シカゴ到着

本日は6月12日水曜日 TVT (Transcatheter Valve Therapeutics)という学会・ライブのためにシカゴに来ています 成田発の JALシカゴ行き直行便で11時間30分の飛行の後、8:50AM頃に到着しました

シカゴの朝は渋滞があり、1時間ぐらいかけてこの会場となっている Sheraton Hotelに到着したのですが、当然のことながら check-in timeは 16:00であり、現在までホテル内の Starbucksで 2時間一人たそがれながら時間を潰しています

実は現在 12:00 noonですが、12:30に待ち合わせしていてそこから歴史的なことを行うのです その内容に関しては現在は明かすことができません インターベンション医師としてのこれまでの経験と技術の総てを賭けて行うものなのです

それにしても良くぞやり抜きました

今週火曜日 ですから6/11のことですが、例によってTAVI三例治療したのです その中の一例目がTAVIで治療できるか否かの限界症例でした

ご高齢であるばかりでなく、大動脈から両下肢の動脈に至るまで石灰化が高度であり、また内腔も4mm程度しか無いのです かろうじて鎖骨下動脈はそれなりに良かったのですが、例により大動脈弓に合流する部分から手前に20mmぐらい高度石灰化があり、その部位の内腔は 4.5 x 5.5mm程度しか無いのです このような症例には内頚動脈アプローチが良いのでは? と思いましたが日本ではほとんどかあるいは全く経験症例が無いと思います

また心尖部アプローチをこのとても小柄なご高齢の女性に行うのは本能的に危険と思うのです もちろん上行大動脈アプローチは強い全周性石灰化のため不可能です

しかしながらこの患者さんは僕の鎌倉でのPCIの歴史が詰まっている患者さんでした ずっとずっと長いこと何回もPCI行い、薬剤溶出性ステントも冠動脈にたくさん植えこまれており、そのお蔭で最近は冠動脈の状態は何年間も落ち着き、自覚症状も無く過ごしてきたのです それが最近重症の左心不全で救急外来に搬送されてきたのです

そして、その原因は何と流速 6m/Secに到達するような超重症大動脈弁狭窄症だったのです 患者さんも息子さんも「齋藤 滋 先生にはこれまでも何回も助けて頂いて感謝していますし、安心しています」と仰られます

とても危険なTAVIになることが予想できましたが、唯一可能性があると思われた左鎖骨下動脈アプローチで行いました

案の定、Evolut Rの nose cornからステントシース移行部あたりで石灰化に阻まれて全く通過できません バルーンで拡張したり、dilatorを何回も通したりしたのですが通過できません これで最後かと思われた時にようやくニュルという感触でゆっくりとその部位を通過していったのです

そして後は、Evolut Rを位置決めして留置したのです 位置決めと言ってもSTJも高度石灰化あり、pigtailが途中でひっかかり NCC (無冠尖)にどうしても入らないのです そこで pigtailが浮いた状態で造影してその全体像から ERの位置決めをする、という高度な技を用いました

結果はバッチリ決まり、圧較差も一瞬にして無くなりました

患者さんはすぐに完全覚醒し、何の障害も無く順調に経過したのです 患者さんは僕の顔を見て涙を流されました 何と言うか、医師 インターベンション医師として人生を費やしてきた 1981年から ですから38年間が報われた瞬間でした