーブ状にLADより分岐し、その選択には高度なテクニックが必要でしたが、何とか突破しました 秒間0.1mmぐらいの回転を加えた押したりひいたりの操作により困難な屈曲を超えました これは本当に難しい高等テクニックです そしてようやく中隔枝を超え、ワイヤーは右冠動脈末梢から近位部向かって進みました ここでマイクロカテを進めるのですが、丁度中隔下縁の激しく収縮する部分が屈曲部にあたり、その部位の通過には Corsair-Proが必要だったのです この動きからひょっとしてこの部位で中隔枝の破裂が起こる可能性があると考えましたが、続行しました

そして順行性と逆行性を Gaia-3rdで組み合わせ、ようやく逆行性にワイヤーが順行性ガイディング・カテーテル内に挿入することができました 次の操作としては当然ながらガイディング・カテーテル内でのバルーン・アンカーであり、それを行うことにより逆行性に Corsairを順行性ガイディング・カテーテル内に持ち込めました しかし、順行性ガイディング・カテーテルがなかなか 右冠動脈に対してco-axialに入らず、この結果 Corsairはその先端部分のみがかろうじて順行性ガイディング・カテーテルに入ったのです

ここで、RG-3に置換するのはこのポジションを失うリスクがありましたが、新調に行い、これでもう勝利は確信したのですが、RG-3を逆行性に入れていく途中で抵抗を感じました そして全く進まなくなったのです、RG-3を透視で追うと、何と順行性ガイディング・カテーテル内部先端が折れ曲がりそこで進まなくなっているのです、そこで、このRG-3を道標として Corsairをもっといい位置、順行性ガイディング・カテーテル内に十分に進め、その位置で RG-3を抜去して新しいRG-3を導入しようとしたのですが、今度は RG-3が Corsairより抜去できないのです それで、Corsairごと左冠動脈まで抜去しようとしたのですが、何と逆行性ガイディング・カテーテルが左冠動脈内に引き込まれるのみで抜去できないのです これは大変です 実はここで中継が時間の関係で終了しました 聴衆の方々は一番重様な部分を見ることができなかったのです だって実に僕のカテ室の開始時刻は前の手技がずれ込んだため遅れに遅れ 11:00AM頃手技開始となったのです それで 12:00に shutdownですからそもそもが中継完了するのは無理です

結局色々やって何とか CorsaitをLAD内まで抜去することができ、そこで右冠動脈から造影したのですが、慢性完全閉塞通過部分には Corsair通過の道ができていましたが、十分に造影されませんでしたので、左冠動脈の造影をしたところ、やはり懸念していたように中隔下縁で中隔枝が破裂していて瘤状になり、その部分で右心系に交通していました そしてそこで、新たに順行性に既に Corsairで形成された道を通してワイヤーを順行性に右冠動脈末梢に通過することができました これでようやく終了できるか と思ったのですが、そこでLADより Corsairを抜去したところ、何とLAD近位部で完全閉塞となって、血圧も低下し心停止状態となりここで心臓マッサージ開始、エコーでは心タンポナーデは否定され、このLAD閉塞が原因の血行動態破綻と考えられました 僕としては何が原因であれ、LADに再度ワイヤーを順行性に通過させなければ何もできない、と考え、皆がバタバタ色々な処置をしてくださっているのを尻目にワイヤー手技を続けました 透視で良く見るとLAD近位部の以前植え込まれたステントがひしゃげているのが分かりました 結局、原因は左冠動脈ガイディング・カテーテルが引き込まれて奥に入り込み、この時にステントも損傷し、これによりLAD近位部で蓋されたものと考えられました またこの時点で逆行性 EBU3.0 7Frが左冠動脈主幹部を損傷したものと考えられたので、JL3.5に交換したのですが、この時誰も気づかなかったのですが 6Fr GCが出されたのです

そこからはワイヤリングの絶妙なテクニックを自分で引き出しました 口では表現できないのですが、とにかく絶妙なワイヤーに対する回転と押し引きなのですが、それを続けました とても成功するとは思えなかったのですが、突然ワイヤーがスーッとLAD末梢まで通過したのです そこから 1.0mm balloonが何とかステント近位部を通過し、拡張するとバースト、ついで 1.5mm -> 2.0mm -> 3.0mmとバルーンサイズを上げていき、何とかIVUSに持ち込みました IVUS解説は帝京大学の興野先生が詳しくして下さいましたが、明らかにステント近位部が血管壁に数ミリに渡り押しつぶされていたのです そこで新たに左冠動脈主幹部からLADにかけてステントを植え込もうとしたのですが、全く通過できませんでしたので、LCXをワイヤーで保護しながらGuidezillaを入れようとしたのですが、当然のことながら 6Fr GC内に側枝ワイヤーを入れた状態ではGuidezillaを入れることはできません 何回か入れようと試み、ようやく「あっ、これは 6Fr GCではないの」と気がついたのです

