小倉ライブデモンストレーション2018

もうあっという間に三週間過ぎましたが、バタバタしていて時間がパタパタと飛び去って行きました

ふと立ち止まり、あの時は? と振り返れば、これまでのことを整理せねば忘却の深海の中に全てが消えていきます

今年も小倉ライブデモンストレーション 結局会場には行かずに病院からライブ手技をさせて頂きました とても思い出の写真です 僕はおそらく日本で一番年上のライブ術者であるでしょう、良く言えば一番経験豊かな術者でありますが、悪く言えばすでに片足つっこんでいる術者でもあります

まあそれでもこのまま淡々と続けるしか能はありません 頂いた写真を掲載します

何を考えいるのかな?
ライブ会場の様子
手技終了後皆さん方と

いやあありがとうございました皆様方

EuroPCR2018

そうそうもうすっかり昔のことのように思えていましたが、先週はパリにいて EuroPCR2018に参加していたのでした

5/20 (SUN)の 0:10AM羽田発のフランクフルト行き ANA便で飛び、フランクフルトで乗り換えて、5/20 9:00AM頃にパリ着、そのままホテルに入りました

そして 5/20 14:00 – 17:00 TokyoValves 2019の準備委員会 (Preparatory Meeting)に参加したのです

翌日月曜日は色々な治験の会合があり、5/22 (TUE)と翌日の 5/23 (WED)と EuroPCR2018に参加し、そして 5/23 20:00発の ANA便で帰国して 5/24(THU)の夕方に鎌倉に戻ったのです

EuroPCR2018の間も色々な roleがあり、Opening Ceremonyの予行演習を 1.5時間かけて二回もされられるのです ヨーロッパ的ですね こんこと参加者の大多数は知らないのですよね

Opening Ceremonyの予行演習

また Opening Ceremonyでは壇上に並びました 2,000名は入れるという大会議場で開催された Opening Ceremonyは例年満員の人であふれかえるのが壇上から見渡せるのですが、今年は半分ぐらしか席が埋まっていませんでした

大会議場壇上で
半分も埋まっているかな?

こればやはり強化された公正競争規約の影響と思われます

5/25 (SAT)は土曜日でしたが、TAVI Proctors’ Meetingがありそれに参加しました そんなこんなであっという間に時間が通り過ぎて行きました

今週の valves

今週は合計 5例のTAVIと 1例の MitraClipに直接携わりました TAVIに関しては完全に予測が可能となり、それは合併症が起こったとしてもそうですし、また合併症を避けるためにどのようにすれば良いのか、それについてもほぼ予見して対処することができるようになっています

これはもちろんここ数年のTAVIに関する医学の大いなる進歩のお陰ですし、その大きな流れの中に自分の身を置けてきた幸せに浸っています これからもどんどんTAVIは進化していくことでしょう

一方 Mitraに関しては自分の能力がまだまだと思えますし、また医術のレベルとしてもまだまだ改善の余地があることを感じています 期待する結果が得られているのは患者さんに対して責任を果たす、という意味でも重要ですが、とは言ってもやりながらももっともっと進化の余地がある、ということを感じます

MitraClipの最初の技術的難関である心房中隔穿刺 (Brockenbrough法)に関しては、僕は世界で一番上手と自負していますし、その技術的パックグラウンドに立ちながらもなおかつ学ぼうという姿勢を維持しながら最善を尽くしていますので、結果的に大きな問題ではありません

しかし、クリップをつまむ段階ではまだまだ予測が困難です 結果的に何回も何回もトライを繰り返すことになります そもそもこれが learning curveにより改善曲線に乗るのか否か、それすらまだ感覚的に分からないのです ある時は「うんうまくいった もう完璧」と心の中で思えても、次の時には「あーーーー だめだだめだ」と思えるのです 何時この自己矛盾の混沌とした闇の世界から抜け出せるのでしょうか?

gitの upgrade

特に Web開発では compilerでなく script言語を使用することが多いので、プログラムの更新にあたっては更新ログを記録し、いざとなれば元にもどせるようにするために gitを用いることが一般的ですね

gitはもう何年間も使用しているのですが、未だに使いこなしているとは言い難いものがあります そもそも gitはコマンドラインでのコマンドの一つですが、web serviceと連携してそのデータベースが無料の Web databaseにも記録されます そのようなサービスを提供している有名なものとして githubそして sourcetreeがありますね

