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心臓病について…心臓の病気総論
心臓病ってどんな病気?
  動脈硬化のメカニズム
動脈硬化のメカニズムを知るためにはまず動脈の構造を知る必要があります。

 
  動脈の構造
動脈は高い内圧に耐えるために3層構造をもっています。一番外側に繊維性組織からなる外膜(がいまく)があります。この内側に主として筋肉で出来ている中膜(ちゅうまく)があります。そして、一番内側に内膜(ないまく)があります。内膜とは実は一層の細胞膜(=内皮細胞)で出来ています。内皮細胞は動脈内で血液が固まるのを防ぐなどの、色々と重要な役割を担っていることが知られています。



  コレステロール
コレステロールは本来、血管を始め体の主要な構造を作る重要な素材です。このため、コレステロールは食物より体内に得られるだけでなく、肝臓でも常に合成されています。そして、肝臓から全身臓器に血液の中を搬送されていきます。コレステロールは全身を司る細胞の壁を形成する成分として必須のものです。本来コレステロールは油の一種であり、それだけでは水を主成分とする血液中に溶けることはできないので、血液中ではリポ・タンパクという特殊なタンパク質と結合して存在します。このリポ・タンパクと結合した状態であれば血液に溶けることができるので、動脈の中を通って全身の臓器に運ぶことができるのです。このリポ・タンパクには皆様方もご存知のLDLやHDLなどがあります。

コレステロールが血液中に過剰に存在すると、余分なコレステロールは内皮細胞を通過して中膜内の貧食細胞(どんしょくさいぼう)に取り込まれ、そして蓄えられます。やがてコレステロールを大量に蓄えた貧食細胞は大きな油の塊となり、局所の炎症反応や線維化も加わり、プラークと呼ばれる動脈硬化病巣を動脈内に形成します。こうなると動脈の内腔もこのプラークにより狭くなります(=狭窄:きょうさく)。こうなると十分な血液が心筋に供給されなくなってきます。そしてその結果、虚血性心疾患となる訳です。

また、プラークの表面は内皮細胞も死んでしまいますので血栓が着きやすい状態となっています。また、時にはプラークの中のコレステロールが一杯となり、プラークが破裂してしまうことがあります。これらの状態が起こると動脈はその部分で血の塊(=血栓)により急速に閉塞してしまいます。こうなると虚血性心疾患の中でも怖い急性心筋梗塞や不安定狭心症と呼ばれる病態となります。

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