それで今度は右冠動脈に対してバルーンで拡張し、薬剤溶出性ステントを2個植え込み、右冠動脈の慢性完全閉塞開通部分を確保し、右橈骨動脈からの 7Fr AL1.0SHを抜去し、こちらから 7Fr JL3.5を左冠動脈に挿入し、ようやく Guidezillaの助けを借りて左冠動脈主幹部からLAD近位部に薬剤溶出性ステントを植え込み、これでようやく安定したのです 患者さんはこの間に気管内挿管したりしましたが、リカバーしました ものすごい症例でした

興野先生と
終了作業中

この手技が終了したのは 13:30頃になっていました 朝食も食べていなかったので、それからバンコクに来た時には必ず訪れている Seafood Marketに行き遅めの昼食を摂りました

Seafood Market

いやあ今回はものすごい体験をしました 今回の注意点としては、やはり体格が小さくガイディング・カテーテルの挿入困難な症例は合併症を起こしかねないので本当にPCIの適応であるか否か十分な検討が必要である、ということです そして、合併症に対しては術者として常に冷静に状況を判断し、最適な手段を講じるようにせねばならない、そのように改めて思いました

今現在 CDMX (メキシコシティー)

さて日曜日夕方成田空港発の ANAメキシコ直行便で飛び立ちました ここ数年かけて行っている JICAとの共同プログラムであるメキシコでのTRI普及活動を行うためです

このプログラムは実に 3年間に渡り開催してきたもので JICAと共にメキシコ保健省も参加する公式プログラムであり、これまでに多数のメキシコ人および一部の中南米からの循環器医師を育て、これらの国々でのTRI普及に役立ってきました 今回はこの三年間に渡るブログラムの終わりとなり、やはり僕自身が参加せねばならないものだったのです

メキシコ空港に到着し、ホテルに一旦入り、それから早めの記念夕食会が開催された日本メキシコ友好協会に 16:00までには入りました

日本メキシコ友好協会
日本庭園
平成天皇の 1964年植樹

ここには和食レストランがありますが、日本庭園が素晴らしく、1964年には現在の平成天皇が訪れ記念植樹が行われました

翌日月曜日(11/19)はメキシコ革命記念日でしたが、このプログラムは行われ、メキシコ国立循環器病センター (INC; イエネセと発音します)を舞台に行われました

イエネセ

この日は僕が術者として一例 10:30AM頃より慢性完全閉塞患者さんを治療しました

患者さんは 66歳の Class 3 – 4の重症狭心症の方であり、数年前に冠動脈バイパス手術 (LITA-LAD, SVG-RCA)が行われたのですが LITAは枯れ枝となり、SVGも閉塞していて、しかも左冠動脈前下行枝近位部慢性完全閉塞、右冠動脈近位部と左冠動脈回旋枝遠位部は bridge collateralを伴う慢性完全閉塞でした

今回の targetは左冠動脈前下行枝近位部の慢性完全閉塞でした これに対して、遠位橈骨動脈アプローチに果敢に挑戦しました 実際に触知すると細めの動脈であり穿刺は困難が予想されましたが、なんだか「これも運命 どうなると結果がついてくる」と割り切り、穿刺しました 何と一瞬で穿刺に成功し 6Fr sheathを留置したのです そしてPCIも一瞬で慢性完全閉塞を通過させ DES 3.0 x 33mmを植え込み奇麗な出来上がりとなり終了しました これで患者さんはとてもお元気になられるでしょう

PCI成功して

その後講義を行い、このプロジェクト参加者が集まり記念写真を撮ったのです

記念写真

そして14:00より「うかい亭」でラーメンを食べました

うかい亭
辛味噌ラーメン

本日はこれからプロジェクト閉会式がありそれに参加します

TCT2018 – (3)

この日の夜は 2:00AMに就眠しましたが、覚醒したのは 4:00AMでした それから Kindleで本を読み再び 5:00AM頃に寝て今度は 7:00AMに起きました

この日は 9/23日曜日です 9:00AMより二時間近く セッションの discussantであり、その後 朝食がてらに Faculty Loungeでつまみ食いし、そして今度は 12:00よりの二時間近くのセッションでやはり discussantとしての roleがありました やはり日曜日ですので、参加者はとても多い印象でしたね

それが終了してから、今度は新たに取り入れようとしている冠動脈用の新規ディバイスに関する治験の相談をアメリカの方々と行いました またまた会場近くのホテルに移動です そして、引き続いて別の米国メーカーと新たなディバイスの治験計画について話し合い、そしてそれからまた別のホテルに移動して JTVTとTVTの連携に関しての打ち合わせをしたのです そしていよいよメイン・イベントである TVTとの交渉 ここには旧知の友人でもある、Martin Leon先生や Jeffrey Popma先生、その他 STS registryの責任者たる先生など有名大物が揃いました もちろん日本側も大物です 話はまとまりましたので良かったです

これが終了してからいよいよ最後の夕食となりました 先程のホテルから遠くないところによる(多分)有名な Seafood Restrauantにアメリカのメーカーの方々と入りました 広い店内は満席であり、日本から TCTに来られていた先生方もうーん日本のメーカーの接待でしょうかね 結構たくさんおられましたねえ

お店の名前は

Alaska Seafood

僕が注文したのは Bass (日本では鱸・すずき ですが、見た感じは少し違いました)を一尾まるまるをグリルで焼いたもので、辛いソースがかかっていました 魚そのものの品質はとても良いと思いました