前者は自分のソースコードを公開するならば無償で uploadできますが、後者はソースコードを公開しなくても無償で uploadできます

何れにしても使いこなしてなんぼ の世界ですが・・・・

さて、最近その git commandに非常に危険な脆弱性が発見されたらしいのです それで git commandの upgradeを試みました 自分の MacBook Pro OSX High Sierraに入っているgitは Apple gitでありシステムに最初から入っているものでした

$git –version

とすると git version 2.7.1と大分古いバージョン番号が戻ってきました

それを upgradeするためには、git commandをreplaceせねばなりません それで調べました もちろん homebrewを用いるのです ありましたね ここです

いやあ助かりました これで僕の gitは version 2.17.1とずいぶんと上がりました

台北からパリに

先週金土と台北で APSCに呼ばれ、その足で羽田空港経由で深夜便のフランクフルト行き ANAに搭乗しフランクフルトへ、そしてそのままパリに飛びました

5月20日日曜日の朝パリに到着し、ホテルに入り 14:00 – 17:00 TokyoValves 2019のための準備会議 (Preparatory Meeting)が開催され、そこに参加したのです

そのして翌日月曜日から世界最大の心血管インターベンションの学会・ライブである EuroPCR 2018が開催されました 僕はこの間ずっと色々な roleで忙しく、本日は一日早く日本に向けて夜の便で帰国します その前に一つ発表がありますが、それ以外にも座長や Moderatorそして 色々なディバイス会社との治験などの打ち合わせがあるのです とても忙しく時差ボケで寝ている時間もありません

そんなこんなしている内に こんな写真が届きました

オバマ前米国大統領と
オバマ前米国大統領と

やはり危険は何時も傍らに存在する

火曜日は自分自身で難しい症例のTAVI一例僕自身により実施しました これは何事も無かったようにうまく大成功に終了したのです

そしてその後 MitraClipを行いました Brockenbroughはそれなりに難しかったのですが、終了し、いよいよ Clippingになりました これがこれがものすごく大変で2個の Clipを用いたのです 当初より2個の Clipか必要と踏んでいてそれは予定通りといえば予定通りなのですが、何しろ意見が別れ、なかなか手技を前に進めないのです 結果的に終わったのが 18:30を回っていました 都合5時間の長時間手技でした しかし結果は素晴らしく本当に重症の手術不可能な僧帽弁閉鎖不全だったのですがてきめんに良くなりました

そしてその後PCI二例に移ったのです 楽勝ケースと思いきや何とステント植え込み後前後に解離が発生し、それが徐々に広がっていくのです 広がった先には対角枝の完全閉塞、そして徐々に左冠動脈主幹部そして左冠動脈回旋枝に解離が拡大していくのです こんなひどい解離の拡大は僕の人生の中で見たことありません 自分の心臓が止まりそうでしたが、強い精神力で耐え抜きました 多分自分がとった対処はベストの対処だったと思います

丸一日間はやわい症状が続きましたがその後はすっかり無くなり心筋逸脱酵素の上昇もまずまずでした どうしてこんなことが起こるのか それについて考えねばなりせん このために札幌行きもキャンセルせざるを得ませんでした 外来でお待ちの患者さんには申し訳無く思いますが そうせざるを得ない程の非常事態だったのです それでもその後はもう大丈夫です

こんな非常事態に遭遇することは予想だにしていませんでした

そして金曜日は台北で開催されている APSC (Asian Pacific Society of Cardiology)での講演に呼ばれ台北に行きました 今朝講演を無事済ませ、多くの有意義な discussionも行いました 座長は Wu先生がされました

Wu先生座長

その後、会場近くの人気店「一蘭」でラーメンを食べました 何でも24時間営業しているらしいのですが、常に人気で30分以上の行列待ちです

30分以上の一蘭の行列待ち
一蘭のラーメン

まあ正直ラーメンそのものはおいしいけれどインパクトに欠ける感じでした 日本でも食べたこと無く、ここ台北で初めて食べました 店の近くにはあの台北一番の高さを誇る高層ビルがありますし、台北市市庁もあります

高層ピル

一年ぶりの小倉

今年も小倉ライブデモンストレーションの季節がやってきました このライブデモンストレーションでPCI術者を務めることは栄誉なことですね

僕自身はもう何年この役割を続けているでしょうか 自分でも覚えていません ただ、毎回大体が会場には一歩も行かず、直接小倉記念病院カテ室をライブデモンストレーション開始の少し前に訪問し、そのままカテ室からライブデモンストレーションを飛ばし、そして終了してすぐに小倉駅に直行し、そのまま福岡空港から飛行機に乗って戻る、そんなスケジュールです

