DICOM XAという深遠にして難解なる世界への手がかり

DICOM-XAという動画フォーマットは、医療画像診断分野において1997年頃より全世界の医療現場・研究において用いられてきたものです。このDICOMフォーマットの制定により、全世界で統一されたフォーマットで画像情報を正確に伝達・保存が可能となったのです。しかしながら、その動画フォーマットであるDICOM-XAというものは、難解なデータ構造を持っています。

齋藤 滋は、2010年頃に、C/C++プログラミングの勉強のために自身でその動画再生プログラムを作成することを決意しました。しかし、それは困難と苦痛に満ちた試みでした。DICOM-XAは静止画のフォーマットである JPEGに基づいています。そして JPEGというフォーマットの根源にあるのは、ハフマン符号化というデータ欠損の無い圧縮です。なぜ、DICOM-XAが難解であるか? と問われれば、その多くは、肝腎のHuffmannフォーマットに関する明確な記述が JPEG仕様書にしか存在しないからであり、その JPEG独特の符号化をプログラミング言語で記載したものの解説は世の中にほとんど存在しないからでした。このような荒波の中、DICOM-XAの解読プログラム(=動画再生プログラム)を自分自身でフル・スクラッチで書くことに私は挑戦しまた。ここに、この齋藤 滋自身が歩んできた困難に満ちた長い戦いの記録を残します。