第二例目

第二例目を開始するのは既に 14:30にはなっていましたので、その症例を開始するためには、カテ室ナースの了承が必要でした 我々が症例を行ったカテ室にはナースが三名配置され、とても良く動く方達でした ちなみに、レントゲン技師さんや、臨床工学士の方などはおられません 通常の勤務は 8:00AMより業務を開始し、医師は 8:30AMまでカンファランス、それから患者さんの診察が 9:00 – 9:30AMまであり、それから実際のカテや手術に向かうそうです

ですから緊急を除き、いわゆる業務はどうしても 9:30AMないし 10:00AMからとなるようです そして、ナースは通常 15:30に勤務を終了し、次の勤務者に代わり、保育園に子供を迎えに行ったり、それぞれの生活に入るのだそうです

従って第二例目を 14:30過ぎより開始するためには、ナースと交渉が必要であり、Leif先生はその交渉に行かれました そして僕は、別の先生方が平行してやっておられたTAVIの見学に行きました この日のTAVIは二例であり、僕が終わりを少しのみ見学することができたTAVI症例は SAPIEN-3を TAo (上行大動脈アプローチ)で行う症例でした 残念ながらカテ室に向かった時には既に終了間際でした この Aalborg病院でのTAVI症例数は年間 40症例に限定され(多分国家予算などで制限されるようです)てきたらしいのですが、この2016年には年間60症例の許可が降りたそうです 全例全身麻酔で行い、TF (大腿動脈アプローチ)と TA(心尖部アプローチ)が同じくらいの症例数のようでした 意外なことに Leif先生はこの病院ではどうもTAVIより離れ、PCI班におられるようでした ご自分では「現在はリハビリ中だ」と仰られていました これは日本でのTAVIプロクタをされていた時に、PCIから完全に離れ、CTOも全くやったことがなくなってしまい、それを取り戻すために頑張っておられる、という意味です

Leif Thuessen先生 (右)と、Bent先生 (左)
Leif Thusen先生 (右)と、Bent先生 (左)

Leif先生は僕よりも年齢が上で、もうすぐ 70歳にならんとされる先生ですが、今でもこのようにアクティブに活動されている姿に「僕も頑張らねば」と思います

そして結局第二例目は 15:00前に開始されました この症例は両側大腿動脈で行いましたが、二年前に二回逆行性アプローチが行われいずれも左冠動脈前下行枝から中隔枝にワイヤーを通し、右冠動脈のCTOがもうすぐ成功する、というところでシネで見ても不明でしたが、何故か途中で手技が終了となり、不成功となった症例です この手技を実際に行われた先生は既に Aalborgにおられなく、また文書による記録も不明で、何故途中で終了になったのかわかりませんでした

 

今回はどう見ても中隔枝ルートはあまり良くありませんでした 何本か可能性があるのはあるにはあるのですが、その先が右冠動脈のあまり良くない枝につながっていたりで、どうも食欲をそそられません 他に無いかな?と探していると改善し末梢から#PDにつながる副血行路を見つけました Sionでは通過できず、SUOH-03に変更したところ、スルスルと通過しました 通過した後ワイヤーが近位に進まないためCorsairから造影すると、以前の造影ではその部分は右冠動脈真腔が太くあり、近位部のCTOまで十分あった筈なのですが、何と何と全く消えていました 結局順行性とあわせると跡形すら無いCTO部分は10 CMぐらいに拡大していたのです そしてその部分をワイヤーでつついても全く入っていきません 右冠動脈は異所性であり、子カテを挿入して何とか backupを保ちながら順行性からと逆行性から両方から Conquest-Proで後1mmまで迫りました しかし、手技の最中も安定せず、Leif先生は、「この患者さんはあまり医学的適応が無いので、中止しましょう」と言われました きっと、ナースの問題とか色々なことを考えてのことだと思いました これ以上自分の意地のために頑張るのは良くない、と判断したのです そうやめどきでした 結局 16:30には中止しました

そうそう大切な事実を記すのを忘れていました それは、何故途中で以前の手技が中止になったかと言えば、逆行性に右冠動脈末梢に入り、そこですぐどうやら解離腔をドンドン近位にまで進めてしまい、その結果 右冠動脈の#2から#3の解剖学的内腔などが完全に解離で破壊され、そのまま固まり、結果的に二年間放置された、ということに推測します 二年前の逆行性アプローチにより悪くなった、ということです

それからホテルに戻り、ビールを飲み、夜は皆で tabu (タブー)というノルウェー料理の店に行き、10:00PM頃まで食事したりお話したりしました 夜はたくさん眠ることができ 今朝は 8:30AM発の便で再び Copenhagenに戻り、それからNorwayの首都 Oslo経由で北極圏の都市に入ります

投稿者: (KAMAKURA & SAPPORO)Dr_Radialist

Expert Interventional Cardiologist and Amateur Computer Programmer

「第二例目」への1件のフィードバック

  1. 齋藤先生
    長旅お疲れ様です。多くの方々に愛されている先生を誇りに思います。
    1月4日カテーテル検査をして頂き又一つClear出来ました。厚く御礼申し上げます。先生の医術で救われた患者達の心臓は、先生の仁術によってさらにハートが温かくなっています。その分先生の身が削られていることでしょう。お詫び申し上げます。お身体を案じ神のご加護を心からお祈り申し上げます。

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