やはり会場におられる先生方よりも自分は年齢が上であり、そんな中で歩き回るのも何となく気兼ねするのです

今年の症例は事前に前日にCDが送られてきました そもそも色々なライブデモンストレーションで症例のシネ情報を見るのは多くの場合、カテ室に到着してから、というのが僕の信条です その理由は

  1. 事前にシネ情報を見ても多くの場合状況は変化しない 見れば成功率が高まるとかいうことは無く、従って見ることにより自分に必要のないストレスがかかる
  2. そもそもPCIなどはどんな状況においても成し遂げるのが医師としての実力であり、それを事前に色々考えたり相談するのは潔く無く、また真の実力とは言い難いた

こんな理由ですね

さて、今回は左冠動脈前下行枝近位部というか、左主幹部から全くとっかかりも無く TIMI 0の慢性完全閉塞でした その慢性完全閉塞の存在は 2017/12月はじめの診断カテーテルの時に見つかっていましたが、その後大腸手術などを控え、これまで治療が伸びていたということです 問題は心機能が非常に悪く左室駆出率は 30%前半しかありません しかも年齢が 86歳でありました 正直PCIの適応判断は限界的だと思いました

このような患者さんですので、まず立てた方針は「決して無理はしない」というものだったのです 実際に開始するとまずは両側上肢から鎖骨下動脈にかけて蛇行が強くまた非常に horizontal heartでありそもそもカテーテル挿入がとても困難でした 最終的には右橈骨動脈より 7Fr EBU3.5がやっと左冠動脈に挿入できましたが、左橈骨動脈から目指した右冠動脈へのガイディング・カテーテル挿入はできず、ようやく診断6Fr JR4.0を右冠動脈に挿入することができました

この後は、絶妙なワイヤーコントロールにより順行性にガイドワイヤーを挿入することに成功しました 大成功で何よりです

 

IMSS in CDMXでのデモ

今回は INCではなく、IMSSに来ています この病院は民間健康保険公社の運営する病院であり、メキシコ国内でも最大規模の病院です 実は 1985年9月に起こったメキシコシティーを中心とした大震災において建物が壊滅的損壊を起こしたにもかかわらず数多くの負傷者の救助、治療にあたりメキシコ国内から尊敬の眼差しで見られている病院です そのエンブレムはかっこいいですね

IMSSのエンブレム – これは Auditoriumの正面です
21世紀病院と書いてあるのが分かります

地震で崩壊した後、新たな作られた病院なので 21世紀病院との別名もあるのです

大地震追悼の壁画

今回はここを舞台にTRIのライブデモをしてきました 本日月曜日は朝から INCと回線を継げてライブ中継もしたのです

INCの先生方と

本日は三例しましたが、一例目と二例目はとても相似している症例であり、ターゲットは回旋枝と左冠動脈主幹部分岐部でした そして三例目は興味深い症例でした

IMSSカテ室で

この 54歳の男性は多分二尖弁によると思われる高度石灰化を伴う重症大動脈弁狭窄症に対して、外科的大動脈弁置換術(CarboMedics機械弁)を受け、術後5日目に自宅退院したのです しかし、この手術の時に、術前冠動脈造影では造影できていなかった異常走行右冠動脈を上行大動脈全面で切断してしまったのです

外科医は冷静にその右冠動脈を NCC/RCCのあたりに端側吻合し、右冠動脈領域は心筋梗塞に陥らず手術が終了したのです

しかし、今朝方つまり術後6日目に強い胸痛と共に、急性下壁心筋梗塞となり、搬送されてきました 当初状況を飲み込めなかったのですが、次第に状況を理解しました 要するに切断した右冠動脈を大動脈に吻合したが、そのバイパスというか異所性から正常部位につけかえた本来の右冠動脈が閉塞したのが原因です

これに対して右TRIで入りました 6Fr診断カテーテルでは造影できず、ようやく6Fr ガイディング・カテーテルによりそれらしき部井にカテーテル先端を導きました もちろん機械弁にカテーテルが落ち込まないように細心の注意が必要でした そして造影すると作られた右冠動脈吻合部が 99% delayとなっていたので、すぐらワイヤーを通過させると TIMI 3 flowとなったのです そのまま 3.5  x 12mm薬剤溶出性ステントを入口部に植え込みました これですっかり良くなったのです

正直最近は自らTRIを行うこともめっきり減り、若手の先生方は喜んでいると思うのですが、こうして臨機応変に対応できる自分の能力にすごいなあと思います

これから成田に戻りますが 成田到着は 6:30AMぐらい 水曜日ですね 自宅でシャワー浴びてから自転車で病院へ そして 10:00AM頃より外来診療 その後午後にはPCIです

うーん 働きすぎかな?

