激しいPCI

木曜日夜 札幌丘珠空港から函館に入りました 足が痛くて痛くて、歩くのも辛い状況でした その夜は蒔田先生と食事し、眠りについたのですが、足が痛くて満足に眠れませんでした

それでも、4月19日金曜日は、9:00AMより市立函館病院で慢性完全閉塞2例に対するPCIが予定されていました 送られてきたシネ、普段は事前に見ることは無いのです、だって、見たからといって状況が変わる訳ではないし、心にストレスがかかるだけで、特に事前に色々と戦略を練る程のことでもないし、所詮はその場の判断力が実力だ、という信念があるからです

でも、何故か今回は見てしまいました そうしたらば、「えーっ、これって無理でしょ」というものでした

とはいっても行わざるえません、第一例目は苦闘3時間、造影剤総量 350mlで行いました 患者さんは 85歳くらいの方で、何年も前に既に左冠動脈前下行枝近位部からの慢性完全閉塞が分かっていた方です それでも患者さんはそこに対するPCIを拒否されてきたのです 今回狭心症再発のため冠動脈造影が行われ、まったく同じ左冠動脈前下行枝慢性完全閉塞と、右冠動脈2か所の新規病変でした 冠動脈は全体に激しく石灰化し、昔右冠動脈2か所、左冠動脈回旋枝近位部に薬剤溶出性ステントが入っておりました

右冠動脈はバルーンも通らず、Rotablator 1.75mmをしたのです、そして、バルーンの後、中隔枝からレトロで前下行枝に入りました どうしても Corsairは中隔枝から左冠動脈前下行枝に入らないので、Finecross-GTにして左冠動脈前下行枝に入りました それから、Gaia-first -> Ultimate 3G -> Conquest-Pro 9 -> Conquest-Pro 12 で近位部への穿通を試みるのですが全く歯が立ちません カチンカチンでした

順行性から、Finecross-GTで Gaia-FIrst -> Ultimate 3G -> Conquest-Pro 9 -> Conquest-Pro 12とするも、これも穿通できません お互いのワイヤー先端が幅数ミリで対峙するのですが、とにかくその部分がカチンカチンなのです

それで、順行性にConquest-PR 8-20を行い、ようやく対角枝に向かっていきました 造影で、ワイヤーが対角枝にあることを確認できましたので、Sapphire-II 1.0mmで途中まで拡張するも、全く通過できず、このため Tornus-Proを取り出し、これでようやく対角枝に通過、ワイヤーをロータブレーターワイヤー・エクストラサポートに置換し、Rotablator 1.5mmをして、それから最終的に2.5mm balloonにより左冠動脈前下行枝近位部から対角枝にかけて拡張しました、そして逆行性にやはり Conquest-Pro 8:20によりようやく穿通し、Ultimateを用いて順行性ガイドカテ内に到達し、順行性ガイドカテ内でアンカーをかけて逆行性Finecross-GTを順行性ガイドカテ内に引き込み、あとはExternalizationを行ってから 左冠動脈前下行枝に対して薬剤溶出性ステント3個、右冠動脈には子カテを用いて薬剤溶出性ステントやはり3個植え込んでばっちり大成功でした

途中血圧が 50mmHgぐらいに低下したり、ストレスの多い手技でしたが、強い心で乗り切りました それにしても激しいPCIでした 思い返せば僕のPCI人生の中で、同一患者さんで、同じセッションで右冠動脈と左冠動脈前下行枝の両者に対してロータブレーターをしたのは初めてです まして80歳超の方なのにです

この方が終わり、すぐさま次の症例にかかりました この方は 70歳前の方ですが、腎機能低下があり、あまり造影剤を使えない方でした 左冠動脈前下行枝は左主幹部分岐部から慢性完全閉塞で、ありその対角枝が分岐し、その対角枝にも90%狭窄ありました 左冠動脈回旋枝末梢から左冠動脈前下行枝に向かって副血行があるのですが、途中は cork screwであり、とても使えそうもありません かといって、中隔枝もダメそうでした

8Fr ガイドカテを用いて、対角枝をまず拡張し、IVUSで観察すると左冠動脈前下行枝入口部が確認できましたので、順行性にIVUSを置きながら、Finecross-GT + Gaia-First -> Conquest-Pro12により左冠動脈前下行枝に刺入し、XTRに置換したところ、慢性完全閉塞末梢の中隔枝に抜けたので、1.5mmで拡張後、Crusadeを用いてFielder-FCにより遠位左冠動脈前下行枝を確保し、薬剤溶出性ステントを3ついれて大成功でした

この症例は1時間ぐらいで終了し、造影剤も 200mlで済みました

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投稿者: (KAMAKURA & SAPPORO)Dr_Radialist

Expert Interventional Cardiologist and Amateur Computer Programmer

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