結局成功率 100%にて終了

今回初めて訪問する国 エクアドルについて、事前に情報はほとんどありませんでした

どれくらい経皮的冠動脈インターベンションをしているのか? どんな先生がやられているのか? などなどについて全く事前情報を得ずに現地に入りました 何となく、まあ慢性完全閉塞といっても順行性アプローチで、Tapered-tip plastic-jacket wireで通過するような簡単なものだろう・・と思い込んでいました

しかし、この甘い予想は完全に裏切られ、結局2つの病院で合計5例の慢性完全閉塞を治療したのですが、その全てがとても難しい症例で、全例で両側性(逆行性)アプローチを行いました どれも本当にCCTなどのライブデモンストレーションで治療が行われるような難しい症例だったのです いや、CCTに参加するよりも、今回の治療を見学されたエクアドルの先生方はその内容を理解されたのであれば、本当に得をしたと思います

実際には、これらの 5例は2つの病院で過去2年間近くの不成功例などから集めた症例だったそうです

1/19 (月)到着したその日の 15:00頃より、Hospital Teodoro Maldonado Carboにおいて、最初の治療を行い、17:30に成功裏に終了しました 既にどんな症例であったか仔細は忘れつつありますが、とにかく病変がとても硬かったのは記憶に残っています

この病院はエクアドル社会保険庁病院 (IESS)であり、公的な病院でした

IESS Hospital
IESS Hospital

翌日 20日は、9:00AM頃より第一例目が開始、いかん すっかり内容を忘れています とにかく固い病変でした

そして、残りの二例も結局は両側性アプローチにせざるを得ませんでしたし、ありとあらゆる自分の持つテクニックを披露せざるを得ませんでしたが、全例成功で皆ハッピーでした

Congratulation for Complete Success
Congratulation for Complete Success

そして、21日はゆっくり目の 9:20AM頃ホテルを出発し、Hospital Luis Vernazaという信じられないくらい美しい建物の病院に行きました

Hospital Luis Vernaza
Hospital Luis Vernaza
Patio within Hospital
Patio within Hospital

病院の中庭 Patioを取り囲むように病院の建物が配置され、丘に向かって登っていく地形に添って段々と建物群が配置されているのです もちろん中庭には Chapelもあります

Chapel in the Hospital
Chapel in the Hospital

この病院はエクアドルで一番古い病院で設立は何と 1564年ですので、500年以上の歴史ある病院です 何でも慈善団体が運営する公的な民間病院であり、グアヤキルの市民病院的性格を有する病院だそうで、たくさんの患者さん達でごった返しておられました

まず連れて行かれたのは、循環器内科のカンファランス室で、そこにたくさんの先生方が集まられ、症例呈示が行われました 症例は左冠動脈前下行枝近位部の慢性完全閉塞を有する 60歳の労作性狭心症の男性患者さんで、左回旋枝にも 90%、右冠動脈入口部に 75%の狭窄を有する三枝病変の方でした 慢性完全閉塞部分から対角枝が分岐し、断端はつるつるであり全く入り口は分かりませんでした

実はもう1例呈示されたのですが、その方は左冠動脈前下行枝と左回旋枝の二枝慢性完全閉塞であり、去年の暮に右冠動脈で心筋梗塞となり、右冠動脈も多量の血栓で完全閉塞のままの症例でした この症例は流石に冠動脈バイパス手術を行うべきだ、と提言し治療しませんでした これらの discussionの後、挨拶のように集合写真を撮影し、カテ室に移動しました

カンファランス終了後
カンファランス終了後

カテ室はやはり一つで、マシンは Philipsの汎用機でした この病院では普段余り経皮的冠動脈インターベンションが行われていない様子で、セットアップに時間がかかり、実際に開始されるまでには 30分以上かかったのです そんな訳で僕が手技に入れたのは 10:30AM頃だったでしょうか

右冠動脈入口部にステントを置いて、中隔枝経由で進めましたが、ワイヤーが左冠動脈前下行枝に通過しても、中隔枝を何も通過できません その原因はガイディング・カテーテルの右冠動脈への固定が不十分で、全くバック・アップが取れないからでした 色々考え、結局 5Frの子カテを取り出し、これを用いて何とか 1.25mm balloonで中隔枝を広げたのです しかしこの過程で問題が発生しました こんなこと初めてでしたが、ASAHI extension wireが接合部で突然離断したのです まだマイクロを抜いてくる前でしたのが、すぐにそれは判明し、結局 南都法によりマイクロを抜去する、という危険な作業となりました このextensionは明らかに製造過程の問題だと思いますので日本まで持ち帰ることにしました

子カテそのままではマイクロ通過させても病変まで到達できませんので、今度は南都法により小カテを抜去したのです これらの操作の過程で意図的ではもちろん無いのですが、第一助手は助けてくれませんし、画面とカテ台の間に立って見ておられる上級医師は、画面を指で刺して、色々と発言されるのですが、それが視界を妨げ、本当にやりにくかったのです だからとにかく早く手技を終了したいので最速のスピードで手技を行いましたので多分皆さん方ついてこれなかったと思います このエクアドルで知り合った Dr. Ricardo Quizhpe先生はそんな中でも僕の手技を理解しようと頑張っておられたので、彼に第一助手を代わってもらいました

Dr. Ricardo Quizhpe
Dr. Ricardo Quizhpe

結局この患者さんは左回旋枝にも左冠動脈前下行枝にもステントを植え込み、三枝病変の全てを治療して終了しました 終わったのは 13:00頃でした

こうしてエクアドルの慢性完全閉塞ライブデモンストレーションと結局なったのですが、5例の極めて困難な症例の全てで成功裏に、合併症無く終了しました

投稿者: (KAMAKURA & SAPPORO)Dr_Radialist

Expert Interventional Cardiologist and Amateur Computer Programmer

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