Alaska Seafood

この夜は 22:00前には解散し、ホテルに歩いて戻りました そして、22:00には就眠したのですが、やっぱり 1:00AMには覚醒、そして本日9/24月曜日となったのですが、何しろ 6:15AM発の San Diego -> LA便に搭乗せねばなりませんので、4:00AMにはホテルを check outしたのです そんな時刻にタクシーがいるのか心配でしたが、ホテルの人は前の晩に「24時間ホテルはホテルの前で待っている」と言われたのでその言葉を信じて予約しなかったのですが、確かにタクシーがそんな早朝よりたくさん待っていました

そして今は LAの Loungeでこのブログを書いています

あーとても忙しい今回の TCTでした しかし、本当に辛くなってきました そうそう Faculty Loungeで Jean Fajadetといろいろな話したのですが、彼は僕が体力的にきつくなっているということを良く理解して下さいました のんびりしたいなあ

TCT2018 – (2)

さて夜の睡眠はやはり 22:00頃就眠したものの、 14:30には覚醒してしまい、その後 眠れませんでした そして土曜日 9/22は 7:30AMに別のホテルにでかけました これはある薬剤溶出性ステント これに関しては日米欧州共同で治験および大規模臨床試験進行中なのですが、そのトライアルの Steering Committee memberとして会議に出席しました

そして 11:00AM – 12:30PMは HBDのセッションで座長をしましたが、とても良い議論ができました これはとても良かったです

このセッションが終了してから、会場より離れ、また別のホテルである会社の国際共同治験・臨床試験の打ち合わせをしたのです ここいら辺街一体は Gaslampという名前がついているのですが、多分昔はガス灯がたくまさんあったのでしょう 古いアメリカの面影が残るとても良い町並みです

さて、その街の中を見慣れない乗り物に乗り、高速で行き来する人々がいます 何と電動スクーターです

電動スクーターで走る人たち

かなりのスピードが出るのです とても危険な香りがします パトカーがあっても警官は特に咎めることもありません 違法ではないのですね このスクーターは何と IT化されていて、各車両には GPSが搭載され、現在何処に置かれているか、残存バッテリーはどれぐらいあるか 現在誰かが搭乗しているか などの情報がセンターに送られ、そこで適切に管理され、登録してあると最低料金一ドルで乗れて、そらにあるスクーターで空いていれば、何時でも搭乗することが出来、また何処に乗り捨てても良いということです どうやら何社かが既に参入しているようです

電動スクーターは歩道に置いてあります

いやあこれには驚きました そしてアメリカの規制緩和と、それにあいのりした型で新しいテクノロジーがどんどん開発されていることにアメリカという国の強さを感じたのです それに対して我が国は大丈夫でしょうか

さて、この日の夜は ホテルの中にあるSeafood Restaurantで食事しました

そして、その後 ラーメンを食べに行ったのです この San Diegoでもラーメンは流行っていて何軒かあるらしいのですが、この日行った店は、とてもモダンなガラス張りの店であり、とてもラーメン屋さんには見えません

モダンなラーメン屋さん

基本的に豚骨ラーメンですが、この日僕が食べたのは Veggie用のラーメンです つまり、スープも野菜出汁のもので、肉や魚を使用していないものです

Veggieラーメン

正直あまりおすすめできるものではありませんでした 何しろ味が無いのです

TCT2018 – (1)

金曜日9/21の昼過ぎに羽田空港に行き、羽田空港より Delta Airline LA行きに乗りました 9時間++でロサンゼルス到着しましたが、日本から出発すれば昼の便ということになりますので、やはり機内では 1.5時間ぐらいしか睡眠できませんでした そして、2時間の transitで LA -> San Diegoに同じく Delta Airlineで移動し、San Diego空港に到着したのは13:30頃 ホテル到着は 14:00頃でした この巨大な Hilton Hotel Bay Sideは学会場である San Diego Convention Centerに隣接してあります

San Diego Convention Center

もちろん San Diegoはアメリカ太平洋艦隊の最大の基地ですので、たくさんの軍艦が停泊しています この日も、巨大な航空母艦が二隻 対岸に停泊していました

二隻の航空母艦

少しホテルで休み、この日は 15:40 – 17:10まで Sessionの座長 (Moderator)および discussantをしたのです ぶっ続けです

そして、17:10 – 18:30は ある新規ディバイス これに関しては、日米共同で治験をする予定なのですが、そのディバイスの評価と今後の治験スケジュールの打ち合わせをしました このディバイスは一週間前にカナダ Vancouverで初めて患者さんに植え込まれたそうです

そして夜になってからは、あるアメリカの会社の方々、そして昔から馴染みの米国のインターベンションの先生であり、現在はその会社の CMO (Chief Medical Officer)の先生達と会食しながら色々なことを話し合いました 

今年の TCTは昨年 Denverで開催された時には史上最低参加者数だったらしいのですが、それとは打って変わり史上最大参加者数となりました またプログラム内容もより実臨床的なものとなり、ライブも盛りだくさんでした

今年のTCT