やっぱりサンクトは美しい

月曜日(5月30日)に成田発モスクワ行きのJAL直行便で飛び立ちました これが2年ぶりのロシア訪問です 前回は 2014年6月18日のことでした この時のことは、ブログに書いてあるように、2002年から毎年のように訪問してきた バクレフ心臓病センターからのライブ担当として訪れた時です

その後、このロシア最大の循環器専門病院からPCIのライブを飛ばすことは、諸般の事情で禁止され、昨年はこの学会(TCT Russia)において、ライブが同病院からは行われず、今年もそれが踏襲されているそうです 従って今回僕はモスクワからのライブは無し、ということになります

それもあり、今回二度目となるサンクトペテルブルクを訪問することにしました 僕は正直この街が、世界中で一番美しい、と思っています モスクワ空港から、飛行機を国内線に乗り換え、サンクトに到着したのは20:00前となっていました しかし、サンクトは白夜であり、この時期 夜といっても日が落ちるのは 22:00頃であり、また日が登るのは 2:00AMぐらいなのです 今回、サンクトには2泊したのですが、その間に何と 3回も「麺屋 正宗」に行きました

麺屋 正宗
麺屋 正宗

ここは日本人が三名、そしてロシア人の人々と一緒に運営しているラーメン屋さんです とにかく、ものすごくうまい 結局、「味噌」、「塩」そして「醤油」その全てを食べてしまいました 本当にうまい 日本でもなかなかこんなうまいラーメンは食べることができません

麺屋 正宗の塩ラーメン
麺屋 正宗の塩ラーメン

まだラーメンはロシアの方々にはあまり馴染みが無く、なかなか店の運営は大変なようです あの有名なエルミタージュ美術館からも徒歩で10分以内の場所にあります

そもそ今回サンクトを訪問したのは、ロシア第二の循環器専門病院である国立のAlmazov(アルマゾフ)病院をCTOのワークショップを開催するために訪問したからです この病院は、年間PCIが 2,000例ぐらい、TAVIに関しては、1年余り前から開始となり、これまでに 81例を行ったそうです その全てが CoreValveだそうです 残念ながら手術死亡は 5例とのことです (1: 左室穿孔、2: 重症不整脈、 1: 穿刺部出血、 1: 左心不全)

Dmitry先生
Dmitry先生

ここのチーフの先生は Dmitry先生であり、たくそんの症例を治療されています

Almazov病院
Almazov病院
Almazov病院
Almazov病院

Dmitry先生が言われるには、ロシアで医療従事者側から見て一番の問題は、政府の締め付けが厳しくなってきていることのようです 例えば、この日は 7:30AMにホテルを出発し、病院には要請の 8:30AMよりも前、 8:10AM頃に到着しました しかし、カテ室周辺には誰も職員がおらず、ようやく症例検討を始めることができたのは 9:00AM頃でしょうか そして、どの症例を一例目にするか決めてから、実際に患者さんをカテ室搬入できたのは 10:00AM頃なのです

どうしてこんなに時間がかかるのか? と言えば、症例が決定されてから、実際にとりかかれるまでには院内の各所からサイン付きの書類を取得せねばならず、それには 1時間はかかるのだということでした

余裕のCTO
余裕のCTO

さて一例目は、LAD近位部の急性冠症候群で来られた女性であり、右冠動脈はCTOでした LADに対しては1週間前に薬剤溶出性ステントが入れられOKでしたので、今回は右冠動脈のCTOでした これに対して両側 6Fr TRIで入りました 当初の予想では順行性にクロスできるだろうと考えた 30mm程度の長さのCTOでしたが、順行性にはワイヤーは解離腔に入りにっちもさっちも行かなくなりました ちなみにワイヤーは現地調達でしたが、Sion, Gaia-1st, Gaia-2nd, M3, Con-Proあたりが自由に使え、Corsairもありました 順行性に 20分ぐらい頑張ってから、左冠動脈からの逆行性に移行しました この病院では逆行性の経験はほとんど無い、とのことでした Sionを用いて中隔枝より入り、最後は順行性に移行して、RG-3 (どうせ無いのですが)も使わずに綺麗に仕上げました

この症例は 10:30AMスタートで終了が 12:15くらいでした そして、次は左回旋枝の起始部からの長い、しかも二箇所に渡るCTOでした 皆は軽く順行性で行ける、と考えていたようですが、とてもではないですが、無理です LADも diffuseに狭く、左主幹部も怪しいのです 非常に危険度の高い症例でした

これに対しては頑張って、対角枝経由で心外膜を通過して左回旋枝に入りました 非常に難しかったのですがやりました そして、M3により左主幹部まで到達し、大動脈に抜けたのです しかし、何かおかしい そのように僕の心が語るのです それは、どうも逆行性が解離腔を通過して左主幹部、そして大動脈に抜けているように思うのです ここで非常に悩みました 通常であればIVUSを用いて見ると思うのですが、IVUSを左主幹部に挿入すること自体危険を伴う状況です ましてや無闇に Reverse CARTを行うのは危険です そこで、この状況を説明して引き下がることに決めました これは立派な教育です

カンファランス室には合計で 30名ぐらいのインタベ医師が集まって見ていたのです 結局終了は 15:00ぐらい それから遅い昼食をとり、30分ぐらいの講演を行って終了しました

とても有意義なワークショップだったと思います そうそうこの病院にはロシア現大統領プーチンさんが既に4回くらい訪れているそうです ですから、国からの資金援助は随分と豊富だということでした