いよいよ新時代の循環器治療

この10月01日より、重症大動脈弁狭窄症に対する新時代の治療、TAVI (TAVR: 経カテーテル的大動脈弁植え込み術)が日本において、健康保険診療下で開始されました

冠動脈に対する治療である、冠動脈インターベンションと異なり、当初より厳格な施設基準が設定され、当初は日本全国で 7施設においてのみ、治療ができ、順次全国の施設に拡大されていく見込みです

湘南鎌倉総合病院は、TAVIの治験施設でもあり、当初より認定施設として選ばれました そして、私は田中 穣君と一緒に、循環器内科医として、この治療に対して第一術者として、これまでのカテーテル治療における誰よりも豊富な経験と知識を生かし参加してきました

当初は、ヨーロッパの先生方を中心としたプロクターの先生のご指導の下で開始されます その先生方の忙しい日程との調整もあり、また私自身の無茶苦茶詰まった予定との調整のため、実施日程が限定されます もちろんそれだけでなく、この治療法はハートチームとして多数の医師、コメディカルの協力の下で実施されるものですので、皆の日程調整が必要です これまでのいかなる治療法と異なり、多人数、多数の職種の人々が全力で一人の重症の患者さんの治療に当たるのです この協力を調整するコーディネーターの存在も重要です

昨日10月08日に、湘南鎌倉総合病院にとって記念すべき、この健康保険診療下でのTAVIを行うことができました Edwards社製の SAPIEN-XTという人口生体弁の植え込みでした

9:30AM頃より第一例目に対する治療開始、非常に重症の方でしたが、12:00までに成功裏に合併症無く終了、次の治療は12:45頃より開始し、14:30までには成功裏に終了しました 合併症も無く、皆様方手術室の中で覚醒され、「どこも何とも無いです」と答えられ、とても感激しました

治療の効果は劇的であり、本当に素晴らしい治療法です 自分自身、このような新しい治療の世界に飛び込むのは、とても勇気が必要でありました これまでのように、冠動脈インターベンションという狭い世界、その中で例えば経橈骨動脈的冠動脈インターベンションとか、例えば慢性完全閉塞とか、そんなさらに狭い世界に留まっていれば、これまでの実績のため、安定した安泰なインターベンショナリスト人生を送れたことでしょう しかし、敢えてその道は選ばず、困難な新たな世界に向けて飛び立ちました

そのような決断がようやく昨日花開いたのです その間のストレスはとても重いものがありましたが、誰もそのことは理解されないでしょう

今後ともこれまでの自分が培った全ての経験を費やしながら、この新しい画期的な治療法の適用と普及のために、努力していくつもりです

と、言うわけで昨日二例目終了後に撮影した集合写真を掲げます

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