でも、やはりメキシコProject今後も続けていきますよ

CDMXでのPCIデモ

この連休を利用してメキシコの首都、メキシコ・シティーにおります メキシコ・シティーは通常 CDMXと称します これはスペイン語で Ciudad de Mexicoの頭文字であり、メキシコの首都という意味です

これまで何回も何回も CDMXには来ています 一年前からは ANAが直行便を開設したので比較的楽に飛んでくることが可能です 去年の2月にはこの路線の開設便に搭乗する機会がありました

さてここ数年間は JICAと一緒にメキシコさらには中南米にTRIを普及するために活動してきましたが、その主な舞台は、ICN (Instituto Nacional de Cardiologia: 国立心臓病センター)でした この病院は名前の通り巨大な循環器専門病院ですが、ここを舞台にTRIを普及しました 実際僕が普及活動を開始する前にはTRIのメキシコでの普及率はかつてのアメリカ並み、つまり 5 – 10%でしたが、現在ではTRI普及率は 60%程度にはなっていると思います

どんな国にも内部対立・政治的対立が存在します メキシコは現在トランプ政権による排メキシコ運動による経済的被害を受け、さらには反トランプの機運が国民全体に盛り上がり、これまでの政権が総選挙で大きく変わろうとしています そんな中、ICNの果たす役割は大きいのです

しかしながら、メキシコは IMSS (Instituto Mexicano de Seguro Social:メキシコ社会保険公社)という通常の民間労働者を対象とした国民保険制度が医療をカバーしています そして通常救急を含め、ほとんどの患者さんは IMSSが運営する病院を受診します 急性心筋梗塞もしかりです 従って、循環器分野では ICNと IMSがある意味対立しているのです また、IMSSは民間のもの、ICNは国立なので国のものという意識もあるようです

IMSSはメキシコ全土に 10ぐらいの First Class病院を開設・運営しているのですが、その中心に存在するのが CDMXにある XXI Century National Medical Center, IMSS (Centro Medico Nacional Siglo XXI, IMSS)という病院です 日本語では 21世紀国家代表IMSS病院といったものでしょうかね 何でも街日50台の救急車が救急患者さんを運び込んでくるとのことでした

そして今回はこの病院を舞台にTRIのライブおよび JICAと共同でTRI普及活動を行っているのです つまり、2つの病院を舞台に共同でライブを行うのです これは歴史上あり得なかったことでとても画期的なことです

さて 5月 04日金曜日には朝から二例をTRIで治療しました 一例目は 70歳くらいの女性患者さんでしたが、左冠動脈主幹部の三分岐に90%超の狭窄を有し、左前下行枝近位部にも 99%狭窄が対角枝分岐部にある患者さんでした 色々なことを考え右TRIにより 7Fr guiding catheterを挿入し、開始しまた 左前下行枝近位部より治療を行ったのですが、当初 1.5mm balloonも通過できず少し慌てましたが、無事DESを4個用いて治療しました 完璧な出来上がりです

次の症例は 65歳の男性であり、右冠動脈に対して急性心筋梗塞時にDESが2個植え込まれ、今回は左冠動脈主幹部、左冠動脈回旋枝、左前下行枝の高度狭窄の患者さんでした 右橈骨動脈は微弱でしたが、思い切って右TRIで開始しまた 穿刺は一発で入り、順調に進むかと思いきや 右鎖骨下動脈が大動脈アーチの遠位より分岐し、左冠動脈のガイディング・カテーテル挿入が著しく困難であり、ようやく 6Fr AL1により何とか引っ掛けました しかし、その後のバックアップは全くとれず苦労しましだ、結局この患者さんも 4個のDESを植え込み終了しました メキシコの若い先生方はとても流暢な英語を喋られます すごく奇麗な英語です さて、月曜日には ICNと共同でライブを行います 頑張りますよ

IMSSの循環器内科の皆様方と記念写真

いやあ今日は素晴らしかった

本日はTAVI二例、これには僕は直接タッチせず、その後の MitraClipに神経を集中しました その甲斐あり、本日もまた素晴らしい Clippingで終了しました あれほどひどい僧帽弁閉鎖不全がほとんどゼロとなったのです

とても左心房が小さく、まず Brockenbroughから困難でした しかし、これまでの何百例に及ぶ Brockenbrough法の経験を全て注いで安全に有効に行いました その後の Clippingも Heart Teamの総力で素晴らしいできとなったのです

今回は三時間かかりましたがその素晴らしいできに疲れも吹っ飛びます 今後もどんどん習熟し、もっと早く的確に治療が終了できるように進歩していきたいと思います